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幻のあらちゃんフィーバー。アザラシに住民票を交付した埼玉県志木市はこんな街 

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アザラシ一匹で大騒動が巻き起こり「タマちゃんフィーバーの再来」とまで言われる現象に湧く人口7万の田舎町、埼玉県志木市。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆ならという事で我々取材班も暇にかまけてアザラシの出没地点まで訪れる事にした。東武東上線志木駅からの交通手段は志木駅北口から浦和駅西口までを結ぶバスである。

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志木市とさいたま市桜区との境目に架かる秋ヶ瀬橋のたもとに「秋ヶ瀬橋」バス停があるので、そこで降りるのだ。このバスは時間帯によっては20分に1本しかない。

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アザラシの出没地点になっている荒川の秋ヶ瀬取水堰があるのは志木市東部にある荒川低地に広がる農村地帯、宗岡地区の端っこ。志木駅から市役所まででもかなり遠いが、そこからまだ相当の距離がある。むしろ武蔵野線の西浦和駅が最寄りとなる。

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志木駅方面から来た場合バス停を降りるとすぐ真ん前が荒川河川敷になる。500メートル程先に秋ヶ瀬取水堰が見える。あそこが「アザラシ祭り」会場だ。

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以前のタマちゃん出没の場合は多摩川だったからタマちゃん、今回は荒川だったからアラちゃんという安直なネーミングである。
アゴヒゲアザラシのタマちゃんの出没は2002年。もう大方10年近い前の馬鹿騒ぎだった訳だ。この時は白装束集団でおなじみパナウェーブ研究所までが「タマちゃんの事を想う会」と名乗り出没するまでに騒ぎはキ◯ガイじみていた。

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最寄りのバス停から秋ヶ瀬取水堰までは歩いて10分くらいだろうか。河川敷の大部分は農地になっていて畑が広がる。その向こうにアザラシの川の遡上を妨げた取水堰が現れるのだ。アザラシ祭りで志木市を狂喜乱舞させた原因を作った取水堰だ。

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度重なる報道によって秋ヶ瀬取水堰前にある駐車スペースは平日だというのに満杯に近い状況だった。みんな暇人だなあオイ。

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あまりに人が集まるので臨時駐車場まで用意されるという始末だ。平日でこれじゃ土日はどうなるんだよ。ちなみに取水堰近くには防災ヘリポートがあるが、そのヘリポートの土地を「混雑緩和の為」の臨時駐車場にしている。

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河川敷に来てからずっとヘリコプターがホバリングし続けているからまさかアザラシ一匹で取材ヘリが…なんて事を考えたがそうではない。防災ヘリが訓練をしているだけだった。

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で、秋ヶ瀬取水堰近くの河原に大勢の人が集まっているのが遠目にも見える。果たして「あらちゃん」とやらはこの目で見れるかどうか、というのは全然どうでもよくって、この馬鹿騒ぎに便乗したいだけである。

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あまつさえ駐車場付近には「あらちゃん」フィーバーの便乗屋台が出始めており、河川事務所に許可を取ってるか知らんが、10年前のタマちゃんフィーバーの時と同じ業者が焼きそばの屋台を据え付けて商売に励んでおられる模様。やっぱり土日限定だろうか、屋台は店を畳んだままだ。

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ごつい三脚を据え付けて川面を睨みつけるカメラ親父多数。定年後のご趣味かなぁとも思う訳だがアザラシなんぞ居る様子はこれっぽっちもない。川の前に張り巡らされたオレンジ色の防護柵はマスコミ報道後に見物客が殺到しだした為に急遽設置されたものだ。

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ここが、最も日本中のお茶の間が注目しているらしいアザラシ出没地点。原発事故も収まってないのに呑気な世の中だなまったく。しかし見たところ何もない。早くもテンションが下がってきた。

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ちなみに荒川を挟んだ対岸にもギャラリーが出没している。向こう側は志木市ではなくさいたま市桜区側になる。アザラシがさいたま市側に居たとしても、志木市のようにはしゃぐ訳でもなく平然を装っているのが政令指定都市の余裕といった所か。しかし厳密には市境は秋ヶ瀬取水堰のあたりで限定的に荒川を越えた向こう側に膨らんでいて、実はあちら側も志木市に入っている。

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アザラシの行く手を阻んだ秋ヶ瀬取水堰は荒川河口から見て最も下流にある可動堰になる。それでも河口からここまで30キロ以上あるそうで、海水がこの位置まで遡ってくる。

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志木市側に設けられた調節ゲートからは上流から大量の川水が滝のように流れてきている。アザラシにとってこれを遡るのは無理がある。普段は釣り人がこの付近に立ち入って、流れの早い調節ゲート付近から川に流されて死ぬ事故が何件か起きているらしい。

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もう既に退屈でしょうがないのだが、カワウとか魚など、少しでも川面に生き物が動いただけで、アザラシ目当てのギャラリー軍団は「うおっ!」「今のあらちゃん?」「見た見た?」などと次々騒ぎ始める。まあそういうお祭りだと思えばいいわな。

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で、端からアザラシの登場など期待している訳でもないので我々はすぐに退散したのだが、志木市も街のPRのため住民票交付や広報係、ツイッターアカウントでのアザラシ出没情報の発信に加えてグッズや「ゆるキャラ」作成と必死さが凄い。
不法投棄者に警告を促すこの看板が「見逃すな!!あらちゃんを!」に見えてきそうで怖い。

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その警告看板の足元に、例の「特別住民票」が自慢気に掲示されている訳ですが…市役所に行けば1通200円で交付してもらえるそうです。よかったですね。

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元祖アザラシ騒動の張本人であるタマちゃんは当初出てきた多摩川に留まらず横浜の帷子川や大岡川にまで出張して広範囲を縄張りとしていたのだ。この当時も横浜市西区がタマちゃんに「西玉夫」という名前でアザラシ本人に許可を取らず勝手に住民票を発行している。
そのうち「あらちゃん」も志木市に愛想を付かせて荒川を逆戻りしてどこかに行ってしまうかも知れないし、そうなると志木市の住民票はどうなるのかという話だが、そんなのアザラシの勝手でしょ、別にどうでもいい話である。

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2011年11月13日早朝に現れたアザラシの姿。我々が目撃したのはこの一回だけでこの直後には目撃情報も途絶え、どこかに行ってしまったようだ。


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