芝浦と台場を結ぶレインボーブリッジ、橋を渡った先のお台場はリア充カップルと中国韓国観光客の巣になっていて実にどうでもいい場所だが、遊歩道「レインボープロムナード」のサウスルートから見る風景が面白いのでお伝えしたい。
建設当時は観光用遊歩道として整備されたはずのレインボープロムナードも、時とともに積み重なる排気ガスの黒い粉のように人々に忘れ去られようとしているのか殆ど徒歩で通り抜ける人のいない都会の死角になりつつある。
この遊歩道の上からお台場方面を眺めるとお馴染みなフジテレビ社屋の珍建築を代表する見慣れた景色と並んで、いくつか無人島がぽっかり浮かんでいるのが見えるはずだ。
これがゆりかもめの車内からだとはっきり見る事は出来ない。
注意深く見てみると、それはお台場海浜公園の目と鼻の先にある「第六台場」と呼ばれる人工島の成れの果てだ。現在は学術研究目的で許可を得る以外は一般人立入禁止となっている。長年手付かずのため野鳥の楽園になっている訳だ。
そもそも「お台場」という地名の由来となっているのがこの人工島の存在なのだ。幕末期にペリーの黒船襲来で外国船を警戒しだした幕府が江戸の町を守る為にと急ごしらえで築いた海上要塞、それが「品川台場」である。
品川台場は当時この付近に8基(計画では11基)建造されていて、黒船を迎え撃つ為に当時の最新技術と必死の人海戦術でこしらえたものだが、二度目のペリー艦隊来航の時に、ぎっしり砲台の並ぶこの品川台場を見てこりゃヤベエと横浜に引き返したという。結局実戦に使われる事は一度もなく開国に至った。
その多くは埋め立てなどの開発で現存していないが、第三台場と第六台場だけはそのまま形を留めていて、史跡として保存されている。。
レインボープロムナードから第六台場の上陸口を遠目に眺める事が出来る。幕末に建造された石垣の土台がそのまま残っているのが素晴らしい。だが島への上陸は禁止されている。
立入禁止の看板もあるし、例え都から上陸許可を取っていても、いざ上陸しようとすると水上警察が飛んでくるそうだ。
さすがに150年以上経った構造物だけあるのか石垣の一部は崩れているように見えるが、よく見ると白い砂浜のようなものが堆積している。これは明治時代に牡蠣の養殖をしていた名残りで、牡蠣殻などの残留物らしい。他にも江戸時代に使われていた陶器の破片などが散らばっているそうだ。
第六台場は遠巻きに見るしかないので残念無念な訳であるが、お台場海浜公園と陸続きになっている第三台場の方はというと、普通に上陸して中を歩けるのだ。まずはレインボーブリッジを降りて第三台場の様子を見に行く事にしよう。
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