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立正佼成会の本拠地・杉並区和田にあるもう一つの宗教タウン「救世軍ブースの森」

杉並区和田の立正佼成会本部から裏手に地下鉄丸ノ内線中野富士見町駅前まで東西に伸びる「聖堂通り」というしなびた道がある。

その名の通り、中野富士見町駅方面から立正佼成会本部の大聖堂までを結ぶ道になっているのだが、その途中の道が独特な雰囲気なので、少しばかり散策してみた。

立正佼成会側の聖堂通りには数店舗、教団関係の仏具を売る個人経営の商店が店を開いているものの、それ以外はさほど商店らしきものは無く裏寂れた印象が強い。

他にも中野富士見町駅寄りの場所には、昭和39(1964)年に立正佼成会が大聖堂を完成させるまでに本拠地にしていた「立正佼成会発祥の地修養道場」をはじめとして佼成図書館、佼成看護専門学校、佼成育子園など、佼成会関係の施設が密集している所もあるが、そちらは今度探索してみようと思う。

聖堂通りに沿って中野富士見町方面に歩くと、見えてくるのは立正佼成会の施設ではなく、キリスト教系の「救世軍」の施設。主に年末に街頭で「社会鍋」と称して募金活動を行う事で知られている。

ただの宗教施設かと思いきや、救世軍男子社会奉仕センターという名称の建物内はバザー場になっている。ちらりと中を見ると、どこかのリサイクルショップそのまんまの光景である。

ここでは家庭での不用品を無料で回収した上(寄贈という形式になる)でリサイクル販売しており、売上げは寄付に回る。バザー場の職員は元アルコール依存症患者で、回復支援事業の一環で彼らを受け入れているという。

バザー場の入口脇には時間外でも寄贈品を受け入れるボックスが置かれているが、どうやらドサクサ紛れの不法投棄が後を絶たないらしく固く閉じられている。宗教者の良心が社会のモラルの低さに負けてしまっているような形だ。しっかり「置かれては困るもの」としてリストアップしている看板も存在しているのだが、それでも捨てる側はお構いなし。

このへん一帯は「救世軍ブースの森」と看板が建っている通り、救世軍関連施設が密集している場所となっているのだ。ちなみに「ブース」とは救世軍創立者のウイリアム・ブースの事である。一環して社会福祉事業に重心を置く宗教団体だ。

ブースの森の中核となるのが「救世軍ブース記念病院」。清瀬の病院街で目にした救世軍清瀬病院などと同じ系列の総合病院だ。やたら診療科目が減っているのが気掛かりだが最近の医療制度のゴタゴタで病院業界はどこも大変そうだ。

さすがキリスト教系教団の病院、喫茶店のネーミングまで「5つのパンと二匹の魚」。患者5000人分の腹を満たせるのだろうか。

何気に病院の庭にエンジェル像まで置かれていて本格的である。

ちなみにこの周辺の住宅地も非常に寺が多い。立正佼成会が成り立つ以前からこの土地は日蓮宗妙法寺などを中心とした寺町で、歴史的にも宗教施設が集まりやすい土壌にあるのだろう。

そしてやけに目に付く「どうき息切れ救心」の看板。救世軍の次は救心というのも何か因果があるのだろうか、と思いたくなるような位置関係。救心製薬の本社がこの近くにあるのだ。

救世軍ブースの森を後にして北側の住宅街に入る。住宅街とは言ってもこの辺は救世軍関係者の寮がかなりの率で紛れ込んでいて、見た目には分かりづらいか結構宗教タウン気味な様相を見せている。

この古い戸建てアパートも、やはり救世軍の寮のようだ。

さらにその北側には「杉並区立ゆうゆう和田館」。なんだか芋臭いネーミングが示すように、老人福祉センターとして機能している区の施設だ。

これだけ散策してみると、杉並区和田という土地が狭いエリア内に宗教施設や社会福祉施設が密集している実に特徴のある街であるという事が分かる。

ゆうゆう和田館の隣にはかなり広々とした空き地が残っている。ここも少し前までは老朽化した都営住宅「和田本町アパート」が建っていた。この界隈は、やはり昔から福祉の街だったのかも知れない。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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