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高輪泉岳寺裏名物!低すぎる1.5mガード「高輪橋架道橋」を潜った

東京都内の大部分の地域においては都市交通のインフラとして鉄道が整備されており、少々電車賃がかかるものの我々は広い都内を自由に移動する事が出来る。網の目のように張り巡らされた東京の鉄道、地下には巨大なトンネルの迷宮が複雑に掻い潜っているが、地上に出るとそれが高架橋へと変わる。

高架橋の走る場所には必ず高架下があり、その下の隙間を道路などが交差したり、時には戦後のドサクサで住宅が建てられたりもして様々な風景を見せる。高架下の研究・観察は東京DEEP案内においても重要視している部門であり、大都会東京の交通網から推測する研究対象の多さにも感嘆する次第だ。

ところでそんな東京には、車や人が通るのがとても大変な「桁下制限高」がやたら低いガードが何ヶ所か存在する。

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高さ2メートル以下のガード下は通行人が頭をぶつけたり、車ならば天井の装飾等がひっかかってぶっ壊れる恐れがあるのだが、最低最凶なのが品川駅北側に存在する「桁下制限高1.5m」という「高輪橋架道橋」、別名「提灯殺しのガード」と呼ばれる、なんとも物騒な場所だ。

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品川駅港南口(東口)を降りてNTTのオフィスが密集する方向、すなわち北に歩く。NTTドコモ品川ビルに隣接して「芝浦水再生センター」の広大な敷地と、その上に広がる「芝浦中央公園」があるが、その間の道をさらに進むのだ。

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超巨大ターミナル品川駅周辺は、駅こそ立派なのにそこから少し離れると通り掛かるのも気味が悪いくらい人通りがないアンバランスさが特徴的。ドコモビルから先、汚水処理場の敷地を抜けるまでは寂しい一本道が続く。

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芝浦水再生センター」の敷地は綺麗に緑化されて「浄化された下水処理水」が流されているが、その割にはなんか臭う。この敷地ひとつで東京都内の山手線に匹敵する面積から運ばれる汚水を処理しているのだ。

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後ろを振り返るとNTTドコモ品川ビルの建物がそびえているのが見える。ドコモだけあってどこもかしこも超豪華なオフィスビルを構えているがどれだけ銭蓄えとるねん、日本の携帯会社は高い通話料と通信料でボロ儲けしすぎやで!しょうみのはなし!と個人的にタラタラ愚痴を吐きつつ先へ進む。

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そうこうしているうちに件の「提灯殺しのガード」に到着した。
このガード下はちょうど都営浅草線泉岳寺駅前の第一京浜に繋がっているのだが、山手線だけではなく京浜東北線、東海道線、横須賀線、おまけに新幹線まで走っている巨大ターミナル品川駅の直前にあるという事情が、全長230メートルという異様な長さのガード下を作り上げているのだ。

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ガードの入口の真ん前に立ってみるとその天井のあまりの低さを実感できるはずだ。これぞ「桁下制限高1.5m」の世界。「提灯殺し」の異名は、この低すぎるガードの天井にタクシーが頭の提灯をひっかけて破損してしまう事故があまりに多いからつけられたものだ。

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ガード下に足を踏み入れると、確かに男の身長ならば頭を屈めておかなければ通れない。しかも結構スーツを着たサラリーマンがここを通勤経路に使っているので驚いた。こんな鬱になる通勤経路、知らんぞ。

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時折自転車が来るものの、もう慣れているのかしてこんな低いガード下でも何事も無かったかのように腰を丸めてそのままのスピードで突っ切ってしまう。何かの手違いで身を屈めずに突っ込むと間違いなく事故ります。

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しばらく高さ1.5mの世界で道行く人々を眺めてみた。終戦後の日本人は平均身長が低かったからさほど気にならなかっただろうが、今となっては圧迫感が強い事は否めない。
首を前に屈める人と横に屈める人と、色々回避パターンがあるようだ。もっとも無難なのがこのガード下自体を避ける事であることには違いがないのだが。

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車道は第一京浜からの一方通行で、見ての通り車高の低いセダンタイプの車以外は通れない。天井には擦れた傷跡も確認できるはずだ。

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ガード下のトンネル中央くらいの場所で現れる、品川駅長の名が書かれた「入ってはいけません」の注意看板は何を意味するのだろうか。ここが品川駅へ通じていればどんだけ楽だろうと一瞬想像するも、ここから品川駅まではかなり離れている。

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それでも泉岳寺側の4分の1ほどの部分では多少天井が上がり、わざわざ首をすぼめる事もなくなる。

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ガードの上を見れば東海道線などの電車がひっきりなしに往来する姿が拝める。閉鎖的な異世界から抜け出した開放感を感じる。たった230メートルがとても長く感じられるのだ。

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出口付近で見つけた「制限高1.5m」の表示。広大な東京でも1.5メートルというのはここ高輪橋架道橋のみ。

他は大田区中央2丁目(最寄りはJR大森駅)のJRガード下が1.7メートル、足立区柳原1丁目(最寄りは牛田駅・京成関屋駅)の東武ガード下の1.8メートル、もう一つが江東区北砂(砂町銀座近く)のJR貨物線ガード下の1.6メートル。

ちなみに大阪に行けばこちらの方が一枚上手で、北区中津のJR貨物線ガード下の1.4メートル、淀川区田川北の1.2メートル、東淀川区淡路の1.5メートルもあるが、これらはまたの機会にでも大阪DEEP案内でお伝えできればと思う。

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大雨の時には道路そのものが水没するので無理にこの道を通るのはやめておこう。

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この最低最凶のガード下を抜けて第一京浜に出ると、ほどなく泉岳寺駅に着く。ちなみに先日お伝えした芝浦高浜橋ホルモン村への近道がこの道となる。本場のホルモンを東京で食べたいのなら是非覚えておこう。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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