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【突撃!荒川向こうの足立メシ】足立区の極北・竹ノ塚「中華タカノ」の350円ラーメンを喰らう

地下鉄日比谷線と半蔵門線の車両が乗り入れる東武伊勢崎線沿線で東京23区の最北にあるのが、23区最貧民国として不動の地位にある足立区に属する「竹ノ塚駅」である。久方ぶりにこの土地を訪れたのは「荒川以北の足立区はフィリピンパブと中華タカノしかない」という冗談だか本気だか分からないいつぞやのどなたかのツイートを見て、またあの街に訪れてみたいと衝動がふと湧き出したからである。

足立区 竹ノ塚

という訳で竹ノ塚駅東口へ。そろそろ季節的にも冬の恒例イベント「光の祭典」の準備が始まるのではないだろうか。場所柄に合わず立派なイルミネーションが駅からハッテン場で有名な元淵江公園までズラ~っと連なり足立区中のリア充とDQNが集まる賑やかなイベントなのである。で、普段はここ竹ノ塚に旗艦店舗を置くピーアークの巨大パチンコ店のネオンがギラギラなのである。

足立区 竹ノ塚

さて、竹ノ塚と聞いて有名なものと言えば…フィリピンパブ。何やらこの街だけで大小合わせてフィリピンパブだけでも50軒くらいある「足立のリトルマニラ」と呼ばれる土地らしい。そう言えば駅前を歩いていてもそこら中フィリピン国旗だらけである。夜ともなればDQNな輩が街をウロウロしまくっていて雰囲気もおっかない。控えめに道路の端を歩いていただけなのに駐車場から出てきた車の助手席のあんちゃんに「お前すっげー邪魔なんだよ」と因縁を付けられるような街は当方首都圏各地の街々を歩き倒してきた中では竹ノ塚以外経験がありません。ほんと酷い街です。

足立区 竹ノ塚

しかも先日NHK総合で放送された「ドキュメント72時間」で竹ノ塚のフィリピンパブに密着していたのだが、毎度あの番組は放送コードギリギリの社会の底辺ネタを持ち込んで来てネットの話題を総ナメにしている向きがある。朝5時から深夜まで開いている取材先のフィリピンパブというのは…こちら「カリン」さんですね。今度朝ごはん食べに行きたいですね。

足立区 竹ノ塚

午後8時を過ぎると我々が勝手に「殺人踏切」と呼んでいる竹ノ塚駅南側にある「開かずの大踏切」から東側一帯に広がる飲み屋街を中心に客引きのボーイとヤンキーやチンピラに混じってフィリピン人やその他多国籍のふくよかな体つきのお姉さま方が「出勤」される風景に出くわし、にわかに夜の街の喧騒が繰り広げられるのである。本当に雰囲気が悪いので因縁付けられたくない余り写真も若干手ブレが入っており見苦しくてすみません。

足立区 竹ノ塚

ピンパブや怪しい系のお店以外にも色々食い物屋はあるにはあるのだが、このようにどこかで見た事のある三色のラインがこれ見よがしに看板に描かれたりする所も足立区ならではだ。ルーマニア料理じゃなくて中華料理屋です。

足立区 竹ノ塚

ともかく駅を降りると目の前に止まっている東武の路線バスですらこのようなお下品な全面ラッピング広告が貼られた車体だったりするので、足立区最北端の磁場の狂いを感じずには居られない。よく見ると地元の不動産屋の広告である。ん?スター不動産??

足立区 竹ノ塚

このスター不動産、足立区竹ノ塚や綾瀬などに店舗を置く地元密着型の不動産屋さんで、足立区の街中を車でチンタラ走っていたりするとこのような何を伝えたいのかさっぱり意味不明な広告があちこちに貼り出されていて、足立区に住もうと端から思わぬ前から既に「試されている」気がしてならないのである。足立区(特に荒川以北)に住むという事は、すなわち他とは違うある種の覚悟が必要なのである。それも「埼玉に住む」以上の、ある種の覚悟だ。

足立区 竹ノ塚

今回フィリピンパブ街は取材対象ではないので早々に退散して、我々は駅前ロータリーに面した団地の裏側にある商店街に移動した。相変わらずどこの街にでもある没個性的なチェーン店ばかりで味気なさが際立つが、世田谷育ちのマダムがマッパで逃げ出すようなチープな大衆店しかないのはさすが足立区の極北ならでは。

足立区 竹ノ塚

駅前一等地にもパチンコピーアークの店舗があるのに、この商店街にもまた一つピーアークの「ピーくんプラザ」なる店舗が一番人通りの多い角地にデデーンと鎮座している。屋上から手を振るマスコットキャラのピーくんは某ゲーム会社の○ックマンにクリソツの顔立ち。パチンコ店を中心にスシローやドトールなどの外食店、ゲームセンターも併設している。

足立区 竹ノ塚

あと重要なのが、竹ノ塚のピーアークが「1円パチンコ」「0.5円パチンコ」発祥の地だという事。パチンコ・ギャンブル狂いで借金に喘ぐ底辺家庭、年金暮らしとナマポ世帯が増えるこのご時世に貸し玉4円じゃとても遊べなくなった人々を相手に新たに激安貸し玉を始めたのがここ竹ノ塚のピーアークというのだから、つまり竹ノ塚はそういう土地なんです。

足立区 竹ノ塚

そして、そんなピーアークの真向かいにあるのが竹ノ塚という東京最北の地に長年根を張り下町の味を守りぬいている「中華タカノ」の店舗である。見た目には団地の一階に入居していてガラス張りで真新しそうな、別段何の変哲も無さそうな外観の店舗であるが、自動ドアの前に掲げられた洒落っ気のない暖簾の堅気さが「これは本物である」と本能的に訴えかけてくる。中華タカノは竹ノ塚以外にも堀切菖蒲園など下町エリアに同名の店舗があるが、生駒軒あたりのような暖簾分けチェーン系なのかも知れない。

足立区 竹ノ塚

竹ノ塚駅前で一番のギラギラネオンサインを放つ貧民向けパチンコ店の真向かいで年中無休24時間営業を続けている下町のタフな中華料理店、それが竹ノ塚の中華タカノ。「向こう半年間謝恩サービス」とあるが明らかに半年どころか半永久的にやっているのではないかと思われる「ラーメン350円、ワンタン350円、ギョーザ250円」の恐るべき低価格っぷり。この写真ではワンタンは300円と書いているが2014年4月の消費税率変更を機にラーメン、ギョーザ共に値上げされたようで350円でした。値上げ前はラーメンとギョーザの二品がワンコインで食えたというので驚きである。

足立区 竹ノ塚

中華タカノ竹ノ塚店の店内は特に強い個性も感じさせない無難な下町の中華料理店の王道を行っている。駅前ながらテーブルの間の間隔も余裕がありゆったりと過ごせる。タクシーの運ちゃんっぽい中年男性一人客と地元高校生仲間の男女6人組が先客に居た。そりゃラーメン350円なら小遣い銭でも来れるわな。ちなみにラーメン、ワンタン、ギョーザの三品以外はチャンポン800円、レバニラ炒め650円と普通の価格設定である。

足立区 竹ノ塚

そしてこれが未だに一杯350円で出しているラーメン。メンマにチャーシュー1枚、彩り付けになると1枚とキヌサヤエンドウが三葉。昔ながらの東京ラーメンの王道を行く一品の登場である。黄金色の醤油ベースのスープがこれまた上品な風味で癖なくコクがあり、麺ともよく絡む。竹ノ塚というアレな土地でこんなに旨いラーメンを出していたとは思いもしなかった…これを食べる為だけにわざわざ東京の最果てにまで足を運んだのだ…間違いなく、値段以上の満足がここにはある。

足立区 竹ノ塚

続いてワンタン350円。これも見た目以上にボリューミーで食べ応えがあり旨い。この立地での客層を照らし合わせて最適な利益を挙げるにはこの価格に据え置かざるを得ない事情でもあったのだろうか。涙ぐましい営業努力である。足立区では探せばまだまだ500円以内でラーメンを出す個人・零細経営の中華料理屋は沢山ある。これはまだ氷山の一角なのだ。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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