春日部土着民しか知らない場末の桃源郷「武里駅東口」の飲み屋街を歩く

北千住から複々線区間が延々と続く通勤路線として発展度の高い東武伊勢崎線(意地でもスカイツリーラインとは言わない)の中でも、複々線区間の北限にある北越谷駅から先の区間はいよいよベッドタウンというよりも北関東の田舎町的な風情が強まってくる。春日部の手前の急行停車駅であるせんげん台から各停に乗り換えて一つ目の所にある「武里駅」は駅前から場末感と昭和臭が半端無い街並みが残り、以前も西口付近をうろつき回ってレポートに上げたのだが、まだまだこの街にはネタのストックがある。

春日部市 武里

ただでさえ寂寥感極まる東武伊勢崎線武里駅前。その西口よりも輪をかけて寂しいのが東口。とりあえず駅前に誰も人が居ないんですけどどうすればいいんですか。

春日部市 武里

でも一応東口側にも商店街とまでは言わないものの、それなりに店舗が並んでいて「駅前」らしい体裁は見せているのである。しかし廃業した店舗が駐輪場を営んでいたりするのがちらほら見られるのは西口と同様。

春日部市 武里

そんな淋しげな駅前一等地にそびえる駐輪場の一つがなんと「トプカプ宮殿」だもの。武里のポテンシャルの強さを感じずにはいられない。イスタンブールにある本物を知っていたら、この佇まいにはもう笑うしかないんですが。

春日部市 武里

駐輪場の名前は「月極トプカプ駐輪場」…ちなみにこちら、レンタルボックスも兼業されているようです。月々2500円でトプカプ宮殿が使い放題、それが武里という街です。

春日部市 武里

東京通勤圏からやや外れ気味となっている春日部市のまた外れにある土地柄からか駅周辺の店舗がのびのび自由気ままに個人プレイをかましている率がどうにも高い気がするのは気のせいでしょうか。

春日部市 武里

しまいには街の居酒屋まで「やぶれかぶれ」になって壁にスパイダーマンとこそ泥を這わせているフリーダムな武里駅東口の街並み。赤羽あたりと対抗できるユルさがある街だな…

春日部市 武里

で、なんとなく東口から道なりに北方向に歩いて行くと、駅周辺の発展度の微妙さからすれば予想外な程になかなかの規模の飲食街が姿を現すのだ。今のところ、月極の駐輪場か駐車場、変な居酒屋やスナックしか見かけませんけども。

春日部市 武里

そして、いかにもパン一斤無料とかで地元のご老人を引き寄せては後で高級羽毛布団を買わせる手口の催眠商法の悪徳業者が狙い目を付けそうな潰れたヤマザキストアーの店舗が虚しく建っている辺りが武里駅東口の飲み屋街の中心。ここまで総じてしょぼくれた街並みしかないと安堵している場合ではない。是非ここから線路側の光景を見て欲しいのだ。

春日部市 武里

突然姿を表したのは路地裏にびっしり連なる駅前酒場通り、そしてその背後には武里駅前に君臨するランドマークタワー「金子商事」(第一カネショービル)が見えるという、この見事な「ザ・場末」の光景!

春日部市 武里

焼き鳥、串揚げ、古風な一品料理を提供するどれもこれも零細個人経営の小さな酒場が武里駅東口のこの一画を占めている。見る感じ廃業してるのか?と疑わしくなる満身創痍で雑草生え放題な外観の寿司屋があったり、色々と気になる。

春日部市 武里

路地を突き当たった先にもご覧の通りの居酒屋ストリートが。この飲食街に愛称らしきものは無さそうだが「武里東口商店会」の名称が街灯に記されている。

春日部市 武里

スネークマンショーの「ホテルニュー越谷」のBGMが似合いそうな場末感たっぷりの飲食ビルもあり。空いててよかった…って、この辺の店ならいつでも(席が)空いてそうだよな。残念ながら武里は越谷ではなく春日部なんですが、カップルで来て雰囲気が良くなってもその後溜まれる場所がないのが武里駅前です。

春日部市 武里

もう一本の路地に入るとこちらも同様に居酒屋目白押し状態。「とまり木」「ながらみ」と古風な屋号も多く剥き出しの昭和感がムンムン。一方で「カラオケナイト東京」に「東京食堂」と、やけに東京を渇望するかのような屋号を付けた店が。マスターは本当は東京に住みたかったけど、お金が無かったので仕方なく埼玉に住んでいるんです…的な無念の現れかと勝手に想像。

春日部市 武里

足立・草加・越谷と外国人&アウトロー住み殺伐タウンが続く東武伊勢崎線沿線内でも春日部市に入るとさすがに割合が少なくなるんですが、こちら武里にもタイ風居酒屋がチラホラあるっちゃあるんですね。飲み放題2時間2000円…安っ…

春日部市 武里

お馴染みのタイ国旗やタイ料理ではなく店名でタイスナックである事を全身で主張する「cocode唄いタイーノ」が微妙にツボった。

春日部市 武里

さらにここから北側、一ノ割方面に進むとだらだらと飲食テナントが立ち並んでいるが、ぼちぼち空き店舗も目立ってくる。

春日部市 武里

その飲食店がぽつぽつ並ぶのが途切れそうな位置に店を構えるのが「サッポロラーメン イヨマンテ」。店名の筆字のロゴがなかなかリアルですが、イヨマンテと聞いて昔、梅垣義明という芸人がやっていた不謹慎な芸(北海道ウタリ協会から差別的だとクレームが付いた)しか思い浮かばず、すみませんがこの辺で小腹が減ってきたので入ります。

春日部市 武里

不謹慎芸はさておき武里「イヨマンテ」の名物はバターコーン…じゃなくてこちらの「ネギ味噌大辛ラーメン」。沿線住民のニーズを汲んだドカチン向けに量多めでしっかり札幌ラーメンらしい特徴の太縮れ麺。旨い。

春日部市 武里

そして、武里駅東口の飲み屋街を見たさにまた日が暮れてから再訪してしまった次第であるが、夜もそんなに賑やかにはならないんスね…まあ、各駅停車しか止まらんローカル駅だし通勤リーマンはせいぜい上野か北千住で飲んで帰る客ばかりで…ってところでしょうか。寂しい。

春日部市 武里

しかし一軒だけこの飲食街に個性のキツそうな焼肉屋があって気になっていたのだ。店の前の壁に直接「ホルモン屋っす」と自己主張。それは分かるが「ナナちゃん大好き」って、誰の事だよ。

春日部市 武里

店の壁一面に店主からのメッセージが大書きされた癖の強い外観の店。最近流行りの黒いTシャツに鉢巻絞めて腕組みして一杯千円も取るオラオラ小洒落系のラーメン屋からのオマージュなのかと最初は思ったが文章が全然ポエミーじゃないので、多分違うと思う。

春日部市 武里

そんな気になる店「じゅじゅホルモン倶楽部」にピットイン。店の外観同様、キャラの濃ゆいマスターのオジサンがカウンター越しにあれこれフレンドリーに絡んでくる。こういう店だと一人で来ても退屈させられる事はない。店内にも「生マッコリ マジ、旨いよ よくでてます」等と自筆の張り紙がびっしり。くどい。ちなみに他の客は近所にお住まいの仕事帰りの土木作業員1人のみでした。

春日部市 武里

焼肉二種、ホルモン、キムチ、ビール等を平らげたがお会計も1人2千円台と場所柄通りのリーズナブル。場末タウン武里の夜もたまには悪くない。帰ってくるだけの街じゃ寂しいだろうし、近場にお住まいの肉好きなお方はどうでしょう。なお、五反野にも同じ店名のホルモン焼肉店があるんですが、姉妹店でしょうかね。

サッポロラーメン イヨマンテ

営業時間 [水-月]11:00-20:00 火曜定休

埼玉県春日部市備後東6-1-17

埼玉県春日部市備後東6-1-17

じゅじゅホルモン倶楽部

営業時間 [水-月]17:30-24:00 火曜定休

埼玉県春日部市大場1218

埼玉県春日部市大場1218


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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