横浜反町・東横フラワー緑道沿いにある「小宮商店」の電波でクリエイティブ過ぎる自販機コーナー

横浜市神奈川区

東急東横線で横浜駅のすぐ隣にある「反町駅」…なんだか存在感が薄くて、すぐに「ソリマチ」と呼ばれてしまう不遇の存在であるが、東横線が地下に潜ってからは「東横フラワー緑道」で横浜駅まで歩いて行けるし、神奈川区役所あたりにも近いし、寂れてはいるがそれなりに住めば都感のある街だったりする訳ですが…

横浜市 反町

…とりあえずこの反町駅に足を運んだのは単なる「散歩がてら」だったのだが、たまたま道を歩いていたら物凄い自販機コーナーを発見したので、紹介したいと思う。

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とりあえず駅の前から伸びる「東横フラワー緑道」を、横浜駅方向ではなく東白楽駅方向に歩いていきましょう。東白楽駅の手前まで東横線が地下化されており、その区間は遊歩道になっていて、ご近所のお子様連れなんかが遊んでいたりするんですが…

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ここを通り掛かるとやっぱり気になる物件がこれですね…何故か反町駅前にたった一軒だけある「その手」のお店。ハートマークに「人魚」と書かれている、怪しげなエントランスを見る度に吹き出しそうになるんですが…

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ニヤニヤしながら店の前で立ち止まっていたら、どうやらこの店に入ろうとしていた常連と思しき中年のおじさんが警戒して遠目に見ているので、とっとと先を急ぐ事にした。おじさん、邪魔してすみませんでした。ゆっくりしていってね!

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かつてここを東横線が走っていた事もあって、遊歩道には線路と枕木をあしらった板張りがこしらえられている。このまま歩けば隣の東白楽駅まで行けるのだが、その途中にある店舗の前でまたしても足が止まった。

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それはこちらの街の酒屋さん。小宮商店という個人店舗なのだが、注目すべきは店の周囲にがっちり埋め尽くされた自販機の数々。まあ、自販機が多いだけというのは別に珍しくはない。だがよく見て欲しい。

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何やら自販機の周囲そこらじゅうに手書きのPOPがこれでもかとベタベタ張られまくっていて異様な雰囲気を放っているのだ。これは新手の電波物件なのだろうか!

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見た目にはかなりヤバイんですが「この自販きは4月1日消ひ税増税後は(消費税8%は含んでいます)値上げしませんガンバル今迄通りの激安で販売を続けます赤字覚悟!」(原文ママ)と力強いメッセージまであるガチな庶民派自販機コーナーなのだ。

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小宮商店の「激安」に対するこだわりようは自販機に陳列された商品にもわざわざ手書きの紙を貼り付けて「演出」を怠らない様子からも見て取れる。キレートレモンのペットボトルの周囲に「激安100100100100100100…」と書かれた紙で囲んで、これはどう見ても一本100円で売られているのだなと誰でも判断できる。

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缶コーヒーのBOSSシリーズも「激安8080808080…」の紙が…それだけじゃなくて、一番左端のBOSS缶ラベルは店主が手描きで転写した自作ラベルだったりするのだ。このクリエイティブ具合はなかなか凄い。

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他にも色んなメーカーの缶ジュース・ペットボトルのラベルが店主による手描きイラストで代用されている。特に栄養ドリンクやビタミンC系の飲料は含有成分を別途記載して「気分転換にもオススメの栄養補給炭酸」と説明書きを付け加える始末。

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どうやらこれらの激安品は賞味期限が近づいているものを安く仕入れて売る、大阪福島にある「大阪地卵の10円自販機」に近いスタイルを取っているようだ。有名メーカー品のペットボトルでも一本70円とかなりお安い。

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美山名水やサンガリアのような関西ではおなじみのローカル飲料メーカーの商品だと一本50円とかで買えるので、もはや山谷や西成のホームレス向け激安自販機と互角で戦えるレベルである。

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こうした安売りで仕入れた商品には陳列用のダミーボトルの用意がないものも多く、実物を陳列用に1個でも別置きするのももったいない。その為イラストで代替しているらしい。

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100円で販売されている伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」のラベルもそっくりそのまま手描きで転写。ラベルの写真にあった笑福亭鶴瓶もきっちりイラスト化に成功。顔つきがヤバイんですが…

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クリスタルガイザー500ミリペットボトルも、こちら小宮商店の自販機では一本50円で購入可能。反町界隈の貧乏暮らしをしている庶民には心強い味方であるに違いない。

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全て店主の独自スタイルで自販機に手描きPOPを貼り付けまくっている個性派だが、油性ペンやクレヨンを自在に使って多彩なラベルの絵を再現し、遠くから見ても目立つようなアピールを可能にしている。事実我々はこの店のPOPの前で足を止めさせられた。

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2リットルペットボトルの烏龍茶・麦茶で日本コカコーラ社製のものが128円で売られているのは、さしずめ大型ディスカウントショップでなければなかなかお目に掛かれない激安価格。これだけ薄利多売スタイルで、果たして利益は出ているのか…

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どうやらこうしたアーティスティックな手描きPOPを書き始めたのも、東横線が地下に潜ってからの5~6年くらい前からだという。駅から離れた住宅地の中にポツンとあるこの店舗で、これまで線路際の車窓風景から店の存在が把握できたのが目につかなくなった訳だから、何か目立つことをしようと言う事で思いついたのがこの作戦らしい。

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店の外周りの自販機コーナーばかりが目立つ小宮商店だが、店内も食品各種諸々賞味期限の近いものをお安く仕入れて激安販売しているので、ここいらで貧しい暮らしに明け暮れている方は立ち寄ってみられては如何でしょう。横浜暮らしの心強い味方であるには違いありません。


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