大量のゲリラ雹に襲われた調布市つつじヶ丘周辺をお散歩してきました

時事・災害

近年天候が狂っているようで「ゲリラ豪雨」なんて言葉もすっかり定着している感があるのだが、2014年6月24日、関東上空は南からの梅雨前線と北からの寒気がせめぎあい、大気が非常に不安定な状態になっていた。この日、調布市つつじヶ丘周辺が大量の雹で排水溝が詰まり「氷河が流れている」ような衝撃画像がネット上を駆け巡った。24日の午後3時前後である。

調布市 つつじヶ丘

その翌日、当取材班は遅まきながら京王線にちんたら乗ってつつじヶ丘駅を目指した。新宿から快速で約20分。駅周辺はまあ無難な郊外の住宅地といった感じ。駅舎も小奇麗に建て替わっている。一方で上空を見ると怪しげな黒い雲が今にも雨を降らしそうだ。

調布市 つつじヶ丘

つつじヶ丘駅の北口を降りて少し北側に歩くと国道20号(甲州街道)が京王線と並行している。中央分離帯のない片側二車線路。調布市の東西の動脈である。前日にこの界隈に大量の雹が降り注いだというが、さすがに国道沿いは何事も無くなっている。

調布市 つつじヶ丘

しかし国道を外れてその北側の住宅街に入ると、前日の雹を除去する為に作業車が何台も路肩に止まっており、トラックの荷台に収集した雹を載せているのが見られた。蒸し暑い6月だが、一日経っても全く融けない程に降った雹の量が多い訳だ。

調布市 つつじヶ丘

真っ黒な積乱雲が時折雷鳴を轟かせながら北方向に流れていく。結局この雨雲は調布ではなく杉並・練馬、さらに埼玉の朝霞や和光あたりで凄まじいゲリラ豪雨となって襲い掛かったようだ。

調布市 つつじヶ丘

国道沿いの農地も雹による被害を受けていた。写真では分かりづらいが草の間に白い塊が見える。これが先日積もった雹である。

調布市 つつじヶ丘

どうやらじゃがいもとかを植えていたらしいけど、表に出てる葉っぱが雹のせいか知らんがデロンデロンに枯れちゃってますね。

調布市 つつじヶ丘

アスファルトとは違って土の上では氷が融けずに残っている事が多いが、この辺にも大量の雹が…玉砂利を思わせるパチンコ玉からピンポン玉くらいまでの大小様々な氷の塊である。

調布市 つつじヶ丘

雹の大きさによっては車のガラスを破損したり家のトタン屋根が壊れたりしそうだが、ごく一部の民家のトタン屋根で、劣化しているものはやられてましたね。もう少し大きかったら車のガラスもやられていたはず。

調布市 つつじヶ丘

これだけ大きな雹だと街路樹の葉ごと落とすので、雹よりも葉が路上に散乱している。アスファルトの臭いと土の匂いと葉っぱの青臭い匂いがそこらじゅうにポワーンと漂っていた調布市東つつじヶ丘の昼下がり。

調布市 つつじヶ丘

そんな迷惑な雹被害だが、問題なのがつつじヶ丘駅の北東側にある「滝坂」という地名が付いているこの辺。国道20号側は嵩上げされて緩やかな上り坂になっているが、旧道の方は逆に緩やかな下り坂である。この先の被害が酷かったのだ。

調布市 つつじヶ丘

国道20号から分岐する旧道沿い、つつじヶ丘動物病院付近。周囲よりも1メートルくらい低く明らかに状況が違っている。アパートや民家が床上浸水し、トラックが浸水して立ち往生していた現場がここだ。

調布市 つつじヶ丘

この場所では降り注いだ雹が排水溝を塞ぎ見るみるうちに深さ1メートル程の高さまで冠水したようで、動物病院もこの日は臨時休業。浸水した家財道具を表に引っ張り出したり掃除したりと、付近の住民はこの日も作業に追われていた。

調布市 つつじヶ丘

ここいらの「滝坂」の地名も元は国分寺崖線を跨ぐ坂で、かつては大雨が降る度に滝のように雨水が流れていたから滝坂の名前が付いたという。調布市東つつじヶ丘一丁目と三鷹市中原一丁目に跨る典型的な谷戸地形にあるこの谷底の住宅地は過去の大雨でも浸水被害を蒙った事があると聞いた。

調布市 つつじヶ丘

低地に住むと一旦大雨が降ったら(今回は雹だけど)こんな悲惨な目に遭うリスクがある訳で、起伏の激しい武蔵野台地上にある東京西部の街に住むなら気をつけなければならない事である。ここまではつつじヶ丘駅から徒歩5分程度で来れる。この辺のアパート、駅から近いのに妙に安かったりしないんだろうかね。住む場所にはくれぐれもご用心を。


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