【閉店】東京にたったの三軒しか残っていない蛇専門店!「救命堂」で蛇料理を食おう!

台東区

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台東区 上野

シマヘビ、マムシ、ハブと三種の蛇のどれにしようか迷った挙句、最も高価なハブ料理をオーダーする。「ハブね」とまるでラーメンの注文でも受けたように、オッチャンはおもむろにハブの入った寸胴鍋のようなケースを開け…

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すかさず中から生きたハブを鋏で取り出した。そして手馴れた様子でハブを〆る。

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多分蛇が絶命するまでは命掛けの作業なんだと思うがオッチャンは意にも介さず話を続ける。やはり予想してた通りだが店はオッチャンの代で閉めるのだそうだ。息子さんがいるが全然跡継ぎする気もないそうで、それはもう時代の流れだからしょうがないと。

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そして先ほど〆たハブの頭を下に持ち上げて、何やら搾り取っている。そして小さな容器に注いでいる。それが冷えた水の入ったコップと共にテーブルの上に運ばれてきた。

【食前酒】ハブの生き血ドリンク

ちなみに生き血には赤ワインを混ぜており大変飲みやすくなっております。。。添えられた冷水は飲んだ後に口の中を洗うために用意されている。

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しかも生き血ドリンクはハブの生肝付きという超VIP仕様。噛み潰すと苦くてたまらんのでそのまま錠剤を飲み込む要領で一発で行けと言われた。下手な酒を飲むよりも喉の奥が熱くなるような感覚を覚えたが…

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次に店主のオッチャンはハブの皮をベリベリはがし始めた。ここだけ見ていると鰻を捌いているように見えなくもないが扱っているのは鰻ではなく蛇である。

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そしてここでオッチャンの解説が入る。「ハブは骨が剥がせないから、そのままこの機械で砕いてハンバーグにするんですよ」ちなみにシマヘビの場合は骨が剥がせるのでこのような手間は要らないらしい。機械式ハンマーがウイーン、ガンガンと音を立ててハブの骨を砕いていく。食い物屋のサウンドじゃないぞこれ…

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【主菜】ハブのハンバーグ 千切りキャベツと炒め玉ねぎ、パセリを添えて

下ごしらえの手間が入るので出来るまで結構時間が掛かった。出来上がったのはハブのハンバーグ。一匹まるごと料理しても出来上がる量はかなり少なくなる。ご飯も一緒にあればいいと思ったのだが、この店は定食屋でもなんでもないのでご了承を。なお、ハンバーグの横にある肉はハブの肝である。

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これを醤油と七味だけで食う訳だが、口に入れてみると意外に鶏肉に近い旨みがして結構食える事が分かる。ハブの場合骨を砕いてミンチにしているのでかなりゴリゴリ感が残っている。まあ鶏肉だと思えば食えるっちゃ食える。

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【主菜】シマヘビのスタミナ炒め 千切りキャベツとパセリを添えて

これは別の機会に頂いたシマヘビ料理だ。こっちは骨と身が分けられるので、蛇の身だけの食感を楽しむ事ができる。プリップリで意外に旨いのである。蛇取り名人も料理人もこの国からは減る一方。幻の料理になってしまうとは勿体無い…

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【おつまみ】シマヘビのパリパリ骨煎餅

シマヘビの場合は後から骨だけを素揚げにした骨煎餅も付いてくる。味わいのバリエーションを考えるとハブよりシマヘビの方が初心者向けかも知れない。

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我々は出された蛇料理をあっという間に平らげてしまい手持ち無沙汰になったのでまたしても店内に置かれている瓶などを物色しながらオッチャンにこれは何なのかと聞いて回る。蛇酒の種類も結構色々あるのだがみんな「ボトルキープ」されているので飲む事はできない。残念無念である。

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こちらもかなり見た目がグロテスクな蛇酒である。高麗人参に加えて、今までに捌いた蛇の頭は百匹くらい漬かっているのだとか。

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こちらの白蛇様は年季の入り方が半端ではないのだが、そもそも酒ではなくホルマリンに漬かっている上に60年以上前に採取された蛇であると言っていた。

ここ「救命堂」も上野の地に店を構えてなんと100年なんだとか。かなりビビるよね。

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最後に店主のオッチャンが見せてくれたのが「猿の頭の黒焼き」。これも「猿頭霜」と呼ばれる漢方薬の一種である。昔の人なら知っているのかも知れないが私にはさっぱりワケワカメな存在だった。

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2009年の取材当時「救命堂」もあと3年くらいで店主のオッチャンは店じまいを宣言したいとおっしゃっていたが、結局6年経った2015年まで店は続いた。後継者探しもしていたようだが全く見つからず、後になって開設された救命堂の公式ページを見ると…

2015年11月諸事情により閉店いたしました。

東京に残る数少ない蛇料理専門店のうちの一つがとうとう廃業してしまった…分かっていた事だがショッキングであった。救命堂さんには二回お邪魔したのだが、やはり生きた蛇を飼育する事は並大抵のことでは出来ないもので、ご主人の年齢的に限界というものがあったのだろう。

救命堂亡き今、どこで蛇料理を食べられるのか

台東区 御徒町

ちなみに救命堂以外の蛇料理店は上野松坂屋近くの「文久堂」、それに蔵前にも「蛇善」があるが、蛇善では料理は出していない模様。あとは日本に国内おける蛇専門家のサンクチュアリである群馬県太田市旧薮塚本町にある「ジャパンスネークセンター」内の蛇料理店に行くしかない。


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