聖地巡礼、ヲタ自重!らき☆すた神輿が担がれる鷲宮神社「土師祭」見物 

久喜市

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午後6時半、いよいよ「らき☆すた神輿」が日本全国から集められたヲタ担ぎ手一同によって挙げられた。しかし肝心の神輿は猛烈なスピードで行列の先を進もうとするのだ。
「早い!早すぎるよ!」
怒号にも似た叫び声が飛び交う。

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普段からバランス感覚を養っていないヲタ軍団の性格が現れてしまったのだろうか、興奮するのもわからなくもないが、2段構造になってパワーアップした痛神輿は外回りの木枠がたわんで今にも割れてしまいそうな勢いで揺れまくっている。激しい、実に激しい。
神輿を担ぎ慣れている地元民ばかりならともかく、この神輿の担ぎ手は全国から集まった「らき☆すた」ヲタの精鋭が集っている訳だ。想像以上にスリリングな神輿である。

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しまいには「らき☆すた」の登場キャラクターの名前を一斉にコールしだす担ぎ手一同。
「こ・な・た!こ・な・た!」
「か・が・み!か・が・み!」
「み・な・み!み・な・み!」

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過熱極まる祭のさなか、いつのまにか痛神輿の先頭には3人のコスプレイヤーが陣を組んでいた。誰がどのキャラクターなのかさっぱりわからない。原作のキャラがデフォルメされまくりだからそもそも原形に忠実にコスプレする方に無理があるような。

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…一方の主役である千貫神輿も見てみたがこちらは地元民が集まる普通の祭りでしかない風景が続く。痛神輿との間には、破る事のできない結界、超えられない壁、無くす事のできない国境線が確実に存在している。

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…と、唐突に痛神輿の動きが止まって、いつのまにか祭興会リーダーと思しき爺さんが神輿の上に乗り出してこう言った。
「どうしても、らき☆すた神輿に乗りたいって言う人がいるんでね、いいよねみんな?」

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その後、神輿の上にさっきのコスプレイヤー女子が載り上がった。一斉に注がれるカメラと男の視線。ずっと神輿が止まっていたのは、彼女を神輿の上に載せるかどうか話し合いが行われていたためだったのか。

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繰り返すが、ここは決して秋葉原ではないwwww

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神輿の上で音頭を取るコスプレっ娘の足を持つ役が必要だと言いつつ彼女の足の下のベストポジションをちゃっかり押さえるオヤジの健気さ。祭はこういうものでなくては(笑)

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コスプレっ娘がスタンバイするやいなや再び勢いを挙げて動き出す痛神輿。さっきより増して担ぎ手のヲタ軍団も威勢がいい。再び街中に響き渡る「こなたコール」。

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「こ・な・た!こ・な・た!」

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夜の帳が落ちた鷲宮のメインストリートは夏の終わりを告げ、いささか涼しい風を感じる9月初旬の季節を彩る。痛神輿は町立図書館のある場所まで行進し続け、神社へと戻ってくる。

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ひたすら「らき☆すた」絡みのネタばかりが強調される鷲宮神社の土師祭だが、アニメヲタ属性のない人間が痛神輿ばかり見て帰るのはいささかもったいない気がする。千貫神輿とともに出される立派な山車の絵柄には青森のねぶたを想起させるものもあり、なかなか見応えがある。

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普段は早々にシャッターを閉める鷲宮神社通りの商店街もこの時ばかりは店を開けて祭りの雰囲気を盛り立てていた。どう見ても普通の洋服店で、店主も普通のおばちゃんなのに売ってるものは「らき☆すたTシャツ」(1500円)wwww

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「らき☆すた」の存在がなければ誰にも知られないような、埼玉北部の小さな田舎町…そんな町がにわかに活気付く一夜。
そもそも観光的見地からすると47都道府県中最もマイナーな存在とも言われる埼玉県もいまどき県の公式なのにホームページビルダーを駆使した「埼玉ちょ~でぃーぷな観光協会」なるページまで立ち上げて鷲宮の「萌えおこし」に続く県の観光アピールに繋げようと躍起になっているわけで、次は春日部のクレヨンしんちゃんか、所沢のトトロか、などと言っているかどうかは定かではないが、今後の動向が気になる所。

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ヲタ自重www
…というわけで、ここらで「らき☆すた祭」レポートの締めにしたいと思います。


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