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【横浜市】東日本屈指の沖縄南米タウン・鶴見区「仲通商店街」を歩く(2009年)

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おきなわ亭と沖鶴マーケットの間にある、半ば物置のように使われている雑然とした通路。この奥に店はなさそうな感じだが…

しかしこの通路の入口には地元沖縄人によるライブ情報などがベタベタ貼られている掲示板があるなど、とにかくここに来れば鶴見の沖縄系イベントの動向が掴めるようだ。

反対側の掲示板には新型インフルエンザの警戒情報が英語とタガログ語で書かれている張り紙があった。南米だけではなく世界各地から移民が来ている事を伺わせる。これが工業地域の日常なのだ。

掲示板の横には沖縄の島々の形が描かれた寄せ書きが。沖縄出身者がそれぞれの故郷への思いを書き連ねている。本土と沖縄、同じ日本領土でありながら全く違う文化と歴史を持つ。日本語が通じるけどそこは別の国といった感覚すらある。

関東有数の沖縄タウンである鶴見区「仲通商店街」訪問レポートはまだまだ続く。せっかくだし腹も減ったので、沖鶴会館1階にある「おきなわ亭」に入った。見た感じ比較的入りやすい店構えだが、実は横浜駅西口にも店がある。

明るく清潔な店内は決して玄人向けではないが店の中には沖縄の琉球新報などもあり現地と同じ空気が味わえる。入口にある券売機で食券を買って店員に渡すシステムになっている。ソーキそばと野菜炒めとライスがついた「三点セット」(1000円)とスクガラス豆腐を食って、腹を満たす。

案外普通すぎるチョイスで沖縄料理を堪能した後は再び仲通商店街を徘徊する。

沖縄系ショップに次いで目立つのがブラジル系ショップ。特に目立つのが黄色と緑の光を放つブラジル料理の店である。

ブラジル系ショップは仲通商店街から本町通商店街にかけても多数存在する。中には南米料理と沖縄料理を両方扱う店もあって面白い。これは一世紀前の日本人南米移住の歴史の名残りであろう。当時ブラジルに渡った移民の半数が沖縄出身者だったという話がある。

1990年以降、日本にやってきた日系ブラジル人の子孫は仕事を求めて鶴見の沖縄タウンを選んだわけだ。その多くが沖縄にルーツを持つ日系ブラジル人なのだろう。

この界隈に大量にある、工場労働者などが多く住むボロアパートの中にも、就労目的の外国人が多数暮らしている。道端を歩くと日系ブラジル人よりもむしろ東南アジア系やイスラム系の外国人の姿もある。

何の変哲もない街角のクリーニング工場の開け放たれた玄関からは、仕事中の従業員の姿が見える。全て外国人だ。一体どこの国なのか訳がわからない状態になっている。

さらに鶴見駅寄りの本町通商店街に来ると、モスバーガーなどもあり少し商店街らしい風情に変わる一方で、シャッターが降りたままの店も目立つ。まるで地方の駅前商店街みたいだ。しかし道行く人の言葉はポルトガル語。

寂れ気味の本町通商店街の一角に南米食材と物産の店「Lojinha Yuri II」がある。ブラジルをはじめとした南米の国々の商品が所狭しと並べられている。

もっとも日本において外国人労働者を取り巻く環境は2008年秋以降の不況到来によって一気に冷え込んでいる。仕事が無くなると真っ先にクビを切られるのが工場の派遣労働者なのだが、彼らも無残にリストラされた挙句、日本では生活できねーよと続々帰国しているのが最近の状況なんだそうだ。そんなわけで鶴見のブラジルタウン化にも陰りが見えている。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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