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江東区・夢の島公園と東京ゴミ戦争

江東区夢の島…かつてゴミで埋め立てられた人工島の代名詞でもあったこの土地は今では新木場駅が隣り合い、有楽町線、京葉線、りんかい線の乗降客が行き交うちょっとしたターミナルになっている。
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新木場駅から高架を跨いだ北側一帯が「夢の島」である。高度経済成長期に大量のゴミが埋め立てられた土地は今では湾岸道路や首都高湾岸線といった交通網が通り、東京と千葉を結ぶ大動脈として日夜大量の車が行き来している。


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夢の島は現在大部分が「東京都立夢の島公園」の敷地になっており広大な緑地帯と化している。徒歩で来ると新木場駅北側から明治通りに沿って歩くと公園の入口となる歩道橋があるので、そこから入る事になる。
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歩道橋越しに公園の入口に立つ。さすが埋立地だけあって東京らしからぬだだっ広さを見せる。敷地面積が43.3ヘクタール。昭和53(1978)年に開園してからかれこれ30年少々。夢の島がゴミ埋立場だったのはそれより以前の昭和32~42(1957~67)年となる。
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歩道橋を降りた辺りには謎のトーテムポール。公園内にはスポーツ関連施設や競技場などが点在していて休日には日頃の運動不足を解消させたいリア充な家族などがランニングしている姿などを眺める事ができる。
また日本共産党の「赤旗まつり」が開催される事でも有名で、毎年11月初旬には東京中の共産党員や志位委員長をはじめとするVIPな方々、それに公園周囲には右翼街宣車による嫌がらせが巻き起こりカオスなお祭り騒ぎが展開される。
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真っ直ぐ伸びる公園内の通路。同じ東京でも西側にある代々木公園だとか、あのへんの公園とは全く雰囲気が違っていて、どこか薄暗く寂しい印象がある。ゴミの島に誕生した人工的な森。植樹されてから30年以上も経つと殆ど自然の森と見分けがつかなくなる。
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ぶくぶくと成長しまくっているヤシ科植物。かなり南国チックな感じなんですが土深く根を下ろしたその先には埋められたままのゴミが眠っている。
夢の島が埋め立てられていた当時はゴミを分別するどころか焼却すらせずそのまま捨てられていた。それでハエの大群が発生して近隣の南砂町などに押し寄せそれはそれは酷い事になっていた。
大量発生するハエには島全体への殺虫剤の散布や重油による焼き払いなどお粗末な対症療法で対峙してきたそうだ。
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また夢の島を抱える江東区では歴史的に江戸市中、延いては東京特別区のゴミを一人手で請け負ってきた事もあり、増え続けるゴミの処分問題は深刻さを増していた。江東区だけで東京23区のゴミの7割が集中していたというのだ。毎日9000トンのゴミが夢の島に無尽蔵に捨てられ続け、天敵のいないハエが大繁殖し、ハエの大群が空を黒く染めるまでの様相を呈していた。
夢の島では自然発火で時折火災が起きて風向き次第では強烈な腐臭に加え煙や灰が舞い上がり、ハエの大群までもが対岸の南砂町などの人家や商店街にまで流れ着いてきた。「悪魔の島」とまで呼ばれ、恐れられていたのだ。
その状況を踏まえ江東区の陳情から始まった東京都の計画で各区に清掃工場の建設を進める事になったが杉並区だけが唯一地元住民が反対したために計画が中断される。
昭和47(1972)年、杉並区の住民の態度に業を煮やした江東区側は当時の区長自らが道路に立ち杉並区のゴミの搬入を実力阻止、杉並区の街中には回収されずに残ったゴミが集積所に積み上げられたままになったという(→東京ゴミ戦争)。結局最後は折れて杉並区は高井戸にもゴミ処理場が出来た訳ですが、この頃から杉並区の住民ってエゴ丸出しのプロ市民気質だったんですね(笑)
かつての「悪魔の島」は今となっては素敵な都会のオアシスとして何食わぬ顔で日常を送っている。
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そんな夢の島公園内には夢の島熱帯植物館の建物がデーンと建っている。ガラス張りの巨大温室が整備され、日本の熱帯植物、特に小笠原諸島の植物なども展示されていて結構見ごたえがある。
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だだっ広い夢の島公園の最奥部にあるので、ただでさえマイナーで人が寄り付かない公園なのになおさら客も少なく、かなり穴場的な存在の植物園である。園内の電力も隣接する新江東清掃工場の余熱を利用して空調設備を整えているのでとってもエコですね☆
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食虫植物コーナーにはウツボカズラがぎっしり。まさか夢の島のハエ大量発生問題に一役買ったのではないかと勘繰りたくなるくらい大量に置かれている訳ですが(笑)
参考記事
夢の島と東京ゴミ戦争

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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