湯島天満宮とその周辺の非戦災地区 (1)

今回東京DEEP案内取材班が訪れたのは、文京区湯島。下町と高級住宅地が崖線を境目に分かれていたり、学業成就祈願のメッカ湯島天神や東京大学に近いかと思いきや、怪しいネオン街が近接する、それはそれは両極端な街である。
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湯島の街は千代田線湯島駅が最寄りに所在するが、御徒町駅や上野広小路駅などからも近い。エリア的な括りでは殆ど上野と同一化しているが、それでもここは「文京区」。


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湯島駅のある天神下交差点から春日通りを本郷方向に登っていくと坂の手前左手に湯島天神が現れる。その反対側には巨大な年代物分譲マンション「湯島ハイタウン」の建物。その裏へ抜けると旧岩崎邸庭園や東大病院、さらに東大本郷キャンパスが広がる。
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こんな狭いエリアに東京のコアな部分が密集している湯島界隈。まずは湯島天神(湯島天満宮)へお参りする事から始めよう。
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東京にある菅原道真公を祀る天満宮の中では亀戸天神と並んで超有名な湯島天神の境内。こじんまりしていながらも東京の古い街の情緒が変わる事なく残っている。
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普段から東大を中心に合格祈願に訪れる参拝客の姿が絶えない。言わば学問を志す人々のメッカな訳である。
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この夥しい合格祈願の絵馬が見られるのは東京広しと言えども湯島天神を置いて他にない。日本の最高学府東京大学が間近に控える土地だけあって受験熱の高さも半端ない。
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そんな湯島天神だが、東大を目指す真面目一本な受験生が親御を連れて数多く参拝に訪れる一方で、神社を外れた真ん前は「天神下」と呼ばれる古くからの花街で、昔から芸妓遊びに現を抜かす男どもが集う大人の社交場として有名だった。
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湯島天神だけ見て帰るのはDEEP案内取材班としても消化不足で心許ない。
神社を離れて天神下の花街の様子を見に行く事にして、改めて神社の前の鳥居を振り返る。湯島駅の方から歩くとどうしても男坂か女坂もしくは春日通り沿いから境内に入るので、こっちに表の鳥居があると気づきにくい。裏口入学はいけませんよ。
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近づいて鳥居をよーく観察してみる。神社の貫禄を際立てる重厚で素敵な銅鳥居だ。その裏側には寛文七(1667)年と刻まれている。300年以上前のもので、銅製の鳥居では都内で最古の部類に入る。
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鳥居下部の紋様や小さな唐獅子の装飾もかなり珍しい。何の変哲もない場所に凄いものが残っているなあと感心するが、そろそろ「天神下」へ降りて行く事にする。
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学問の神様として長い信仰の歴史を刻んだ湯島天神のその真下にやってきた。そこにあるのは「大人のべんきょう部屋」。
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湯島天神下の花街は時代とともに変容し、料亭街というよりもむしろホテル街としての側面が強い。「文京区」というと「文教地区だね」という印象を持たれても「湯島」というと上野などと一緒くたにされる事が多い。
湯島とは文京区の中でも最も文京区らしからぬ文京区なのである。

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