東京都/渋谷区

東京都渋谷区ってどんなとこ?

概要

ミーハーとポップカルチャーと若者だけの街が「渋谷」かと言われたら、決してそうではないのだ

新宿や池袋と並ぶ、山の手副都心の一つ「渋谷」という巨大繁華街を擁する東京都渋谷区。そのイメージは総じて「若者の街」「チャラい」「パリピ」「ミーハー」といったもので、当然ながら日本特有のポップカルチャーを楽しみたい外国人観光客が真っ先に訪れる場所が渋谷であり原宿であるので致し方ない。サッカーやハロウィン、年越しなどでスクランブル交差点付近に意味もなく集まるフーリガンやパリピの方々のノリにはとても付いていけませんが、それだけが渋谷かと言われると答えはノーである。ガチな高級住宅街から都営住宅がずらりと並ぶ地域まで、同じ渋谷区内でも別世界がまだらに混在しているのだ。

地理・環境

目を見張るような超豪邸が乱立する松濤・神山町。麻生太郎邸もございます

都心から見て南西方向に位置する渋谷区。その大半の地域が住民の平均年収の高いセレブタウンばかりで、特に渋谷駅にも近い松濤や神山町は浮世離れした超豪邸が立ち並ぶ異様な高級住宅街として君臨しており麻生太郎邸もあればなぜか統一教会やPL教団まで施設を置いているし、南側の南平台町や鉢山町や鶯谷町、その向こうの猿楽町、代官山町もおセレブ地域として名高い。

その他、住みたい街ランキング上位常連の恵比寿や、代々木公園西側の元代々木町、西原、大山町といったところも豪邸揃いで溜め息しか出ないのだが、他の地域を見ると渋谷区東や広尾のような地域にすら大規模都営住宅がぽつぽつ存在し、年収マップで「低収入者の孤島」となっているような場所が多数ある。広尾だってセレブタウン扱いだが駅前商店街の裏の狭い路地裏住宅地は何なのかと思うし、特に忘れられがちな京王線沿線の初台、幡ヶ谷、笹塚駅がある甲州街道から北側は古びた貧乏臭い下町的光景が広がっていて何故ここが渋谷区なのか理解に苦しむことだろう。

交通

代々木駅あたりまで来るとシブヤ感皆無。渋谷区代々木の北端部は新宿駅が最寄り。

元々渋谷区は関東大震災後に市街化したエリアとなっていて東京の外れだった場所で豊多摩郡渋谷町、千駄ヶ谷町、代々幡町が昭和7(1932)に東京市渋谷区として編入され、同時期に渋谷駅から東横線・井の頭線が開通し繁華街の基礎が作られた。今ではめっきり都心扱い。区内東側は山手線の内側にめり込んでいるし地価の高さもうなぎのぼりであるが、区内を南北に走る山手線が主たる公共交通網で、あとは新宿駅から出ている小田急線や京王線が区の北部を東西に走っている。

住民の気質・傾向

常にカッコつけないと呼吸できない意識高い系の巣窟。それがシブヤスタイル。

渋谷や原宿という街自体がポップカルチャー、コマーシャリズムの拠点としての性質を帯びているせいか、渋谷区全体に漂う「シブヤ感」と形容すべき独特のチャラさや最新流行にすかさず飛び付く軽薄感が鼻に付く人には付くのかも知れない。原宿がティーンズ向け、恵比寿が30代以上の大人向け、それから代官山は最近ITベンチャー()で小金を稼ぐ若手起業家を中心とし、インスタ等のSNSを駆使して自分を良く見せようとアピールしたくてしょうがない「意識高い系」向けの流行発信拠点として衛星的な位置付けにあり、谷底に存在する繁華街「渋谷」がそれらのポップカルチャー地帯の意識高い系エネルギーを吸収し続けるコアを成している感がある。

そこから代々木公園を挟んだ向こうの代々木八幡、代々木上原といった地域も同様に意識高い系の溜まり場となっている、何やら横文字で書かれたシャレオツなカフェが大量に存在している。

だが、そんな「シブヤ感」とは一切無縁なのが京王線沿線の渋谷区。初台、幡ヶ谷、笹塚に住んでいる限りはそんな最新流行など何処吹く風か、地味なアパートや都営住宅で細々と暮らすご老人の溜まり場でしかない。もしこの地域が渋谷区に入ってなければ、渋谷区民の平均年収は港区のそれに肉薄していたであろう。

渋谷区にはこんな街がある

JR山手線・総武線沿線

渋谷駅至近、宮下公園そばの渋谷川暗渠上に並ぶホームレス小屋群

(1)渋谷:外国人観光客もスクランブル交差点を見に来る東京の名所、日本のポップカルチャーを謳歌するリア充向け歓楽街。言わずと知れた東急王国の中心でここから東横線と田園都市線が郊外に向けて走る。サッカー、ハロウィン、年越しで騒ぐリア充軍団もお馴染み。宮下公園のホームレス村も健在。
(2)恵比寿:元々はビール工場しかなかった街なのに再開発でガーデンプレイスが出来て以後オシャレタウンの仲間入り。何故か住みたい街ランキング上位常連だがお世辞にも生活感ある街とは言えない。
(3)原宿:ご存知日本のティーンズファッションの本拠地。竹下通りは上京カッペと中高生と外国人観光客でいっぱい。甘すぎて無理。DEEP案内が煮ても焼いても食えない街。駅の西側は広大な明治神宮。パワースポット(笑)とか言ってるスイーツ女子が参拝に大行列。
(4)代々木:今や新宿駅の付属物のような地域。代ゼミを代表とした予備校密集地帯として名高いが日本共産党中央委員会ビルや代々木会館ビルなど21世紀の日本に存在するとは思えない奇妙な建築物が駅周辺に点在している。
(5)千駄ヶ谷:1964年東京五輪前に消された幻の連れ込み旅館街の面影はもう無い。2020年東京五輪前に解体された都営霞ヶ丘アパート。黄色い電車の窓から見える「性病科中央医院」の真っ赤な看板がドギツイ。

地下鉄線・東急東横線沿線

凄まじい木造住宅密集地…どこの墨田区かと思ったら「渋谷区広尾」の路地裏風景でした

(6)明治神宮前<原宿>:ティーンズタウン原宿竹下通りから明治通りを挟んだ先は意識高い系タウン青山・表参道。暗渠上の裏原宿もシャレオツストリート。キラー通りにあった昭和の原宿団地も幻のものに。
(7)北参道:新しくできた副都心線の駅。千駄ヶ谷でも代々木でも原宿でもないビミョーに隙間的な位置関係。日本共産党や性病科中央医院は当駅下車でも便利です。
(8)広尾:大使館員のセレブ外国人がテラス席で犬を連れて寛ぐ街。外国人向け高級スーパー・ナショナル麻布は品揃えが超絶グルテンフリー。有栖川宮記念公園とその中の東京都立中央図書館もインテリぶれて良い。一転、駅前商店街の裏手に広がる長屋の路地、都営広尾五丁目アパートとの落差が凄い。
(9)代官山:青山・表参道と肩を並べる東横線の意識高い系タウン。サンドイッチやオーガニックカフェ飯ランチに昼間から1500円以上払える小金持ちが集う街。謎の雑貨屋や高級海外製品を扱う店舗もあれば西洋かぶれなシャレオツレストランも腐るほどある。極めつけに出来た代官山蔦屋書店が新たな意識高い系の聖地として定着。ドヤ顔Macをかますノマドワーカー()の溜まり場に。

小田急線・京王井の頭線沿線

代々木上原にある「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」。国内屈指の本格モスク建築

(10)南新宿:新宿駅から小田急線でたった一駅。住所は渋谷区代々木だがこの駅名。改札真ん前にあった名物銭湯「奥の湯」は廃業。テレ東「家、ついて行ってイイですか?」の取材を受けた元祖ニート「代々木の仙人」宅がヤバイ。
(11)参宮橋:明治神宮西参道入口に近い。南新宿同様駅前のショボさはお約束だが付近の住宅地は豪邸もちらほらあればオンボロ木造アパートも混在。
(12)代々木八幡:代々木公園目前の街。高級住宅街の元代々木町、最近意識高い系カフェやショップが増加中の富ヶ谷・神山町の通称「奥渋」にも近い。代々木公園が米軍住宅だった過去の影響かアメリカ臭い横文字多用系シャレオツカフェが多い。
(13)代々木上原:ここから地下鉄千代田線が乗り入れ。大山町や西原など高級住宅街が多数あり広末夫の経営するロウソク屋もあればシャレオツカフェも多数。某著作権ゴロ団体の本拠地や本格モスク建築が井の頭通り沿いにそびえる。
(14)神泉:渋谷からも歩いて行ける隣駅。花街でラブホ街の円山町は大人の風情。口紅を付けた道玄坂地蔵の前で春をひさいでいた東電OL殺人の被害女性。現場のアパート喜寿荘は駅前に現存。ガチ高級住宅街の松濤・神山町も近い。

京王線・都営大江戸線沿線

水道道路沿いに延々と連なる都営住宅の長城、これが幡ヶ谷・笹塚の裏名物

(15)初台:都営新宿線直結の京王新線でしか来れない駅。東京オペラシティが街のランドマークだが商店街の下町具合が凄い。初台スーパー百貨店の末枯れっぷりは壮絶。北口の不動通り商店街も下町以外の何者でもない。
(16)幡ヶ谷:初台同様ここも京王新線の駅。駅前の六号通り商店街を抜けた先の水道道路沿いに連なる都営住宅群は見ものである。かの橋下徹氏が幼少期を東京で過ごしたのはこの街だ。
(17)笹塚:京王線で新宿から一駅の割には地味な街だが十号通り商店街もそこそこ栄えていて穴場的な職住近接タウン。先に触れた水道道路沿いの都営住宅群は笹塚まで続いている。
西新宿五丁目:渋谷区の北西端部に角のように出ている地域「渋谷区本町」の一部地域は当駅が最寄り。生活圏もくたびれた街並みも渋谷区というよりも中野区寄りである。

渋谷区に関係する何かを適当に並べた

東京都渋谷区 (日本の特別地域) (地域批評シリーズ)

428 ~封鎖された渋谷で~

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