東京都世田谷区ってどんなとこ?
概要
東京23区中で最も多い人口(約91万人)を誇り、一区だけで既に一部の都道府県以上の規模を有する巨大な郊外住宅都市、それが世田谷区である。区の面積も近年まで羽田空港島を拡張した大田区に抜かされるまでは区内一位の広さを誇っていた。目黒区と同じく江戸の郊外の農村でしかなかった世田谷区が昭和7(1932)年に当時の東京市に編入された時は約13万3千人しか居なかった人口が高度経済成長期までに80万人台にまで急増しており、現在も増加傾向にある。
小田急線や東急田園都市線沿線の街が戦後に開発され戸建住宅から都営団地までが猛スピードで造成されていった中、昔ながらの田園地帯の農道がそのまま生活道路となってしまった故に区の一部は道路インフラの整備が追いつかず、糞狭い道路に車や路線バスがバンバン行き交う最悪な道路事情のまま取り残された地域が数多くあり、外環道の整備の遅れも相まって環八通りなど主要幹線道路の酷い渋滞を招いている。
それでも上京民がマスメディアの喧伝する「優良住宅地世田谷区」のイメージに引きずられこの土地に住むことに異常に憧れる傾向が今なお強い。世田谷区がまるで唯一無二の最高の住宅地の如く振る舞う世田谷原理主義者、世田谷教信者というものが一定数いる。お題目は「宇宙 日本 世田谷」。
世田谷区民の平均年収は23区中7位の506万円で、思っていたよりもリッチではない。ガチ高級住宅街から都営住宅の立ち並ぶ貧乏ゾーンまで幅広くある故に平均的な値となっているだけだ。
地理・環境
都心の南西側一帯、皇居から8~15キロ圏内にある住宅都市世田谷区。広大な面積を誇る世田谷区はその大半の地域が純然とした住宅地で占められている。全体的に住民層は高所得者寄りでアッパーなイメージが強いが、結構ボロアパートや都営住宅も多いし住民の質は地域によってかなりピンからキリまでといった感じである。
「裕福な住民が多い」というメディア先行型のイメージに釣られてやってくるのは頭のおめでたい小金持ちだけではなく悪巧みを考える犯罪者も同じである。世田谷区は空き巣等侵入盗が非常に多く治安はそれほど良いわけではない。特に下北沢あたりの都心に近い一帯は学生も含めて素性の分からない単身者も多いので、ひったくりや自転車盗、粗暴犯も目立っている。世田谷区の刑法犯認知件数が23区内で最多という不名誉なデータも出ているが、元々の人口が多いので単純な比較は出来ないにしても、メディアが垂れ流すイメージを鵜呑みにして「世田谷区は優良住宅地なので治安も良い」と買い被らないようにしよう。
そして世田谷がいくらシャレオツでアッパーな住宅地であっても、やはり上記写真の通り現役で活躍する「世田谷ナンバーのバキュームカー」が走っているような田舎なのである。世田谷は住宅地として過大評価されすぎているのだ。
交通
広大な面積を有する世田谷区は地域によって利用する主な鉄道沿線が小田急線、東急田園都市線、京王線、井の頭線など異なるが、いずれもJRではなく私鉄路線で新宿や渋谷からアクセスすることとなり都心から片道10~30分で行き来できる範囲にある。だがその一方で山手線東側へのアクセスは不便で、地下鉄で都心と直結している路線から外れると乗り換えが不可欠となる。
また鉄道駅が最寄り徒歩15分以内に存在しない空白地帯が多いのも特徴的である。特に宇奈根あたりは世田谷の秘境に位置付けられ長閑な農地が広がる田舎臭い街並みが現存しており練馬区の最果て西大泉あたりといい勝負をしている。
道路事情は玉川通り(国道246号)や甲州街道(国道20号)、環七、環八通りといった主要幹線道路が縦横無尽に区内を通っているが車の通行量が半端なく多い上に幹線道路以外の道路整備が遅れているために渋滞が慢性化している。
抜け道に使えるかなと脇道に逸れても一方通行とチャリンコや通行人の多い危険で狭隘な、元は田んぼの畦道だったのかよと見紛うようなウネウネと曲がりくねった生活道路ばかり。路線バスで行かなければならない地域からの通勤は下手な埼玉県以上に交通不便なのもザラである。それなのに未だに家賃相場が不当に高いのは世田谷区が至高の住宅地と信じてやまない原理主義者が多数いるからだ。
住民の気質・傾向
世田谷区がどういう地域かということを端的に言うと「世田谷区」という地名そのものがブランド化している面が非常に大きい。それは長谷川町子「サザエさん」の磯野家のような半世紀以上前に遡る高度経済成長期に居た「平均的な日本の中流家庭が住む」世田谷区のイメージから延々と引き継がれてきたもので、代替わりした今でも「優良住宅地世田谷区」の座は不変である。こうした住民の多くは世田谷区に住んでいることそれ自体が己のプライドであり、一生世田谷区から外に出ることはないのである。
しかし近年はメディアの喧伝するイメージに押されて世田谷区にやってくる新住民の質が微妙に変わりつつある。二子玉川なんかは近年再開発で意識高い系向けショップ「蔦屋家電」を核テナントとしたシャレオツなモールが誕生するなどしており、ただでさえ超絶お客様大混雑の田園都市線にさらに人が殺到する事態を招いている。
特に二子玉川あたりにいる勘違いセレブ住民の台頭に代表されるように「世田谷=リッチピープル」という刷り込みが行われ、東急ならではのブランド戦略の効果も相まって、土地の価値の分からない田舎者の分際で大して高級でもない元農地や多摩川沿いの低地にバカ高い家賃を払って住んでいるような頭の弱い連中もいる。
その一方で成城、瀬田、深沢、代沢の一部のように実際にガチ高級住宅街となっていて平民にはとても手が届きません的な箇所も存在するし、都営下馬アパートのような低所得者層ばかりのリアル姥捨て山状態の「都心の限界集落」も隣り合っている。つまり世田谷区は多種多様な人種が住んでいるということだ。
世田谷区にはこんな街がある
東急田園都市線沿線
(1)池尻大橋:世田谷区池尻と目黒区大橋の合成駅名。陸自三宿駐屯地は戦前の駒沢練兵場の名残り。ポケモンGOブームで大量のプレイヤーで湧いた世田谷公園近くを走る三宿通りに立ち並ぶ意識高い系カフェレストランの数々がイマドキの世田谷民的上質さを放つがオンボロ都営住宅下馬アパートがそこに隣接。
(2)三軒茶屋:ローカル路面電車東急世田谷線始発。世田谷区で最もゴチャゴチャした駅前商店街が四方八方に広がり生活感溢れる街。一等地の通称「三角地帯」が闇市上がりの戦後のドサクサ的飲食街。太子堂のテル子女神像、築百年超年の旧練兵場宿舎がそのまま使われた民団世田谷韓国会館の建物が裏名物。
(3)駒沢大学:健康意識高めの世田谷区民自慢の駒沢オリンピック公園には犬連れマダムも集まる。過労死自殺でブラック企業批判と受け話題となった電通の社員寮八星苑は元社員の飛び降り自殺現場。
(4)桜新町:長谷川町子美術館が有名な街。サザエさん一家の銅像が立つ駅前商店街を抜ければ創価学会東京池田記念講堂。世田谷のプチ信濃町。街のランドマークは近所の住民しか全景を拝めないモダンな双子の給水塔。
(5)用賀:駅前に世田谷育ちのグルコサミンで有名な世田谷自然食品の本社がある。健康意識高い世田谷区のご老人に人気。環八沿いに出れば東名東京インターに世田谷区民のご自慢砧公園と世田谷美術館。
(6)二子玉川:世田谷区で最もイケスカナイ臭漂うリッチピープルの溜まり場「二子玉川ライズ」爆誕でシャレオツ意識高い系度数急上昇の街。蔦屋家電と二子玉川公園のスタバの意識高い系率は異常。古参世田谷マダムの愛する玉川高島屋も鎮座。日本一おハイソな河川敷タウンとして東急田園都市線のブランド化に一役買っている。
小田急線沿線
東北沢:渋谷区寄りの下北沢。駅前を通る都道420号が未整備で中途半端極まりない。井の頭通り沿いの未整備区間にあった伝説のオンボロ下宿良忠荘は解体。
(7)下北沢:高円寺と並んで上京したての学生・若者が有難がる演劇とサブカルの街。ヴィレッジヴァンガードの店舗も妙に広い。商店街を闊歩するのは20代ばかりで万年学生街状態。井の頭線がクロスしているせいか高円寺よりもオシャレ度数高めで付近の住宅街は高級志向。小田急線の駅が地下に潜り駅前再開発が進む。
世田谷代田:下北沢の西の外れ。小田急線の下を潜る環七通りのアンダーパスの廃れ具合が気になる街。どこの街にも金太郎飴的な佇まいの輸入食品店を構えるカルディコーヒーファームを経営する株式会社キャメル珈琲の本社がある。
梅ヶ丘:梅林で有名な羽根木公園がある。公私混同疑惑で辞任した舛添要一前都知事の自宅を兼ねた舛添政治経済研究所がある街。ここからだと奥多摩よりも湯河原の方が確かに近いよね。
(8)豪徳寺:彦根藩ゆかりの豪徳寺のある街。招き猫の置物が有名。駅前商店街は世田谷の数ある小田急沿線の街の中では地味な部類。東急世田谷線が交差する。
(9)経堂:東京農業大学キャンパス最寄り駅で学生街。駅前商店街はガツ盛り系定食屋や中華料理屋も多い一方で客が女子率9割の意識高めなパクチー料理専門店やらオーガニッククレープ屋などもあり塾帰りの小学生が駄菓子感覚で1枚500円オーバーのクレープを頬張る。世田谷の子供は金持ちだな。
(10)千歳船橋:千葉の船橋と間違えそうになる街。環八通り沿いの珍建築は2020年東京五輪でザハに代わり新国立競技場のデザインを手がける隈研吾の作品「M2ビル」。入っているのは葬儀場。駅からはるか北側にある陸の孤島希望ケ丘団地。
(11)祖師ヶ谷大蔵:円谷プロゆかりの地なので駅前商店街はウルトラマン仕様。黒湯温泉銭湯もあればテレビと映画の制作スタジオもある。年末恒例の未解決事件ファイル、祖師谷公園内に残る世田谷一家殺害事件現場の家屋。小児医療のメッカ国立成育医療研究センター病院とハイテク仕様のおおくら大仏も有名。
(12)成城学園前:世田谷区屈指の高級住宅街ブランドタウン「成城」。駅前スーパーは勿論成城石井。駅北側の整然とした碁盤目状の住宅地がおセレブゾーン。所沢生まれなのに成城に住み趣味三昧の所ジョージ自宅「世田谷ベース」が落書き被害。
喜多見:成城から川一つ挟んだ隣町なのに狛江と間違えられ存在自体が空気のような街。駅ホームも半分狛江市側に突っ込んでいる。喜多見および宇奈根は世田谷のチベットの異名もある。
京王線・井の頭線沿線
池ノ上:下北沢エリアの東の外れ。駅前の都道420号未整備区間が超絶狭小ぶりで車の往来が大変。代沢二・三丁目の一部地域はガチ高級住宅街。池尻四丁目淡島通り沿いのマンションにかつて「オウムのお弁当屋さん」があったのは黒歴史。
新代田:下北沢エリアの西の外れ。駅前には環七通り。特に見所はない。
東松原:小規模な駅前商店街を抜ければ世田谷屈指の梅の名所羽根木公園がある。ここも特にツッコミどころはない。
(13)代田橋:世田谷区とは思えない場末&ダウナー気味な駅前商店街。天井がやけに低い玉川上水緑道環七横断地下道。桜の名所だった和田堀給水所は閉鎖中。井の頭通りの未整備区間はうっかり入ると京王線の開かずの踏切にハマる。
(14)明大前:駅名通りに明治大学和泉キャンパスがある学生街。駅前商店街は世田谷区に属するが総じて学生向けで特徴も薄い。京王線と井の頭線の乗換駅なので京王ユーザーは利用頻度が高い。
(15)下高井戸:路面電車の東急世田谷線の終着駅。駅前には戦後のドサクサ的佇まいの駅前市場があり京王線の踏切と相まって昭和感漂う駅前風景。
桜上水:日大文理学部キャンパスがある学生街。甲州街道からもよく見える老舗油そば屋「あぶらーめん」のボロ汚い店舗が街のランドマーク。学生に愛される味。
上北沢:下北沢に似ているが場所も雰囲気も全然違う街。駅前は特にツッコミどころ無し。
八幡山:精神医療のメッカ「都立松沢病院」の最寄り駅。環八沿いにはいつもテレビに出てくる激安ガソリンスタンド「シンエネ八幡山SS」。
(16)芦花公園:駅名通りの芦花公園(蘆花恒春園)は環八沿いにあるが駅から結構遠い。駅北側の昭和感漂うマーケット「丸美ストアー」や古臭い佇まいの駅前商店街がオツ。烏山ハウジングの在日の星ソヘン様曰く「粕谷は朝鮮人部落だった」「烏山神社の椎の木は昔朝鮮人が烏山の村人に殺されたから供養のために植えられた」らしい。
(17)千歳烏山:京王線の世田谷区内の駅では最も栄えている商店街。しかしその一画にある電波な不動産屋「烏山ハウジング」が強烈。社長の川西杏は自称「在日の星ソヘン様」。駅近くのマンション「GSハイム烏山」にオウム真理教の残党が住んでいる。アレフは足立入谷に移転するも上祐史浩が代表を務める分派「ひかりの輪」が今も施設を置く。北烏山の寺町通りは地味な名所。
仙川:駅前は調布市だが世田谷区給田、上祖師谷の一部地域はこちらが最寄り駅。
東急大井町線・目黒線
上野毛:ニコタマエリアの外れ。意識高い系が集まるスターバックスのある二子玉川公園にも近い。環八通りから第三京浜で横浜方面へ行きやすい。頭が禿げてるオッサンが住むと色々と弄られるので注意。髪の毛(上野毛)もあれば下の毛(下野毛)も川崎市側にある。
(18)等々力:世田谷の外れの大自然「等々力渓谷公園」が自慢の街。犬連れマダムがお散歩する日常風景も世田谷的だが飼い主と通りすがりのオバサンが「あらー、ワンちゃん泥んこよ可哀想ね」「うるせークソババア」などとリアルで喧嘩を起こしているのを見てしまったので、やっぱりアレな人多いんですかね。
尾山台:大井町線の途中駅の中では駅前商店街が割と栄えている街。
(19)九品仏:自由が丘エリアの西の外れ。住みたい街自由が丘は家賃が高いのでひと駅隣に住む独身スイーツ女多し。駅ホームが短いので5両編成の車両がはみ出て踏切を塞ぐ有名なドアカットが見られる。駅名由来の九品仏浄真寺。
奥沢:自由が丘エリアの南の外れ。ほとんど住宅地しかない。