東京都/新宿区

東京都新宿区ってどんなとこ?

概要

名実ともに「東京の顔」となった日本最大の繁華街・新宿

戦後に開発が進み山の手副都心と呼ばれる街になった新宿駅周辺を含めた一帯を抱える東京都新宿区。ここも都心エリアの一つに数えられる街となったが、大量の通勤サラリーマンが様々な鉄道路線の満員電車に揺られて運ばれるこの街に徒歩やチャリンコで易々と行ける範囲に生活保護受給者のご老人や外国人単身世帯が集住するボロアパートや都営住宅が意外に多くあるのが新宿区という土地。外国人率と生活保護率の高さは無視できないレベルである。

江戸時代に作られた内藤新宿が起源となるこの街は今でこそ日本を代表する大繁華街としてその座を不動のものにしているが、その江戸時代の宿場町も飯盛旅籠という今で言う売春宿のようなもので、現在の新宿二丁目あたりがその中心だった。その名残りとなる投げ込み寺も現存するが、そんな飯盛旅籠が転じて戦後には非合法の青線にもなり、なぜか今では日本屈指のゲイタウンにハッテンしてしまった。様々な人間が集まるカオスさは東京の他の街よりも一際目立っている。

地理・環境

戦後の不法占拠バタヤ部落を立ち退かせて建てた大久保の百人町区営アパート。家賃は数千円台と激安!

新宿駅周辺は繁華街自体も広範囲で、同じ新宿駅周辺でも西新宿の高層ビル地帯から西口、東口、新宿三丁目付近、歌舞伎町、そこから連続する大久保など、一言では説明しきれないくらいにコンテンツも豊富である。しかしそれ以外の地区を挙げると学生街の高田馬場や早稲田、迎賓館や学習院や創価学会本部がある四ツ谷と信濃町、市ヶ谷や神楽坂付近も含めて山手線内側の高台は容赦なく高級住宅街が連なり、概ねサラリーマンの給料では一軒家の買える地域ではない。

だが新宿区はそれらのアッパーなエリアのイメージを地の底へ引きずり下ろしてしまうほどにビックリする程貧民地域が多数存在している地雷源。その最たるものが731部隊の噂が絶えない箱根山がそびえる「戸山ハイツ」や西戸山公園横の「戸山団地」の都営住宅群で、ここには高齢化著しい住民がなけなしの年金や生活保護を受け糊口をしのいでいる。足立や板橋ほどではないにしろ新宿区の生活保護率の高さにも注目しよう。そして新宿や新大久保の界隈もかつては不法占拠バタヤ部落やドヤ街が形成されていた地域で、バタヤ稼業などで生計を立てていた在日コリアンが集住しコリアタウンの礎となった。この界隈は昭和の貧しいエピソードが山ほど出て来る。

あと、つい忘れそうになるが、区の北西側の落合地域というものもある。ここも下落合~中井にかけての高台は戦前に西武グループが開発を進めた高級住宅街だったりでそれなりに歴史のあるエリアだが、いかんせん影が薄いったらありゃしない。

交通

新宿駅南口に爆誕、バスタ新宿&ニューオマン。高速バス利用者の客層を全く無視したドイヒー高級仕様

東京駅周辺と対を成す「山の手副都心」ということもあって新宿駅には沢山の鉄道路線が乗り入れる交通過密地帯になっている。日本一の乗降客数を誇るJR新宿駅は新宿区の西南端にあり、区内の交通網はJR山手線と中央・総武線、地下鉄副都心線や東西線、都営新宿線・大江戸線、西武新宿線などが縦横無尽に走っており、一部を除いて大半の路線は新宿駅を通っている。

山手線は新宿から高田馬場、中央・総武線は大久保から四ツ谷、飯田橋までの区間を走り、地下には丸ノ内線が西新宿~四ツ谷まで、副都心線が新宿三丁目~西早稲田まで、都営大江戸線が都庁前駅を始発駅として新宿西口、東新宿経由で飯田橋方面に走っている他、六本木方面からの電車が都庁前駅を経由して西新宿五丁目、中井、落合南長崎を通り練馬方面に走っている。その他、京王新線に乗り入れる都営新宿線が新宿~市ヶ谷、東西線が落合~飯田橋、西武新宿線が歌舞伎町、高田馬場から中井までを通っている。

住民の気質・傾向

「山手線の内側か外側」でせめぎ合う新宿区民のプライド。その境界となる新宿大ガードの下は…

新宿区という区域は山手線の線路で西と東に真っ二つに分かれている。概ねその東側が旧牛込区と旧四谷区で、西側が旧淀橋区という配置になっているが、とりわけ山手線内側の新宿区は大久保や戸山ハイツといった特殊地域を除くと住民や街の新陳代謝も少なく昔ながらの古臭い商店街で占められ、店主の高齢化が著しい個人商店かコンビニに毛の生えたような小規模スーパーが中心で生活しやすい環境とは言えない。

しかし東京では「山手線内側原理主義者」という層が一定数存在し「本当の東京は山手線の内側だけ」という解釈のもと自分が住んでいる地域にプライドを持っている。確かに四谷や牛込の高台地域にはガチな高級住宅街も多い。もっとも新宿区でも富久町のように最近大規模な再開発でタワマンが建てられ新住民が流入する地域も現れている。

逆に山手線の外側には西新宿、北新宿、落合や中井といった地域が広がっているが、これらの住宅地は中野区のそれと大差ない環境にある。西新宿の高層ビル群に近い場所でもビックリするようなボロアパートが普通に残っているので、貧乏人でも住めてしまう。実際に大久保・新大久保両駅最寄りのボロアパートには外国人労働者が相当数暮らしており多民族化が著しい。

新宿区の人口に占める外国人比率は全国最多の12%超え、7世帯中の1世帯が外国人のみの世帯である。(2017年2月現在、新宿区ホームページより)

新宿区にはこんな街がある

地下鉄丸ノ内線沿線

新宿二丁目名物「男性モデル」広告。仕事内容は現場でのハードな肉体労働と聞いております

(1)新宿:日本を代表する巨大ターミナル駅。最近は南口にバスタ新宿が出来たり変化が著しい。暗黒街歌舞伎町も健全なメジャー観光地に変身。外国人観光客が至る所で記念撮影。相変わらず図太く生き残る西口の戦後のドサクサゾーン思い出横丁。
(2)新宿三丁目:そびえ立つ伊勢丹が昔も今もランドマーク。銀座と対を成す東京山の手のお買い物タウン。しかし花園神社の酉の市はヤクザっぽいおじさんの見本市だし戦後の青線が呑み屋街になった新宿ゴールデン街も健在。
(3)新宿御苑前:丸ノ内線に乗って中野区にお住まいのゲイの皆さんが集まる世界のLGBTタウン新宿二丁目への最寄り駅。発展著しいサウナの「24」と例のプールの貸しスタジオ。元は内藤新宿を起源とする遊郭、赤線地帯。投げ込み寺もあるよ。
(4)四谷三丁目:新宿区が誇るスーパー丸正食品総本店と四谷怪談ゆかりの於岩稲荷。大人の隠れ家的すり鉢地形の谷底の呑み屋街荒木町は昔の花街。四谷四丁目交差点角に昭和のアイドル岡田有希子が飛び降り自殺をしたビルが現存。
(5)四ツ谷:駅周辺は迎賓館、学習院初等科、上智大、日本一地価の高い住宅街千代田区番町地区と鉄壁のエリートタウンっぷり。一方で円通寺坂を下ると今も銭湯や木造アパートがひしめく旧鮫河橋スラムの谷底タウン若葉・南元町という凄まじい落差のある街。
(6)西新宿:西新宿高層ビル群の北側。消された地名「柏木町」。西新宿八丁目に入ると未だに残る木造アパート群にあんぐり。富士塚で有名な成子天神社付近も再開発で高層ビル地帯に変貌。

JR中央・総武線沿線

宗教タウン信濃町名物・創価学会本部前の三色旗な街並み。見渡す限り学会員しかいません

(7)千駄ヶ谷:駅前は渋谷区だが国立競技場南側の都営住宅霞ヶ丘アパートは新宿区。2020東京五輪開催による新国立競技場建設予定地のためプロ市民がゴネて団地解体反対運動を展開しており解体工事が進む中、反対派が一部居座っている。
(8)信濃町:日本最大の新興宗教団体「創価学会」の総本部がある宗教タウン。近年竣工した「広宣流布大誓堂」が超絶立派。最近はテレ東の池上選挙特番の取材にも応じているし昔よりはオープンになったかも知れない。谷底の南元町には公明党本部。
(9)市ヶ谷:日本の守りの要「防衛省」があり反対側には靖国神社もあるのに近所に中核派が巣食う法政大学と朝鮮総連本部もあるという両極端タウン。駅前の釣り堀が何気に地味なランドマーク。砂土原町辺りがガチ高級住宅地。
(10)飯田橋:JR総武線に地下鉄4路線が交わる都心のターミナル駅。シャレオツな大人の空間、神楽坂通り商店街も坂の下はお下品な街並み。神楽小路・みちくさ横丁の路地裏を潜った先、裏名所のピンク映画館「くらら劇場」は2016年閉館。
(11)大久保:総武線大久保駅付近の大久保通りは韓国系より中国系の店舗が多い。いつの間にか出来た東京媽祖廟がご立派。線路沿いの区営百人町アパートのカオスっぷり。歯抜け土地だらけの百人町三丁目の怪。

JR山手線・西武新宿線沿線

ミャンマー人が経営する食い物屋がやたらと多い高田馬場。学生ローンカレッヂの看板もミャンマー国旗色だな…

(12)新大久保:大久保通り、職安通りを中心とした一帯が日本最大のコリアタウンとして有名だが実態は超絶多国籍タウン。最近は中国、ネパール、ムスリム系も増加傾向。イスラム横丁はパスポートのいらない外国。駅前の路地裏で東南アジア系おばさんが立ちんぼ。やはり暗黒街ぶりは変わらない。
(13)高田馬場:マンモス大学早稲田の学生の溜まり場。貧乏学生がすがる学生ローンの黄色い看板。西武新宿線ユーザーは当駅が事実上のターミナル。学生向けのガツ盛り飯屋に混じってミャンマー料理店多数。日本のリトルヤンゴンの異名。駅前の真っ黒ビルもミャンマー化。ピースボートの事務所もあるよ。
(14)下落合:高田馬場に近すぎて駅前が全く栄えていない地味エリア。高台には目白近衛町なるガチ高級住宅地。線路沿いのゼロゼロ物件アパートが極薄ブラック過ぎる。
(15)中井:昔は染物の街、赤塚不二夫ゆかりの地として有名だが今ではパッとしない川沿いの下町。90年代にミャンマー人コミュニティがあったが後に高田馬場に移転。西武新宿線と大江戸線、2路線使える地味な便利さ。

地下鉄・都営線沿線

再開発も進む一方で中途半端な虫食い土地も残る富久町。かつての市ヶ谷刑務所跡地

(16)早稲田:言わずと知れた早稲田大学の門前町。キャンパス前のド派手な梵寿綱デザイナーズマンション。学生向けのガツ盛り食堂と弁当屋多数。東洋のシンドラー杉原千畝とピースボート辻元清美を世に送り出した早稲田奉仕園。日本キリスト教会館(西早稲田2-3-18)が反日団体の巣窟と化している件。
(17)神楽坂:なぜかフランス人の溜まり場になっている神楽坂通りと花街。田中角栄が決めたらしいと都市伝説化している世にも珍しい逆転式一方通行路。東西線の駅はちょっと場所が離れている。
(18)曙橋:お台場にバブリーな社屋を建てたフジテレビの古巣の街。フジテレビ通りはあけぼのばし通りに名称変更。跡地は韓国学校に隣接する高層マンション。韓国人エリート世帯に人気の物件。永井荷風の断腸亭跡は田代まさし氏も所属するダルクの施設に。
(19)東新宿:新宿と名の付く駅にしては離れすぎている。元の地名は東大久保。歌舞伎町ラブホ街やヤクザマンション、軍艦マンション、スクエニ本社、とても新宿とは思えない古ぼけた住宅地が広がる新宿六・七丁目への最寄りはこちらです。
(20)若松河田:大江戸線の合成駅名、若松町と河田町。駅前には小笠原伯爵邸、女子医大の先には東京韓国学校。フジテレビの古巣跡に建つタワーマンションやその周辺も韓国語の広告看板ばかり。新大久保の陰に隠れたもう一つのコリアタウン。

その他の駅

牛込神楽坂の至宝、牛込中央通りの和菓子屋「船橋家」。外観が既に攻めまくってます。

落合:東西線沿線で原木中山を超える乗降客数最少の超絶寂しい駅。こう見えても東中野や中井にも近いし考えようによっては4線利用可という利便性を誇る穴場感半端ない街である。
落合南長崎:すっかり練馬区と思っていましたがここがまさか新宿区にある駅だとは。
西新宿五丁目(清水橋):新宿区の西の端。渋谷区と中野区の境が接する場所にある某銭湯は一部の皆様の社交場として夜な夜な発展しているそうです。怪しい雰囲気の残る十二社の連れ込み旅館街の残骸。
都庁前:東京都庁と新宿中央公園。夜は周囲一帯がホームレスの寝床となる。沖雅也が飛び降り自殺をした京王プラザホテルもあるよ。
牛込柳町:市谷柳町・薬王寺町の寺院裏手の狭小住宅地が気になります…
牛込神楽坂:牛込中央通りの和菓子店「船橋家」が色々とヤバイ。大辛カレー入りどらやき「インドラ」と男子諸君が好きな形をした「おっぱいちゃん」が名物。
西早稲田:副都心線開通で便利になった新宿区の秘境、巨大都営住宅群「戸山ハイツ」と731部隊の噂が絶えない箱根山がそびえる戸山公園にたむろする早大生とホームレスの皆様。

新宿区に関係する何かを適当に並べた

東京都 新宿区 (地域批評シリーズ日本の特別地域5) (地域批評シリーズ日本の特別地域 5)

昭和の東京 1 新宿区 (加藤嶺夫写真全集)

あの日の新宿―昭和25年から30年代の思い出と出会う (地図物語)

新宿二丁目ウリセン・ボーイズ

歌舞伎町・ヤバさの真相 (文春新書)

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