どうぞ、お好きなSNSで拡散して下さい

芝浦高浜橋ホルモンバラック村突撃編!「やまや」と「芝浦ホルモン・シーパラダイス」で肉を喰らう

JR品川駅、田町駅、都営地下鉄泉岳寺駅の中間地点、芝浦運河に囲まれオフィスビルが立ち並ぶ中でもどこか閑散、殺伐とした空気の漂う芝浦四丁目の「高浜橋」北側のほとりに、戦後のドサクサで残るバラック村が今も残っているのは以前のレポートでもお伝えした。

すっかり日が暮れた夜の芝浦運河を先日久々に訪れた。目的はもちろんこの高浜橋ホルモンバラック村に残る3つの店に突撃する事である。

橋のたもとから「はるみ」「やまや」「芝浦ホルモン」の3軒がひしめきあっている。いずれも在日コリアン系の経営者が戦後のバラック酒場から何も変わらず細々と続けている店である。そのうち2店舗に入店したときのレポートを改めてお伝えしようと思う。

まずは「やまや」である。この店はホルモン焼を扱っているが、あくまで位置付けは「大衆食堂」。狭い店内は10人少々のキャパシティしかなく、確実に入店する為には前もって店に連絡を入れておかなければならない。

店に入ると現場工事系のオヤジばかりが酒盛りをしているというコアな空間が目の前に開けている。店の切り盛りをするのは御年70過ぎになるというオモニと、時々娘さん?と思われる人が手伝いに来る程度で、いたって少数精鋭である。

先代の姑さんから店を受け継いで二代に渡って店を運営している。

カウンター席に付くなりオーダーするのは、店でお勧めのセンマイ刺しだ。一皿400円という値段の割にはかなり大盛りでやってくるので、驚いてしまう。

戦後の日本人は内臓肉を全く食べる事がなかったというが、この「やまや」ではそんな内臓肉を近所の芝浦屠場から新鮮な状態で仕入れて捌いて出し続けている。

在日コリアンがもたらした戦後の食文化がホルモン料理なのだが、この店はそういう意味ではルーツの一つとも言える。よーく噛み締めて、コリコリ味わえ。

その次はもつ煮込みである。これも400円。よく噛まずとも柔らかく煮込まれた内臓肉が優しく味付けられている。根菜類が豊富で肉じゃがに近い感覚で食べられる。オモニの家庭料理。

そして次に牛すじ煮込み。すじ肉とは思えない程柔らかい状態で味がよく染み渡っている。下手な洋食料理屋で食うビーフシチューの肉よりも上質かも知れない。やっぱりこれも400円。

で、メインティッシュにハラミ焼き。これはセンマイ刺しと比べると少量で値段も一皿1000円と高価だが、肉の食感と脂身の上質さは他の追随を許さないのだ。焼物は最初からタレも掛かっているのでそのまま食う事になる。

そして必ず頼んでおきたい逸品が、このネギサラダ。サラダとか言いながら野菜が本当に葱しか入っていない訳だが、これが韓国海苔と唐辛子で和えられていて、酒のつまみに合う事この上ない。これもてんこ盛りで一皿400円で出る。

これだけ食うと便所にも行きたくなるが、さすがバラック仕様だけあってトイレは店の外、玄関を開けた左側にある。様子を見てみると客が小慣れた感じで店の厨房に入り込んでトイレの鍵を勝手に取って用を足しに出ている。常連ともなるともはや「やまや」の住民である。

店内には芸人のサインが色々飾られていたりするが、どう見ても「実話ナックルズ」の記事にしか見えない「闇市ぐるめ」のページが有難そうに額縁入りで飾られていて笑ってしまった。闇市貧乏食などと結構酷い事書いてるし店主的にいいのかよコレと思ったが、どうやら問題なさそうである。

まともに飲み食いしても一人2000円で釣りが来てしまった。これが駅前だったらショバ代含めて倍額取られてもおかしくないクオリティである。これも土地関係がよく分からないバラック村だからこその良心的価格設定。

バラック仕様のやまやはちょっと…というスイーツな方々にはもう一軒の「芝浦ホルモン」をお勧めしたい。店の外観が逝っちゃってるが、一歩中に入ればごく普通の小奇麗な焼肉屋となっている。

「芝浦ホルモン」と言えば屋上の手作り感満載なネオンサインである。シーパラダイスとあるが、これは前の経営者の店のもの。看板を取り替えるのも面倒なのかただ目立ちたいだけなのか、違う店の看板を堂々と掲げているケンチャナヨっぷりがしびれる。

こちらでもセンマイ刺しが食えるが、少量で値が張る。でもちょっとオシャレに盛りつけてくれる。「やまや」とはTPOで使い分け出来ると思えば良い。

さらに芝浦ホルモンではホルモン焼きの種類も豊富で焼肉のメニューもちゃんと置いてある。バラック村の煤けた雰囲気は欠けるが、いろんな種類の内臓肉を欲張って食べたい時はこの店お勧めである。

店の壁にもご丁寧にホルモンの部位が記されているのでついでに覚えておくのもよい。

もう一軒の「はるみ」も、やまやと同じくホルモン焼を出す大衆食堂で、こっちはラーメンも食えるらしいが、まだ入店出来ていない。後日訪問して追ってレポート出来ればと思う。


The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
トップへ戻る