![]()
湯島天神の銅鳥居の前の道をひたすら南に歩いて行くと清水坂を降りて蔵前橋通りに出てくる。ここまで来ると御茶ノ水や秋葉原の方が近くなってしまうが、この付近も住所は湯島で、しかもラブホ街が地味に続いていたりする。
この清水坂を降りる手前から脇道に入ると妻恋坂というのがある。妻恋坂とはなかなか素敵な名前だが、そこは妻以外の誰かさんと世に憚る恋に耽ける男と女のドラマが日夜人知れず繰り広げられている、ちょっとアレな場所だ。
![]()
妻恋坂に入ると文京区教育委員会が設置した案内看板がある。坂の名前は妻恋神社の前にある坂だから、という単純な理由から来ている。
![]()
そんな妻恋坂の上にあるのがホテル湯島御苑。最近リニューアルしたらしくやけに仰々しい外観が際立つ。どこぞの高級料亭ビルみたいにホテルの外観一面が黒いフェンスで覆われている。
![]()
ホテルじゃなくて「宿屋」とか書いていてウケるのだが、部屋の価格帯は上野あたりと比べても結構高い。
![]()
この妻恋坂あたりにあるホテル街は車で来る客が多いらしく付近はいかにもなカップルを見かけるような事もない。人通りも少なくお忍びで来るには好都合なのだろう。
またホテルの中から外車に乗ったカップルが出てきて我々の目の前を通り過ぎた。シェケナベイベ風な白髪ロン毛の爺さんが車を転がしていてついつい凝視してしまった。いつまでもお盛んで羨ましいですね。
![]()
さらに湯島御苑の斜向かいにもリニューアルしたばかりの「FERIA」の建物がある。ここも都心部のラブホにしては珍しく駐車場の開口部が大きく開かれていて車の来客の多さを伺わせる。
ちなみに目立たないが隣接してもう一軒「湯島パレス」もある。つまり妻恋坂にあるホテルは全部で3軒。
![]()
「FERIA」が超スタイリッシュ過ぎて逆に笑ってしまうんですが、よくよく考えればこの付近の住宅地も富裕層が多くそれなりに高級志向が強いようである。
![]()
そんなラブホ3軒に取り囲まれるように鎮座するのが「妻恋神社」。日本武尊を祀る小さな街の神社であるが、日本書紀の東征伝説に基づいていて歴史は非常に古い。創建時期不明。
![]()
神様はこの場所で幾多もの世に憚る恋、単刀直入に言う所の不倫現場を目にしているはずだろうが、あくまでここは妻恋神社なのである。
![]()
手狭な境内に入ると階段を上がったすぐ左手に拝殿がある…といっても思いっきり工事中だった。
どうしたことやら、と思ったら前を通りがかった近所のおばちゃんが親切に事情を教えてくれた。3月11日の東日本大震災で建物の瓦屋根が落ちるなどして損壊したため、復旧工事をしているらしい。
![]()
また境内正面にある稲荷社は関東総司の妻恋稲荷として江戸時代から多くの参詣者を集めたものと言われるが、今見てみると非常に簡素な作りをしている。
![]()
そんな曰くありげな妻恋神社に寄り添うように立ち並ぶ3軒のラブホ街を抜けると妻恋坂は一気に勾配をつけて下りとなる。この一帯がなければごくフツーのマンションとビルが並ぶだけの殺風景な場所なのですが。
![]()
一軒だけビルに囲まれて坂の途中に建ち続けていた古い民家があった。手前に鉄パイプの足場が組まれていてなかなか個性的な感じである。妻恋坂はコンクリートジャングルの谷間にある死角のような空間だ。
