【大人の文京区】これでも文京区か!ホテルだらけの怪しい街「湯島」を歩く

文京区

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湯島が昔は大規模な花街だったと言われてはいるが、それは駅前のラブホ街や飲み屋街ではなく、湯島天神の銅鳥居を正面にした湯島中坂上一帯らしい。今ではマンションやオフィスビルが多くそれらしい風情を感じる事はない。しかし湯島の実力はそんなものでは終わらない。中坂から南側にある三組坂、妻恋坂に掛けての一帯もまたラブホ街と化しており、秘め事に訪れるカップルが日夜お盛んなホットスポットなのである。

まずは三組坂に沿って歩く。同じ湯島でも坂の上はだいぶ雰囲気が違う。元々この周辺は徳川家康の付き人だった「三組の者」が地名の由来ともなっている屋敷町で格式の高い住宅街といった位置づけである。

三組坂上辺りに来ると見た目にかなり老舗っぽい「ホテル江戸屋」の建物がある。ここは湯島界隈でも少数派のビジネスホテル。普通のホテルですよ。

物凄く和風で普通な店構えのホテル江戸屋の前を通り過ぎる。上野に近いからといってハッテン場サウナがあったりそういう展開はまず考えられない、本当に普通のビジネスホテル。

だがそんな江戸屋の正面はいきなりラブホである。隣が味気ないマンションになっていたりするが、それにしてもこの付近もやたらホテル街である。湯島って上も下もそういう場所なんですね。

この界隈は先程までの坂の下のガヤガヤした繁華街とは一線を画し落ち着いたマンション街といった佇まいになっている。地価も高いのでそれなりの層しか住んでいない。そしてどこかホテルの外観も小奇麗だ。

そんな場所にあるラブホ街は坂の下の貧民臭漂う上野の付属品のような場所とはランクが違うようでこちらは値段設定がかなり高い。坂道だらけというのもあって駅からも遠いので、小金持ちで車持ちなカップルがお忍びで訪れる事が多いようだ。

さらに三組坂上交差点から湯島天神に向けて歩いて行くと右手に年代物の「ホテル寿」が現れる。高級感の漂うホテルがやけに多いが、ここだけは場末感全開。

休憩5000円で宿泊8000円という大衆価格は坂の上にあるホテル街の中では最もお値打ち。ちなみに隣のマンションには文京区立天神図書室が入居している。文教施設とホテル街が隣り合うという面白い環境。

三組坂と中坂の中間あたりに来ると「実盛坂」というこれまた極端な階段坂が姿を現す。マンションの切れ間から見える崖下の家並みが豪快。贔屓目に見ても10メートル以上の落差がある。

一気に実盛坂の階段を駆け下りていく。ストレートで急勾配なぶん圧迫感すら感じる。なぜか階段下部4分の1の所で幅が狭まっている。下から見ると…結構な迫力ですねえ。

湯島天神の男坂よりもある意味男らしく豪快な実盛坂を降りるとその下は地味な住宅街。結構行き来する人の姿が多い。

さらに中坂の途中に抜ける路地を進んでいくと、そこにもラブホの看板があった。広範囲に点在している形だが本当に湯島はホテルが多い。

そしてやはりこちら側は綺麗目な外観の店舗が多い。坂の上と下とでは同じホテル街でも棲み分けされているのが湯島の大きな特徴である。坂を登るかどうかが大きな分かれ目。

中坂を降りて東側に抜けると千代田線湯島駅前を経て再び雑多な繁華街の喧騒に包まれる。そのまま行くと上野広小路や御徒町あたりに出られる。坂道を登ったり降りたりする湯島のホテル街散策は、下町と屋敷町の境目を抜ける散歩道でもある。

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