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埼京線戸田公園駅前のポエミーでヘプバーンなトタン家屋

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痴漢痛勤列車でお馴染みの埼京線に乗って戸田公園駅で降りる。荒川を超えて埼玉県側に入った1つめの駅である。
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埼京線自体が割合新しい路線だからかして、駅前はおしなべて郊外の没個性的で殺風景な風景が多く、とりわけ街並み探索しようぜという気にもならなかったが、たまたま所用で通りがかる機会があった。


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戸田市にある鉄道駅の中で唯一快速停車駅のため、駅前の発展具合は五十歩百歩ながらわずかに戸田公園が頭一歩出てるといった感じか。埼玉県南部の街はどこもそうだが国際化が激しい。駅前には「戸田市みんなでつくる犯罪のないまち」と書かれた三ヶ国語のスローガン看板が設置されている。
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そんな戸田公園と言えばやはり荒川河川敷にある戸田競艇場な訳で、隣の川口と同じくやはりギャンブルタウンの色彩が強いのだが、駅の北側のある本町一丁目交差点の角を見ると、退屈なマンションだらけの街並みにぽつんと一軒だけドハデな平屋建て民家が建っているのが見える。なんだこれは?!
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眩しいスカイブルーとピンクに彩られた謎の民家、何やら玄関口の周りにも色んな物が飾られていて見た目にインパクトがある。周囲がつまらないマンションやアパートばかりだから余計に目立つ。
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玄関周りはDIY的に竹で組まれた塀が立てかけられていて、なぜかイルカのシルエットが飾られていたりする。ちょっとした海の家っぽいノリである。ここは海なし県の埼玉県です。
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だが民家の主の個人プレイっぷりはそこだけに留まらない。家の敷地との境目となるトタン塀にはこれまた自作の飾り物に加えて、よく分からない自作のポエムまで展示されている始末だ。
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何が書かれているのかと思ったらどうやら「団塊」をテーマにしたポエムらしい。なんだか微笑ましくなってしまった。
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…っていうことはやはり主は団塊世代なのだろうか。当事者か団塊ジュニア(およびロストジェネレーション)かで「団塊」への評価は世代によって大きく異なる訳ですが、まあ細かい事は言わないでおきましょう。
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少し引いて眺めてみるとこんな感じだ。器用に竹とトタンで組まれた塀は青系統のペンキで綺麗に塗られている。電波住宅と呼ぶにはちょっと失礼かも知れない(笑)
ポエムの他にも、お寺の入口などによく貼られる説法のような文章も見られる。
「一日一生利他心」「For Others With Others」などと書かれているのを見ると、性善説の持ち主な感じだ。とても優しさが滲み出ていますね。
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しかし敷地を飛び出た公道の電柱まで使っている所なんか、羽田大鳥居電波住宅のそれと共通しているように思えてならない。さっきからオードリー・ヘプバーンの顔だけがベタベタ貼られているのが目に付く。
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さらに家屋側面の様子もなかなか香ばしい。平屋建ての家屋のトタン葺きの屋根も見えるが、鮮やかなマリンブルーで統一されている。
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ポエムの数々やオードリー・ヘプバーンの顔写真に混じって、ポートレート的な写真と謎の鏡、飾り物の数々が見られる。「私は急がない」と地主らしい余裕さを見せる家の前の道も、毎朝毎朝、忙しく駅へ急ぐ通勤客でごった返している事だろう。いつから日本人は心の余裕を失ったんでしょうね。
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さらに大阪弁丸出しな「ボケずに長生きしなはれや」のポエムまで…これは松下幸之助か誰かが作った詩らしいが昔の事はようわかりませんわ。でもええ詩ですね。ほっこり。こんな理想的な価値観の老人なんて殆ど居ませんけどね。
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近隣住民は通勤通学に忙しいのかよっぽど身の回りのものが見えないのか知らんが、この個性的過ぎる家屋についてネット上でも殆ど情報が出てこない。たまには立ち止まってみるのも、人生のうちでは大事な事かも知れないよ?
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東日本大震災後に書かれたであろうポエム。地震は悪くない、津波も悪くない。海は母なる海だ。ちなみに埼玉県内での震災の犠牲者数はゼロでした。繰り返します、ここは海なし県の埼玉県です。
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それにしてもよっぽどオードリー・ヘプバーンがお好きらしいですね。10ヘプバーンくらいでしょうか。数えるのも大変です。
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ヘプバーンだけに留まらず、子供の写真まで唐突に貼っている。統一されたメッセージ性は感じられない。
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そして何故か書籍のPRコーナーまで…「誰も知らない運命のしくみ」というタイトルの本。哲学、宗教的な臭いもするのですが、主は関係者なのか、それとも本に勝手に感銘を受けて宣伝しちゃってるのだろうか。とにかく「只今・好評発売中!」らしい。
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家と職場を往復するだけの生活を続ける人々が多い、どこか殺伐とした埼京線沿線の街並みに咲く一片の花びらのような素敵な民家でした。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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