伊勢丹新宿本店のある新宿三丁目交差点の東側には、ごちゃごちゃした低層ビルや居酒屋が密集する独特の空間が広がっている。
そこは週末の夜ともなると酔っ払ったサラリーマンで溢れかえる、酒臭い通り道。新宿エリアだけでも、新宿西口、東南口、歌舞伎町…と、居酒屋には事欠かない街だが、改めて新宿の巨大さを思い知るのだ。
そんな酒臭い場所に、素晴らしく古風な落語寄席「新宿末廣亭」の建物がある。1897年に創業しているが戦災で消失し、今の建物は1946年に再建されたもの。東京都内に4軒ある落語寄席のうち唯一末廣亭だけが木造建築であり、建物は他の落語寄席と比べて最も趣深い。
落語寄席だの演芸・大喜利だのというと、テレビ番組の「笑点」に代表されるようにもっぱら東京ばかりの文化だと思いがちだが、そんな東京でも落語寄席として営業を続けているのは都内でたった4ヶ所しかないというのは意外だ。新宿末廣亭以外の他の3ヶ所は上野の「鈴本演芸場」、浅草の「浅草演芸ホール」、池袋の「池袋演芸場」。
ちなみに「笑点」の収録はこれらの落語寄席ではなく後楽園ホールで行われている。
新宿三丁目は飲兵衛御用達の居酒屋ばかりではなく世界各国の料理を振舞うレストランやバーも点在する。
少し怪しげな雑居ビルの階段を登った先にも、何やら変な絵が描かれた店が見えるが…
よく見るとそれは「アフリカンレストラン」と書かれた店の看板だった。アフリカ人が踊っている絵とへたくそな字の構図がシュールで思わず吹き出してしまった。
調べてみると「エソギエ」という名前のアフリカ料理レストランバーである。ナイジェリア料理を扱っている。
世界各国の料理が食える東京でもアフリカ料理の店というのはなかなか無い。気になる店だが訪問レポートはまた後日ということで。
夜の帳が落ちた新宿三丁目、立ち飲み居酒屋のテラス席が路上に溢れ、そこらじゅうでサラリーマンが酔っ払っている中を掻い潜るとその先にあったチケット屋の建物が妙に迫力満点で思わず立ち止まってしまった。
差し押さえでも食らったのかと思うような張り紙だらけの凄い店構えだが、店主が手書きで販売しているチケットの種類を羅列しまくっているだけだった。
ガラス張りの店の表面を張り紙で埋めたがる店主の心理を想像してしまう。
よく潰れたコンビニ跡地を借りて悪質な催眠商法をやってる業者(→詳細)があるが、ああいう店がこんな感じでガラスに張り紙をベタベタ貼って店の中を隠している。
「お気軽にご利用ください」って、できねーよw
店にしても行政にしてもやっぱり「ガラス張り」の方が安心できるぞ。
ちなみにここから先はゲイタウン・新宿二丁目である。


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