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まさかの越谷でベトナム!しらこばと水上公園向かいにある関東屈指のベトナム寺院「南和寺」

首都圏の外国人タウン化の凄まじさは目を見張るものがあるが、東武伊勢崎線沿線もまんべんなくアジア系や南米系を初めとした外国人が沢山移り住んでいる。そんな中、どうやら越谷市の外れに日本国内でも珍しい「ベトナム仏教寺院」があるという話を聞いて一度見に行きたいと思っていた。

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越谷駅からバスに乗って約20分、越谷市とさいたま市岩槻区の境目にある「しらこばと水上公園」にやってきた。埼玉県営の公園で夏場はプールなどの施設が充実しているのでシーズンには家族連れの来客が多い場所だが、冬場に訪れると人っ子ひとり居ない寂寥感全開の公園である。
この近くに「南和寺」なるベトナム寺院がある。紛れもない日本におけるベトナム人コミュニティだ。

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埼玉県の県鳥である「しらこばと」の名前を冠した公園、シラコバトの現物を見た事のある人はいるのだろうか…とどうでもいい疑問が走るが、どうやら一時期絶滅の危機にあった鳥で、現在では日本でも越谷市周辺にのみ生息していると言われる。
そんなしらこばと水上公園を外れると途端に田園地帯に並ぶ殺伐町工場ゾーンが連なる。
こんな場所にお寺なんかあるのかよと思うのだが、あるのだ。

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無骨な工場街の入口にぽつんと立つ、やや場違い気味な寺の山門。これがベトナム寺院「南和寺」である。ベトナム語で「CHUA NAM HOA」の文字が書かれている。
2006年1月に開かれたばかりの新しい寺で、首都圏に暮らすベトナム人が毎週日曜日に集まるそうだ。寺の名前はベトナム(越南)の「南」、日本の「和」から一文字ずつ取った。

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寺の本堂となるプレハブハウス風の建物の前に庭のようなスペースがある。言うなればお寺の境内。おおよそ日本風味ではない多分ベトナム製のベンチとテーブルが置かれている。
ここが関東でも数少ないベトナム寺の一つなので、特に正月の時期には全国からベトナム人がこの場所に集まるそうだ。本来はベトナムの旧正月(テト)に祭りを開きたい所だが日本の会社に勤めている限りは日本の正月にしか休めないそうで。

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南和寺の本堂。工場の事務所かと思うようなプレハブ風の建物を頑張ってお寺らしく作ってみましたという感じである。南和寺を開いたベトナム人は1970年代のベトナム戦争の時代にボートピープルとして日本に難民として流れてきた人々だという。

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正面には白い大理石の観音様。ベトナムに旅行したことがあればもっと楽しめるかも知れない。お寺に使われている石像とかベンチとかの資材はみなベトナムから運んできたものらしい。

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本堂を正面に遠目から見る。手前には赤い太鼓橋が架けられていて、なんとなくお寺っぽさを演出している。

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橋が架けられた場所をよく見ると澱みきった田んぼの水路が流れている。近所の風景を見てもこの場所が寺を置くのに相応しい場所とは到底思えない訳だが、やはり色々な事情があるんだろう。

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ちょうど中で信者の皆様が真剣にお祈りしている最中だったので、今回お寺の中に入るのは遠慮した。内部取材は次回に持ち越し。出来れば近隣のベトナム人が集まるという日曜日に来た方がいいかも知れない。

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南和寺の真裏は広大な畑が続いていた。田園地帯に工場と民家が点在する典型的な埼玉の風景である。

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それにしても気になるのが寺から一歩外に出る他は全て工場だらけという、やけに曰く付きな土地柄。しらこばと水上公園脇から南側に工場街がまっすぐ続いている。
聞くところによるとこの一帯は戦時中に突貫工事で作られた「越谷飛行場」があったらしく、この付近にまさしく飛行場の滑走路があったそうだ。工場街に入ると住所はさいたま市岩槻区に変わる。

<追記>在日ベトナム人人口の増加により、ベトナム仏教寺院は首都圏・関西の各地に増えています。したがって記事公開当時は「日本唯一のベトナム寺院」という事で紹介していましたが、「関東屈指のベトナム寺院」などに表記を改めました。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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