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サンクス?ローソン?いや違う!東京湾岸部に存在する謎のコンビニ「ポートストア」とは一体何なのか

いまや日本全国にくまなく存在し人々の日常生活に欠かせないものとなったコンビニエンスストア。あまりに日常に溶け込んでしまったせいで別にコンビニの店舗を見かけても何の反応もしないのが普通で、まあ地方なんかに行った時に見かける北海道のセイコーマートだとか九州南部に多いエブリワンだとか広島に多いポプラとか、そのへんの地域差はあるにせよ、コンビニほど日本人にとって普遍的な店舗はないと思うのである。

だが、日本の首都であり画一的なチェーン店が幅を利かせるここ東京に、「ポートストア」という聞き慣れない名称のコンビニエンスストアが存在すると聞いた。このポートストアというのは、外観がまさしくコンビニ大手「サンクス」の店舗そのままで、看板だけが何故かオリジナルで「PORT STORE」と表記されているのである。

東京都内にこうしたポートストアの店舗が1軒だけでなく複数あるらしい。どの店もなぜか鉄道駅から遠く離れた辺鄙な場所にあり、東京に長い間住んでいる人々でも、お目に掛かった事すらないかも知れない。まず試しに江東区辰巳にあるポートストアの店舗を見に来たのだが、ここも本来なら「サンクス」のロゴが入るべき部分が「PORT STORE」になっている。

なお、店内で使われている内装や販売されている商品なども他のサンクスの店舗とほぼ同じ。ますます意味がわからない。最初この奇妙なコンビニ店舗を見かけた時は、フランチャイズの関係がこじれて独立しちゃった系かな?などと勝手に考えていたのだが、どうも事情が違うようだ。他にも店舗があるらしいので、暇を見つけては順番に巡っていく事にした。

次にやってきたのは大田区城南島のポートストア。さっきの辰巳よりもさらに辺鄙な立地にある。工場地帯と物流倉庫しかなく人口ゼロ地帯の人工島、海底トンネルで中央防波堤と繋がっている所ですな。真っ暗闇に包まれた人工島の一角にあるコンビニ。東京にもこんな場所があるんですね。

んで、このポートストア城南島店の利用者はというと…見事なまでにトラック野郎ばかりという状態。城南島から中央防波堤経由で最近できたばかりの東京ゲートブリッジを渡れば江東区若洲に抜けられる。トラックの運ちゃん達にとっては抜け道として重宝しますねこの道路。当然コンビニも繁盛する訳だ。

しかしなぜこんな辺鄙な場所にばかりポートストアの店舗が存在するのか、なぜ既存のコンビニのロゴや内装そのままに看板だけ違っているのか。少し調べてみたらこのポートストアを運営している団体の名前が分かった。

「一般財団法人東京港湾福利厚生協会」

昭和18(1943)年に財団法人東京港湾荷役改善協会として設立してから70年以上の歴史があるらしい、この団体がコンビニを「港湾労働者の福利厚生の一環」として運営しているというのである。一応ホームページもあるので確認したのだが、食堂や診療所、宿泊施設やスポーツ施設なんぞを数十箇所運営しているらしい。コンビニは「売店」扱いで、コンビニチェーンの固有名称は記載されていない。逆に、コンビニチェーンのサイトにはポートストアの店舗が記載されている。

さらにサンクスではなくローソン型のポートストアまで存在するというので、今度は品川駅に程近い港区港南五丁目、品川埠頭にやってきた。ここも確かに外観はローソンそのまんまで、ロゴだけ「PORT STORE」である。店先にはカフェテラス的なスペースもあってちょっとした都会のオアシス風味だが客層はオッサンばっかりだ。

しかもローソン型店舗の看板はロゴのフォントまで本家「LAWSON」のそれに酷似した造りになっている。ローソンと共通する「S」と「O」以外のアルファベットの看板はわざわざこの一店舗の為だけに用意させたのだろうか…半端ないっすね、財団法人サマ…

ローソン創業以来の伝統的な牛乳瓶マークも財団法人の力に掛かるとこのようになる。どうせサンクスやローソンに仕事を丸投げしているんなら看板もそのまま元のものを使えばいいと思えるのだが、そうは行かなかったんでしょうか。ポートストアの名前に財団法人の意地みたいなものでもあったのか色々考えますが意図する所が掴めません。

ただ、既存のサンクスやローソンの店舗と比べて客層が「港湾労働者」を想定しているだけあって、いくらか相違点が見受けられる。「作業用手袋や靴のコーナーが充実している」「本棚に女性誌が全く置いていない」「エロ本や酒類が多い」といった部分だ。しかしそれ以外は別に普通である。ローソン型店舗には「からあげクン」とかも普通に売ってるし何も変わらない。あ、そういえばたまたまかも知れんが店員が妙にオッサンばっかりだったのが気になった。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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