新宿三丁目 (2) 伊勢丹デパート屋上庭園

けたたましい宣伝マシーンであるテレビの画面では盛んに「デパ地下」などと持て囃すが、東京DEEP案内的にスポットライトを当てたいのは地下ではなくデパートの屋上である。
中年世代以上であれば「デパートの屋上」と言えば、ビアガーデン、遊園地、ファミリーレストラン、というキーワードが連想されるだろう。それと共に懐かしい子供の頃の思い出が蘇ってきたりして、えらく歳を取ったものだと勝手に感傷に浸るわけだ。
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そこで、都内のデパートでは指折りの萌えレトロ建築である新宿三丁目の「伊勢丹新宿本店」にお邪魔したのだ。言うまでもなく国内でも大手の百貨店である伊勢丹の総本店。昭和8年(1933)に建設され、戦後はGHQに接収されていた時期もあるなど、様々な歴史を背負って今なお建ち続ける。新宿三丁目のシンボルといってもいい存在だ。


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そんな伊勢丹新宿本店の屋上を見てみようということで、7階から屋上へ向かう階段までやってきた。屋上は夜7時で閉鎖されてしまうのだが、来てみたら20分前、ギリギリ間に合った。
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建物内部はかなり改装されてしまっているものの、この階段だけが建物が出来た当初の趣を残している。手すりは総大理石、窓にはステンドグラス。百貨店のレトロ建築の髄を見た気分だ。
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「7階」を示すプレートのフォントにもモダンでハイカラなセンスを感じる。
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その階段を登りつめた先に屋上が。デパートの屋上を前にするワクワク感はオッサン世代だからこそのもの。
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てっきり遊園地やビアガーデンがあるのかと思いきや、そこにはだだっ広い屋上庭園が広がっていた。
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実はこの「デパ屋」、伊勢丹が2億5千万円の工費をかけて屋上緑化を行いまるっきり新しく生まれ変わっていたのだった。屋上庭園「アイ・ガーデン」として2006年6月にリニューアルしている。
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さしずめ新宿のど真ん中にある都会のオアシス。まだ知られていないせいかお客の数もまばらで、それをいいことに庭園の影であちこちカップルがちちくりあっている風景を拝むことが出来る。
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屋上庭園の一角には伊勢丹創業者である小菅丹治の銅像がデデーンと掲げられている。「伊勢屋丹治呉服店」として明治19年に秋葉原(神田旅籠町)で創業し、昭和の時代になってからは場所を新宿三丁目に変え、以来75年以上も経っている。
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伊勢丹創業者「伊勢屋の丹治さん」の銅像はオバマ大統領にクリソツである。
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傍らには、伊勢丹新宿本店創業の時からこの場所に鎮座する朝日弁財天。
観覧車やビアガーデンのあるデパ屋、ではなかったが、別の意味で想像とは違う世界が広がっていた、伊勢丹の屋上でした。
参考記事
屋上遊園地ガイド
@nifty:デイリーポータルZ:デパートの屋上は今、どうなっているか
伊勢丹・新宿本店の屋上が”ユビキタス”な庭園に

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