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西武バスでしか行けない陸の孤島に生き残るリアル70年代な団地の商店街「滝山中央名店街」が渋い

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東京都東久留米市滝山町、西武新宿線花小金井駅から西武バスに乗らなければ辿り着けない多摩北部の田舎臭い田園地帯に高度経済成長期に作られた大型団地「滝山団地」は約3200世帯もの公団住宅と戸建住宅で構成されたニュータウンだが、既に街開きから半世紀が過ぎ、交通便の悪さと住民の高齢化もあって街がじわじわ衰退している。

そんな団地の住民がわざわざバスに乗って遠くまで行かなくとも普段遣いのお買い物ができる商店街があるにはある。滝山団地の中心部に位置する「滝山中央名店街」である。団地が完成してから数年経った昭和45(1970)年に商店街が発足し、今も地域住民の買い物の中心となっている。鉄道駅のない土地でここまで大型の商店街がある場所は、多摩地域でも珍しい気がする。

滝山団地住民のための商店街「滝山中央名店街」を見る

商店街の中心は、滝山中央通りから一本南側に入ったところにあり、この通り開放的な幅の広い遊歩道の両脇に二階建てコンクリート建築の商店長屋が立ち並ぶ仕様となっている。これ以上ないくらいに「ザ・団地の商店街」的佇まいである。

商店街を紹介するこちらのサイトの記述では50店舗ほどがあるということだが、恐らく10年以上経っているのだろう、あちこち潰れてなくなっている店舗もある。過去にはマツモトキヨシや二木の菓子もあったそうだが、いずれも撤退。二木の菓子なんて団地住民にはうってつけの店に思えるがそれでも撤退してしまうのだから、やはりここで商売する人々の懐具合は深刻なのだろう。

滝山中央名店街で最も来客で繁盛しているのは、やはり食品スーパーである。特にこの「スーパーヤマザキ」、あの山崎製パン系列のスーパーマーケットである。コンビニのデイリーヤマザキは割とよく見かけるが、スーパーヤマザキは23区内では台東区三筋の1店舗しかなく非常にレア物だ。近くに山崎製パン武蔵野工場がある関係と思われるが、東久留米市にはこのスーパーヤマザキが4店舗もある。

商店街の西の端にスーパーヤマザキがあれば、東の端には「食祭館あまいけ」もある。これも多摩北部には複数店舗を展開するスーパーあまいけの系列店舗である。2つの食品スーパーの前には買い出しに来る近隣住民のチャリンコがやたらと停められている。

食品スーパーと同じくらい栄えているのが滝山団地で唯一のパチンコ屋「トーヨー」。店のネオン看板がそのまんま昭和チックなのが素晴らしい。団地の商店が全て滅びたとしても食品スーパーとこのパチンコ屋だけは最後まで生き延びるのだろうな。

当然だがこの商店街も買い物客の姿を見るとほとんどが高齢者ばかりとなっている。そう言えば潰れた二木の菓子の跡地はデイサービス施設になってましたね。つまりこの場所も知られざる東京の限界集落になりつつあるのです。でも、ちらほら外国人の姿も見かけるので、ゆくゆくは外国人団地に変わる将来も考えられる。

東京最安値の1個10円のたこ焼きは滝山団地にあった

この滝山中央名店街で気になっていた「永井商店」というたこ焼き屋は、既に廃業してしまっていた。個人的にリスペクトしていたデイリーポータルZのライター、故・大塚幸代氏が滝山団地のB級グルメを取材したレポートを載せていて、この永井商店は1個10円(消費税増税後は1個12円)のたこ焼きを出す大阪のド下町顔負けの激安店ということで是非喰いたかったんですが、2016年9月に廃業…無念。それにしてもなんですかこの東南アジア感溢れる一画は…

既に半分くらいの店がシャッターが閉まったままか、介護系や葬儀業者の店舗に変わってしまっている。団地の住民もいよいよ「終活」を考える世代になってしまった。これが滝山中央名店街の現状である。滝山団地に暮らす最初の世代が居なくなる数十年後にはこの商店街もどうなっているのだろう。

ちなみに、この商店街付近を過去(2009年)のストリートビューで見ると、あちこちにイオン進出に反対する張り紙が貼られていたのが確認できた。現在はここからそう遠くない場所にイオンモール東久留米がある。やはりこの商店街もイオンに負かされたか…

滝山中央通り側には立派なアーケードがついている

一方で滝山団地のメインストリート「滝山中央通り」沿いにも中央名店街の商店が連なっている。ここは歩道部分に立派なアーケードまで付いていて雨の日も濡れずにお買い物ができる仕様だ。東京23区外で鉄道駅の近くでもないのにここまで立派な商店街がある場所など、やはり珍しいと思うんですが…

どう見ても団地住まいのご老人の溜まり場にしかなってなさそうなカラオケ酒場?もあるお約束通りの光景。

ここも立派に整備されたはずの商店街なのに、入居している店が老人相手の怪しい催眠商法系ショップだったりするところがまたお約束通りの光景である。老人しか来ない寂れた商店街には絶対現れるよなこいつら。情弱老人を食い物にしても違法にはならないわけで高齢化社会はビジネスチャンスなのですね。

その他、老人だらけの団地の商店街で勢いづいているのがこのようなリサイクル家電ショップである。かつては中産階級のサラリーマンだった世代もなけなしの年金を貰うだけの後期高齢者となり、まともに新品の家電を買うだけの余力もないし、家電の寿命よりも自分の寿命が先に来るかも知れない。

そして団地にはお決まりの激安衣料店も大繁盛。店の表に出ている商品の中で値札が千円以上のものがほとんど見当たらないんですけど。ババ服ばかりと思いきや子供服もそれなりに品揃えがある。

中央名店街の南側の路地にも同じく商店ビルが連なりかつての商店街の一画を成していた佇まいを見せているが、こちらはてんで寂れきってしまってシャッター通りである。

そんな商店ビルに入居する街の中華料理屋「新華飯店」。カレーチャーハンが旨いと団地住民には絶賛されているらしいが生憎ながら昼休憩中でした。

もう一軒、渋い店構えを残しているサンドイッチ専門店「ドンキホーテ」も昼休憩中なのか廃業したのかよく分からない状態である。団地住民にとってはドンキホーテって安売り店じゃなくてこの店のことなんですね。滝山団地では結局何も食わずじまいだった。また出直すか…

ちなみにこの並びには喫茶なのか居酒屋なのか定食屋なのかさっぱり分からない、入りづらさ全開な「食酒幸ちゃん」なる店舗も存在する。知られざる東久留米の陸の孤島「滝山団地」の世界はまだまだ奥が深いようで…

ちなみに滝山地区の夏祭りでは高円寺からパクってきたらしい阿波踊りが名物となっているようでその時ばかりは賑やかになるそうです。じゃあ、その時期にまた来ますかね…


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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