カッペの憧れ「下北沢」 (3) シモキタ流カオス

カッペ貧乏人学生とヒッピーが集まる「下北沢」の駅前は、どちらかというと夜の方が面白い。
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日が暮れて、駅前の古着屋がぼちぼち店をしまう頃、駅前はやたら喧騒に包まれている。飲み会の前後でやたらテンションの高い若い学生の集団、勝手に弾き語りをやっているどこぞの売れないミュージシャン、そして駅北口のampmの前にはだいたい必ず居る「キムチ売りのおばちゃん」。本当にいつ行っても居る。


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万年学生街の下北沢はサラリーマンがお帰りになる時間帯でも、スーツを着たオッサンよりも学生の方が目立つ。要は自由の街、普段着の街。そこにスーツは似合わない。そういえば、サラリーマンのオッサンが好みそうな薄汚い居酒屋らしき店もあんまり見当たらないのだ。
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南口に出れば学生街の喧騒はさらに大きくなる。シモキタ流カオスを実感できる空間がそこにはある。
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別に下北沢駅前は車両進入禁止ではないのだが、実質駅前歩行者天国だけあって自動車用の案内表示板までベタベタとステッカーが貼られまくっていて機能していない。これはやっちゃいけないぜ!器物損壊だぜ!
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そして週末の夜、下北沢駅南口を降りると、「漫読家」こと東方力丸という人物が、路上に漫画本を広げて大声で漫画を読み上げる風景に出くわす。テレビでも「ニート代表」「貧乏人代表」などの名目で何度か出演しておりかなり有名な人らしい。下北沢駅前のこの場所でパフォーマンスを行うこと4年、だそうで。
東大や明大の学生が溢れる一方でこうして社会からドロップアウトして自由な人生を送る人々までもが共存するのがシモキタ流カオスなのである。東方力丸は下北沢駅前の他、井の頭公園でも活動を行っている。
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駅東側、京王線の高架下にやってくると、高架橋がやたら立派にペインティングされているのが目に付く。ギリシャの神殿みたいに飾られた奇妙な空間は、レインボーゲートと呼ばれ、夜になると路上弾き語りライブを行うミュージシャンの姿が現れるとか。
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高架橋の天井にまで紋様が描かれていてかなり凝った作りになっている。この周辺には小劇場やライブハウスも沢山ある。街全体がアーティストの表現の場として、この街に来るものを受け入れている。
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で、このレインボーゲートの向こうにはちょっとした有名店がある。次のページでたっぷり案内するとしよう。

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