亀戸駅北口の路地裏居酒屋街は何もホルモン屋ばかりが見所ではない。
車も通れない細い路地に飲食店やパチンコ屋が密集する一帯は、闇市の名残りを見せるかのようだ。ホルモン屋以外で、もう少し亀戸の路地裏を探索してみることにしよう。
亀戸駅北口の飲食店街でメインストリートとなるのが明治通りから一本東側を貫く通り道である。車も通れないような狭い路地に居酒屋や外人パブ、ホルモン屋などが乱雑に連なっている。
亀戸でホルモン屋と同じくらい有名なのが「亀戸ぎょうざ」という店の存在だ。同名の店舗は錦糸町や両国にもあるが、本店となる亀戸では餃子と酒・ソフトドリンク以外のメニューが一切無いという徹底ぶりで、日常的に行列覚悟。午後6時半には品切れで店を閉めてしまう。
餃子にホルモンが名物とは、さすが肉食系下町。
さらに路地の奥へ進むと「チャーシューラーメン420円」とでかでかと書かれた看板が見える。ニク肉ラーメン亭というふざけたネーミングはともかく一体この価格帯のチャーシューメンってどんな肉使ってるのだ。いちいちお値打ちをアピールするのが亀戸流。
ひたすら肉と酒しか出てこない亀戸の路地裏居酒屋街。まさに酒池肉林とはこの事かと気づいた訳だが、ふと気休めに脇道に入ると猛烈に小便の臭いが立ち込めている。
小便厳禁と注意されているのにそれでも小便臭いのは酔っ払いオヤジがそれだけ多い事の証だろう。看板を掛けてもイタチごっこである。新宿西口の思い出横丁みたいに店舗共用の公衆便所が見当たらないのも一つの要因だろうか。
居酒屋通りと明治通りを結ぶ狭い路地裏横丁「丸三飲食街」がひと際怪しく存在感を放っている。吸い込まれるように迷い込んでみた。
丸三飲食街の看板を釣られて路地に入り込むとまっすぐ歩くのも難しい狭い居酒屋密集ゾーンだ。完全に常連オヤジ向けの飲食店ばかりで素人には近寄り難い雰囲気が漂う。
亀戸ぎょうざの向かいには「おかまパブ笑いの大学」。事務所の入口みたいで飲み屋の玄関には思えないが、ニューハーフショーパブである。お姉さま方の平均年齢が高いぜ。
ニューハーフに限らず外人パブなんかも非常に多い。こういう店が目立つ街ってやっぱり総武線沿線らしいよね。
歌舞伎町という一大拠点が存在する東京西側とは対照的に、東京東側の歓楽街はあっちこっちに分散しまくっている印象がある。亀戸も錦糸町も小岩も、それぞれの駅前には安さをウリにする外人パブがやたら多い。
飲む・打つ・買うが揃う総武線沿線の下町には誘惑も多いのだ。
あと、野良猫がやたら多いのも亀戸の特徴である。これだけ飲食店だらけだと野良猫も食い扶持に困る事はなさそうだ。