肉食系下町「亀戸」 (2) 亀戸ホルモン

亀戸で有名なものと言えば、駅北口一帯にひしめく大量のホルモン屋の存在である。亀戸は何故か「ホルモンの街」として認知されていて、新旧店舗が入り乱れて客の入りを競い合っているのだ。

ホルモン屋だらけの亀戸では普通のチェーン店系居酒屋も少数派となってしまう。いかにホルモン焼きともつ鍋を扱う飲食店が多いか、実際に見て回ると実感できるであろう。日が暮れると赤提灯の明かりに街が包み込まれる。



亀戸駅の北口を出て駅前の広場を右に抜けた先からホルモン屋が乱立している光景を見る事ができる。「亀戸ホルモン」と名乗る店舗があちこちにあったり「初代」などと断り書きをしている店も見られるが、どれが元祖でどれが初代なのか見た目にはよくわからない。

ホルモン屋の他は怪しげなスナックやらカラオケ屋、もしくはフィリピンパブなど、総じて歓楽街的な店舗構成である。
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しかしホルモン屋以外の飲食店はやはり脇役に徹しているかのように大人しい。

極小規模の居酒屋や飲食店がビルの1階にひしめきあう「亀戸横丁」。ホルモンに限らず飲み屋の数は多種多彩。亀戸で食べる場所に困るような事はまず無いだろう。

昼間の明るい時期にやってくると思いの外廃屋と化した店舗が多い事に気付く。この辺も所謂「戦後のドサクサ」ゾーンなのだろうか。もしそうであってもごく自然な光景である。
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店の外側にも大量の七輪をスタンバイさせて店員が引っ切り無しに作業に追われている「ホルモン青木」。この付近は道を通りがかるだけでも身に付けている服に焼肉の臭いがこびりついてしまう。

少し奥まった路地に入ると亀戸界隈で最も入店が難しいと言われる「亀戸ホルモン」の店舗が見える。この店が亀戸におけるホルモン屋の中で代表的店舗であると言う事で、常に30分から1時間待ちの行列を覚悟しなければ肉に有りつく事ができない。

亀戸ホルモンの向かいに洋風居酒屋「民酒党」というでかい看板が立っている。これがいい目印になる。現政権の酩酊っぷりを暗に皮肉ったようなネーミング。
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なぜ亀戸だけでこんなにホルモン屋が密集しまくるのか、その理由の一つには皮革産業地帯である墨田区にも近いからではないかと考えられる。
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東上野のキムチ横丁のように焼肉の名所と言えば当然それなりの歴史的経緯があって、どのように成り立ったのか分かるが、亀戸が何故ホルモンの街になったのか、その事を調べてもなかなか有力な情報に有り付けない。
荒川を超えた先、葛飾区の立石も非常に上質なホルモンを安価に提供する店が密集しているが、皮革・食肉に精通する業者が多い墨田区を中心にもたらされている食文化がこの周辺の街にも影響しているのであろうか。

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