高輪といい芝浦といい、品川駅周辺の街並みは本当にクオリティが高い。浅草や上野は有名なのに品川はあまり注目されていないようなので、東京DEEP案内的には是非とも太鼓判を押しておきたいエリアだ。
東海道最初の宿場町「品川宿」がある北品川界隈から引き続きレポートしていきます。
品川区北品川に残る品川浦の船溜まりと古民家群、その背後にそびえる品川インターシティの超高層ビル群との対比を楽しんだ後は、再度旧東海道沿いに戻り、街道沿いに南へ散歩していこう。
海側から旧東海道方面には若干の上り坂となっている。これは昔、坂の前あたりまでが海岸線だったことを示していると言われる。所々段差が石垣になっていたりコンクリート壁になっていたりするそうで、それらの海岸線の痕跡を把握することができたらもはや品川宿マニアである。
街道沿いを歩くと所々でびっくりするようなレトロ建築があちこちに残っているのが見える。現役バリバリの「星野金物店」の建物に思わず目が行ってしまう。昔はホームセンターなんて店も呼び方もなく一様に「金物屋」と呼んでいたんですが隔世の感がありますね。
今度はパチンコ屋のような建物の看板部分に防犯・防災・税務署のスローガンが書かれた意味不明な店舗の廃墟がある。
今思えば、ケバケバしく街中に建つ家庭崩壊の元凶であるパチンコ屋が揃いも揃って警察の交通安全や防犯の標語を掲げているのが滑稽でならないんですが、この国は相変わらずですよね。
しかしこの建物が電波なのが、シャッターがわずかに隙間を残して閉めている、その下側から意味不明な文章が書かれた看板が顔を覗かせている所だ。
調べてみたら案の定「パチンコニュートップ」という店の廃墟だった(→詳細)店名の部分だけが看板から外されたようである。
街道沿いはしなびてはいるもののそれなりに商店もあり街らしい風情を保つ北品川の界隈だが、少し裏手に入ると古くから残る低層住宅群が密集する。
車も入れない路地にずらりと民家の玄関が並ぶ北品川の下町風景。
そんな傍ら、廃墟物件があちこちにあり街の放置プレイぶりが凄まじい。
品川宿の中心である品川本陣が置かれていたという「聖蹟公園」の裏手に廃墟と化したマンションの存在がある。
4階建ての中規模マンションといったところだが、廊下に沿った部屋の窓ガラスは尾崎豊の歌ではないが壊して回され、見るも無残な廃墟っぷりを見せている。
玄関ドアがぶっ壊されて中から大量の構造物が散乱している箇所もある。これは酷い。
中を見ると家財はほとんどなく、訳の分からない廃材が転がっているだけ。もうすぐ取り壊されるのだろうか知らぬが何故解体される前のマンションが囲いもされずそのまま放置されているのが怖い。
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ストリートビューを見ると、まだ1軒だけ布団を干している世帯が見られることから、最近までは人が住んでいたものと思われる。マンションの所有者に何か問題があったのか、それとも耐震偽装していたのか、大量のアスベストが見つかったのか、この物件が何故廃墟となってしまったのか詳細は不明。