今年2017年も相変わらずの恒例行事「成人式」が全国各地で開催され、またマスコミ御一同は「荒れる成人式」の画欲しさに北九州やら沖縄などに足を伸ばしては一生に一度の事だからと何をしても良いと勘違いして暴れ回るDQNを増長しておりますが、成人式でDQNが暴れるような土地には一生住む事もないので個人的には勝手にやっていれば良いと考えています。
ところでこの「成人式」という行事、人によってはしっかりと通過儀礼として受け止めている方々が殆どで、一方では成人式に一切参加せずに家飲みしている非リア充あたりが斜に構えて「馬鹿馬鹿しい、成人式なんてやる必要がない」と吐き捨てるような意見を述べる者もいて様々だが、実のところ「成人式発祥の地」というものがある。なんとあの「埼玉県蕨市」である。
成人式発祥の地はあのワラビスタン蕨市でした
蕨市と言えば京浜東北線で赤羽から3つ目にある「全国で一番小さな市」。しかも何故かクルド人難民がこの街に押し寄せ、蕨市民公園では毎年クルド人の祭りが開催されたり、長らく共産党市政が続き外国人や低所得者層に優しい街。駅前のネットカフェには住民票を置いて暮らすネカフェ難民がいるなど「難民」がらみの話題には事欠かず当サイトでも散々ネタにしてきた街ですが…
成人式発祥の地の銅像が蕨市役所近くにあるというのでまず駅西口から徒歩10分強のところにある蕨市役所前までやってきた。昭和39(1964)年築の市役所庁舎が未だに現役というあたり、さすが節約を重んじてカルデロンさん一家やネットカフェ難民や亡命クルド人の暮らしを慎ましやかに支えてきた共産党市政ゆえの事なのか定かではありませんが…
確かマツコの月曜から夜ふかしあたりで「蕨市はビンボーでカネがない」から駅前のタクシー乗り場のテント屋根に穴が空いたまま補修されず放置されている様子を映して弄られてましたよね。西口のこれです。今は補修されたようですが、蕨駅西口の駅舎も昔のまんまです。正直ボロいです。
合併話を蹴られ共産党市長になった蕨の独自路線
未だに全国最小の面積(5.11k㎡)を誇る蕨市だがこれまで市町村合併で消滅する機会が全く無かった訳ではない。川口市や旧鳩ヶ谷市などと合併して「武南市」になる予定で合併協議会も設置されていたのだが、武南市なんてダサい地名は嫌だと川口市が離脱して合併話がおじゃんになってしまったのだ。2004年の事である。
もっとも、人口の上では圧倒的多数で、せっかく行った住民投票でも票数最多だった「川口市」を新市名とする事を良く思わなかった蕨市側によって「武南市」の名称が推され鳩ヶ谷の議員にも根回しした事で合併後の名称が武南市に確定。これに川口側がブチ切れて「民意(住民投票の結果)を無視している!」と合併協議が決裂した、という話もある。一方、旧鳩ヶ谷市はその市名を捨ててとっとと川口市に編入。蕨は2007年に共産党員の賴髙英雄氏が市長選に当選。以後「埼玉の赤い彗星」として現在も慎ましやかに単独市政で頑張っている訳だ。
「成年式発祥の地」の銅像(なぜか裸婦像)
そんな蕨市役所のすぐ近くにある蕨城址公園。古くは南北朝時代に足利氏一門の武将・渋川義行が築城した蕨城の本丸跡地ということで由緒正しい場所には違いないのだが、この公園に隣接する蕨市民会館が毎年開催される成人式会場となっている。こちらも建物は昭和49(1974)年に建設された当時のまま。
蕨城址公園の一角に蕨市が「成人式発祥の地」である事を堂々と示す銅像がデデーンと凛々しくそびえている。それが何故「裸婦像」なのだろうか意味が分からないんですが、発祥の地である蕨市では成人式とは呼ばず「成年式」というのが正しい呼称。従ってこの像の台座に記されている文言は「成年式発祥の地」。
この銅像が建てられたのは公園や市民会館よりも一足遅れた昭和54(1979)年の事。蕨市制施行20周年、成人の日制定30周年を記念して設置されたと像の台座の裏面に書かれていた。なぜ成人の日発祥の地を記念する銅像として裸婦像を選んだのかという点については一切触れられていない。やけにずんぐりむっくりな中肉中背体型なところが妙にリアルですが。
蕨で第一回成年式(第一回青年祭)が開かれるまでの経緯も台座に記されている。簡単に端折って説明すると第二次世界大戦の敗戦による国の荒廃から立ち上がる為に、戦後日本の将来を憂えた当時の蕨町青年団長・高橋庄次郎氏(1995年没)により企画されたものだというのだ。この高橋庄次郎氏は後に蕨町長(市制施行後には市長)、埼玉県議会議員及び議長に就任する程の大役に就いている。
これまでワラビスタンだのネカフェ難民だの散々ネタにしている蕨市であるが市役所周辺は元々あった市街地で旧中山道の宿場町としてお上品な街並みも残っているし、成人式発祥の地である蕨市の「第71回成年式」が行われるのが明日1月9日である。発祥の地の成人式とはいかなるものか、御近所の方は散歩がてら見に行かれるのも良いのではないでしょうかね。
ところで、ワラビスタン生まれのクルド人二世の若者は成人式に出るのか?
ちなみに蕨に暮らしている亡命クルド人も最初の人々は90年代から日本に来ているので、今ではもう二世が誕生して、蕨生まれ蕨育ちのクルド人が成人を迎えているという状態で、彼らが蕨駅周辺でよくたむろしているのを見かけますが、彼らは成人式には出席…しないんでしょうかねぇ。