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大森駅西口 (2) 大田区山王・天祖神社

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大森駅山王口を出た正面の池上通り、商店街を両側に挟んで天祖神社の鬱蒼とした森が迫っているのが見える。
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高級住宅街・山王へ続く階段の途中に天祖神社の参道となる石段があるのだが、物凄く急な階段だ。創建年代も分からない古社だそうだが、こんな光景が駅の真ん前にあるというのが面白い。


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天祖神社へ続く石段をゆっくり登ってゆく。木漏れ日が照らしている鳥居や古い街灯は、街の真ん中に居ながらどことなく幻想的で別世界にいるかのような気分にさえなる。
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石段の途中、左側にある稲荷神社の脇には「鎌倉のよより明るしのちの月 景山」と書かれた句碑がある。昔の八景坂の様子をしたためたものだろうか。
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急な石段を転ばずに上り詰めると天祖神社の境内に続くが、さほど大きな神社ではない。境内も相変わらず森に囲まれている。
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小さな境内ながらも狛犬、手水舎は一通り揃えられていて手入れの行き届いた神社になっている。駅にも近い事もあってサラリーマンらしきオッサンが何人か休憩しているのが見える。
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手水舎の前に立つと、森の向こうから駅前商店街のバラック建築がかすかに見えてくる。神社の上からすると、商店街まで結構な高低差があるのが分かる。
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神社境内から外れるとすぐ崖下のバラック家屋の屋根が広がっている。なかなかスリリングで面白い。さらに池上通りを挟んだ線路側は一転して谷底の飲食店街、通称「地獄谷」となっている。大森駅山王口は東京の地形の面白さを簡単に理解出来る場所と言えよう。
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神社境内にあった休憩ベンチ。背もたれの「お買物は地元 大森駅山王口商店会へ」と書かれた看板が錆びたまんま放置されていて見た目にヤバイ。ちょっとした児童公園も併設されており、鉄棒などの遊具もある。
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神社の脇から山王方面の出口に通じている。自転車が入れないように車止めが置かれた先に、腰の高さほどの鉄柵に囲まれた物々しい祠が残っている。天祖神社の庚申塔で、御本尊は崖下に掘られた洞窟の中にある。洞窟があるとは気づきもしなかったが。
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神社の脇は大森駅前から山王の高級住宅街に続く階段歩道となっている。大田区の下町ゾーンばかりを見てきた我々からすると見当違いにお上品な方々が住んでいる街だ。なんで金持ちは高台に住みたがるのだろう。
大田区の「山王」は成り上がり者のステータスシンボルである田園調布と違って、古くからの伝統あるセレブタウンだといった趣きが強い。これがもし大阪市西成区の山王だったら飛田新地なんですが同じ地名でどえらい違いますね。
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この階段歩道に沿って、馬込文士村の文士達を紹介するレリーフが随所に掲げられている。
荏原郡馬込村の時代、明治から大正期、戦前に掛けてこの付近に数多くの文士・芸術家が暮らしていたと言われる名残りだ。北原白秋、川端康成、山本周五郎、宇野千代、三島由紀夫など、かなりの数にのぼる。
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さらに、事細かに記された馬込文士村の歴史年表まであってなかなか見所がある。
しかし「昭和3年 文士たちの間で浮気や離婚が相次ぎ、住人の引越しや入れ替わりが頻繁になる」と書かれているのには笑ってしまった。容赦なく明け透けにスキャンダラスな一面が書かれているのが意外。
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そのうちの一つ、尾崎士郎・宇野千代夫妻のレリーフ。
「二人が夫婦であった頃」か…
昭和初期の日本と言えばまだまだ家社会・ムラ社会の封建的価値観の中にあって、恋愛結婚なんてあまり現実的な話ですらなかった時代に、馬込文士村の住人はさぞかし自由を謳歌していたかのように思える。自由な価値観だからこそ文学が生まれるという事であろうか。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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