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フランス人街と石畳の路地裏「神楽坂通り商店会」

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先日、東京大神宮へ行く為に飯田橋に寄った。JR総武線に地下鉄線が四路線も入り組んだ比較的交通の要衝といった場所だが、案外街を歩くきっかけに乏しい場所だったりする。
右翼デモが香ばしい靖国神社や左翼デモが香ばしい法政大学とかがあって外濠から内側一帯は何気に濃ゆい物件が揃っているが、反対側はあんまり見ていなかった。
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JR飯田橋駅西口を降りると、そこは外濠に架かる牛込橋の上。そこから外堀通りを越えた先に神楽坂通商店会が見える。


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神楽坂と言えば赤坂と並ぶ料亭街だったり、なぜかフランス人がたむろしている店があったりと非常にハイソな空気が漂う場所だが、坂の下あたりはパチンコ屋やゲームセンター、それに漫画喫茶まで点在していたりして大衆向きな匂いがする。
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それほど道幅も広くない商店街だが、歩道も狭い上に車道には車がガンガン通り抜ける。なんだか狭苦しい印象を受ける訳だが、この神楽坂通りには全国的にも珍しいという「逆転式一方通行」の道路になっていて、午前中は神楽坂上から神楽坂下まで、勤め人がランチタイムに闊歩する昼12~1時まで歩行者天国、午後から夜12時まで逆方向と、随分時間帯によって細かい通行規制が敷かれている。
この珍しい通行規制、目白の豪邸に住んで国会議事堂に車で通っていた田中角栄の「鶴の一声」で決まった仕組みだという噂が有名である。
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坂の途中から分岐する「本多横丁」。神楽坂界隈では最も飲食店が密集する一帯だが、先程までの庶民的な空気はどこへやら、妙に小洒落た酒場が多いのはフランス人が多いからなのか。
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本多横丁の解説。どうやら戦災で戦前の建物は焼失しているらしい。
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この辺から石畳の路地が現れるが、全て戦後に作られたものだ。どこを見回しても大人びた風情で、コリアタウン化した赤坂とは全く違う趣きがある。
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神楽坂は昔からフランス人コミュニティの活発な街だといい、現在もフランス人がたむろしているフランス料理店が数多い。街を歩いていてもあっちからこっちからフランス語が聞こえてきたりする。
日仏学院があるからだとか、パリのモンマルトルに街並みが似てるからとか、色々言われている。東京の東側なんぞ中国人コミュニティだらけですが、所変われば品変わるとはよく言ったもの。ちなみにフランス大使館は全く関係のない港区南麻布に所在している。
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神楽坂通りに戻り、もう少しだけ緩やかな坂を登ると先に朱塗りの本堂が際立つ善国寺が現れる。
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善国寺から通りを挟んだ向かいから、料亭街らしく石畳の路地が始まる。さっきまでは俗っぽい街だったが、坂の上に登ると高級そうな飲食店や料亭ばかりとなり雰囲気はがらりと変わる。
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神楽坂通りの裏手に入ると狭い路地に古い日本家屋がひしめきあい、まるで京都の路地裏にでも迷い込んできたかのような錯覚に陥る。こんな風情の有る場所が東京の片隅にもこっそり残っているのである。まあ料亭街だからという事だろうが、用事もなければ来る場所でもないだけに意外な発見だった。
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日本家屋の多くは、控えめに屋号を掲げている、いかにも格式の高そうな料亭ばかりだ。赤坂や向島などと並ぶ、東京でも歴史の古い花街の一つだが、街全体が昔の名残りを留めているという点では神楽坂は一歩抜きん出ている。
寛政年間に善国寺が当地に移転して以来、善国寺周辺に出来た茶屋が花街の原型で、現在でも何軒かの料亭が路地裏にびっしり残っている。
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もはや迷路かと思うほどの石畳の路地だが、面積はそれほど広くはない。少し外れると無機質なマンションやオフィスビルが密集しているいつもの東京の風景が遠くに見えるのだ。
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再び神楽坂通りへと続く、家と家に挟まれた路地の石畳は特に古いまま残っていた。その途中には何故かパチンコの景品交換所が…
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路地をさらに奥へ進むと、石畳は途中でわずかな階段となり、その下はまたしても高級そうな料亭が立ち並ぶ独特の空間となる。兵庫横丁と呼ばれる。
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路地は鈎状に折れ曲がり、その先に旅館和可菜の看板が見える。山田洋二など著名な脚本家が物書きの仕事をするのに捗るという事で過去に何人も訪れているという、ある意味有名な旅館と有名な路地裏風景が見られる場所。やっぱり、まるで京都みたいだ。
ちなみに東西線に神楽坂駅があるが、駅を降りると神楽坂上交差点のさらに先のビミョーな場所で全然見当違いである。神楽坂通り界隈に訪問の際は飯田橋駅の方が近い。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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