オウム真理教東京総本部が入居していた南青山「旧マハーポーシャビル」が解体され始めた件

1995年3月20日に発生し、日本はおろか世界を震撼させたカルト教団・オウム真理教による無差別テロ「地下鉄サリン事件」から20年の節目を迎えた訳ですが、当取材班はふと思い返して、オウム真理教がかつて「東京総本部」として一棟まるごと教団施設にしていたビルが存在した港区南青山七丁目を通りがかった。

港区 南青山 表参道

港区と渋谷区の境目に位置する「東四丁目」交差点の角。オウム真理教入居当時「マハーポーシャビル」と名付けられていたそのビルは、現在もそのままの姿で形を留めていた。しかし何か様子がおかしい。ビルの前で慌ただしく作業をしているヘルメット姿の兄さんが何人もいるわ、ビルの前には警備員のおっちゃんも立っているわ…

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よく見るとビルの外壁には足場が組まれ始めているではないか。これはもしや…と思ったのだが、どうやら「ビルの解体」が決まり、まさしく解体作業が始まるところであった。この20年の節目に、タイミング的には絶妙すぎやしないだろうか。

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ビルの一階玄関部分には、解体作業を知らせる張り紙がいくつか貼られていて、既にテナントも全て退去済み。もはやこれが最後の見納めか…

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そして今も記憶にびっしりこびりついている、オウム真理教幹部・科学技術省大臣、ホーリーネーム「マンジュシュリー・ミトラ」正大師こと村井秀夫氏が、マスコミ報道陣のカメラが集まっていたこの場で自称・右翼構成員の在日三世・徐裕行氏によって刺殺された事件。徐氏は懲役12年の実刑判決を受けた後に旭川刑務所に収監、2007年に満期出所。現在はトークイベントに出演したりブログを運営していたりと文化人的な立場になっている。

港区 南青山 表参道

現在解体作業が進められているオウム真理教東京総本部が入居していた旧マハーポーシャビル、5年ほど前に一度様子を見に行った時の写真が残っていた。今と比べても殆ど風景は変わっていない。しかしどの最寄り駅から1キロ以上あり、不便極まりない。駅は渋谷か表参道か、広尾か恵比寿のいずれかになる。

港区 南青山 表参道

このビル、1991年築、地下1階、地上5階建てのテナントビルで、オウム真理教東京総本部が2階と3階に入居し、4階、5階に関連会社が、1階にはパソコンショップの「マハーポーシャ」が、地下1階にはやはりオウム真理教直営の喫茶店「アンタカラ」が入居していた。

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サリン事件・麻原逮捕後、教団が破産宣告を受けた1996年3月にオウムが退去して以降、テナントの入居は振るわず、4階と5階に入居者が居ただけで、他の階は全て空きテナントのまま放置され続けていたという。最寄り駅から遠い場所にあって地の利が悪い上にオウムの悪印象を拭う事ができない、筋金入りの「事故物件」でもある。

港区 南青山 表参道

地下1階から3階まで4フロアー分、まるごと「FOR RENT」「テナント募集中」の看板がずっと掛かったまんまになっていた。ビルのオーナー的には踏んだり蹴ったりだろうね。辛うじて入居していたテナントの契約期間が満了した事で、タイミング的に解体を決めたとの事。サリン事件から20年の節目というのは「たまたま」だった。

港区 南青山 表参道

教団の拠点施設だった南青山のビルも消えてしまう事になったし、今後ますますオウム事件への世間の記憶は薄れていく事だろう。現在、後継団体の「アレフ」「ひかりの輪」の2教団には、事件を知らない20代の若い世代を中心に入信者がどんどん増えていると言う。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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