【祝・人口60万人】埼玉の無法地帯タウン「西川口」の中華街化がさらに加速している件【移民の街川口市】

先日、埼玉県川口市の人口が60万人を突破した事が報じられている。拙著「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街において「住みたくない街ランキング第3位」として槍玉に挙げた、あの埼玉の無法地帯タウン「西川口」があるガラの悪い街だが、一般的な通勤リーマンにとっては東京都心から片道30分以内で荒川を越えるだけで割安な家賃相場の物件に手が届く街なのだから、人口増加が捗るのも無理はない。しかし増加した人口の内訳を見ると、2011年に吸収した旧鳩ヶ谷市の6万人が水増しされている上に、残りは外国人移民ばっかりじゃねーのかというネット民からの冷めた意見もある。

そしてまた懲りずにやってきた西川口。前々からしつこくお伝えしているが、かつては「NK流」という言葉が象徴するような関東屈指の裏名所だったこの西川口が近年中国人を始めとする外国人移民タウンとして急激に発展している。特に多いのが中国人で、駅周辺には中国人経営の中国人しか相手にしていない食い物屋がやたらと増えているのは前回2016年のレポでもお伝えした通りだ。さらに今年2018年初頭の西川口はより激しい「進化」を遂げていた…

エキナカにまで中国惣菜店が爆誕するリアルチャイナ西川口

西川口の変化は既に改札を降りた目の前のエキナカ商業施設から始まっている。以前はガラガラスッカラカンで撤退店舗の残骸が痛々しく残っていた「ビーンズ西川口」もいつの間にか新しくリニューアルして随分まともな様相になっているのだが…

3階の惣菜店フロアの一角に「油条」(中国揚げパン)、「豆漿」(豆乳)を売る上海惣菜店「軼菁亭」(いじんてい)なる店舗が、これもいつの間にやら爆誕していた件。中国惣菜専門で充分客が取れるほど中国人が多い街だという証左か。しかしこの店、本拠地は西川口ではない。リア充の巣窟吉祥寺で中華料理店を経営していて、阿佐ヶ谷駅構内のビーンズ阿佐ヶ谷、川崎駅前のラゾーナ川崎プラザでも店舗を構えている。

特殊地帯として栄えていた一昔前の時代なら「西川口に住んでいる」というのを人に話す事自体が憚られるような感覚でもあったし今でもあらぬ誤解を受けがちなエリアである事は間違いないが、通勤利便性の良さだけを見れば背に腹は代えられず魅力的にも映る事だろう。不動産業界はそんな首都圏住みリーマンの懐具合をよく知っている。西川口駅東口の一角にもマンション絶賛建築中。3400万円台から住める駅前一等地物件で既に”第1期1次 即日完売御礼”とある。

街行く人々ももはや外国人の方が多いのではないかとも思える西川口駅東口にもリアルチャイナ飯の名店がちらほら。上海焼き小龍包の「外灘」(ワイタン)も西川口住みの中国人には定評のある店舗の一つだ。

こちらは持ち帰り専門店で、カウンター越しに店員のおばちゃんに注文する方式である。名物の焼き小龍包以外にもラーメン、豆漿、油条、麻辣湯といった中国飯が豊富にある上、手前の冷蔵ケースの中には麻辣鸭脖も売られている。ここの店員は日本語もペラペラなので、生粋の日本人でも何ら臆する事はない。

特殊なお風呂屋さんの営業地域がある西口と比べて若干地味な印象のある駅東口だが、こちらも中国人向けの中華物産店が何軒も点在していて、昔からある並木商店会の永興マートに加え、こちらの西川口陸橋交差点近くの永安など、以前よりも明らかに増えた印象がある。

そこいらのマンションの一階部分とか雑居ビルにも全体的にスナックやピンパブがやたらと多い西川口だが、蕨駅西口にある1000円でカラオケ&食べ放題サービスをやっているコスパ最凶な親父の溜まり場「くいっく」がここにもある(昼はドリンク飲み放題だけらしいです)かと思いきや、その隣もまた中国料理店だもの。

並木商店会の入口に建つこちらの雑居ビル、中国人向け不動産屋や外国人向け免税店などが入居する光景も以前は目にしなかったものだ。2018年4月からいよいよ中核市に移行する川口市、こうして外国人人口を着々と増やし続けているのであろうか。

”ポッポ”の跡地に中華餃子屋が入居するリアルチャイナ西川口

西川口駅西口から徒歩5分、西川口駅前では数少ない大型スーパーの一つ「ザ・プライス西川口店」。貧乏人が多い地域限定で露骨にモデルチェンジしたヨーカドーの廉価バージョン店舗であるが、ここも非常に外国人住民の買い物客が多い。隣の蕨駅前のザ・プライスは潰れたがこちらは健在。

このザ・プライス一階食品レジ横のフードコートも容赦なくリアルチャイナ化しているのである。「香港飲茶 吉時餃子」…まさかヨーカドー系列のフードコートまでこのような店が進出するとは、西川口がどれだけ本格中華タウンなのか、その底力を思い知る。

店内の壁に貼り付けられた中国風味なナイアガラ風の滝の絵がこれまた異国情緒を漂わせるが、よくよく見ると貧民地帯のヨーカドー店舗には高確率で存在する激安ファーストフード店「ポッポ」の居抜き店舗である事に気がつく。つまりポッポよりも中国餃子の方が儲かる、それがセブン&アイグループが西川口という街に下した判断であろうか。だが店内客はまばらで、持ち帰り客の方が多い。中国人は自宅でのんびり飯を食うのが好きなようだ。

餃子以外にも中国人の大好物である麻辣湯なんかも適当に扱っている、まさに現地人向けの大衆的中華フードコートなのであるが、画一的な店舗構成のイメージしかないヨーカドー系列店の中でこのテンションなんだもの、違和感バリバリで逆に面白くてしょうがないです。

そんな「吉時餃子」で頂く肉汁蒸し餃子5個入り定食。450円(税別)という良心的価格で、埼玉ローカルぎょうざの満洲も太刀打ちできないお値段異常っぷり。ドカチン労働者の多い埼玉ですので”炭水化物オン炭水化物”メニューは食べ慣れていて全然OKなのである。米は若干パサつき気味だが餃子はさすが本格派。旨い。

さらに吉時餃子でプッシュしている「東北特色砂鍋米線」も追加で食らう。一言で言うと本格中華鍋ラーメンといった所だが、これも容赦なく辣油が打ち込まれていて見るからに辛そう。具材を適当にぶち込んでもらって豪快な見栄えでやってくる。ちなみにこれは具材全部入り「極品ミーシェン」、1000円と若干値が張る。

中国東北地方の巨大鍋料理が食える「滕記熟食坊」

ザ・プライス西川口店近くの韓国食品店の隣に派手派手しい看板を掲げて営業している「滕記熟食坊」もまた現地風味が容赦ない。ここは中国東北地方(黒竜江省)の名物料理である「鉄鍋炖」を主軸に、中国人好みの食い物を多数揃えている。

夜はいつも繁盛していて入店をためらっていたが、昼間ならガラ空き状態なので昼飯ついでに入店。店内には自前でこしらえたコンクリ製のテーブルに巨大鉄鍋が据え付けられ、テーブルと鍋が一体化している。店員は全く日本語が話せない男性と、割と日本語が話せる女性もいる。

客の殆どが中国人なのはもちろんだが、メニューも中国語でしか書いていない。日本語が話せない店員しか居ない場合は、指差しでオーダーするしかない。鉄鍋は数種類あり、一部を除き全て4680円(税込)。ボリューム的にも3人以上で来るのが望ましい。

中国語が不勉強なゆえ何がどの料理なのかよく分からなかったので、日本語が話せない男性店員にオススメを聞いてやってきたのがこちらの「东北农家炖」(東北農家鍋)。読んで字のごとく、中国東北地方の農家が食らう鍋料理ということか、豚の骨付きアバラ肉(排骨)とじゃがいも、かぼちゃ、そら豆、白とうもろこし、という安そうな具材がてんこ盛りである。

具材をそのままテーブル中央の鉄鍋にぶち込んで、秘伝のタレ?を入れた後に木蓋で閉め、後はぐつぐつと煮込んで食材がしんなりするまで待つ。鍋の縁にインドのナンのように貼り付けられたとうもろこしの蒸しパンも同時にしんなりして食べごろになる。

味は、まあなんというか、肉じゃがっぽい家庭的な味ですね。そら豆がビジュアル的にアクセントになっているが、中国東北地方の農家が食べる鉄鍋だけのことはあって、決して派手な料理でもない。あと、モチモチした食感のある白とうもろこしが意外に美味である。

レジ前には大量の中国惣菜も。人気の麻辣鸭脖も多彩にあり、持ち帰り客が頻繁に買いに来る。日本語が達者な女性店員に中国のどこから来たかと聞いたら「黒竜江省、ハルビンからです」と返答が。「冬はマイナス30度になりますよ。(西川口は)とても暮らしやすい、いい街です。冬も暖かくて」とも。そりゃそうだよな。

首都圏(中国人が)住みたい街ナンバーワンの西川口

取材終了後、冒頭の中国惣菜店で買った油条、豆漿、小籠包、諸々の中国惣菜をつまみに晩飯を食らう。これまで首都圏のチャイナタウンで知られていた池袋や新大久保とは違い、家賃も割安で通勤便利、おまけに故郷の料理が毎日お安く食える、そんな西川口を選ぶ中国人は着実に増えている。移民の街・川口市はこれからもますます進化を遂げるだろう。

※2018年1月6日(5日深夜)、テレビ朝日「タモリ倶楽部」で西川口の新中華街ネタが放送される予定。一般的な認知度が高まること必至である。当サイトも近日、西川口新中華街レポを増量予定です。

軼菁亭 ビーンズ西川口店

営業時間 [月-日]10:00-22:00 元日以外年中無休
埼玉県川口市並木2-20-1 ビーンズ西川口 3F

埼玉県川口市並木2-20-1

外灘

営業時間 [月-金]15:00-23:00 [土・祝]12:00-23:00 日曜定休
埼玉県川口市並木2-19-1

埼玉県川口市並木2-19-1

香港飲茶 吉時餃子

営業時間 ザ・プライス西川口店の営業時間に準ずる
埼玉県川口市西川口2-3-5 ザ・プライス西川口店 1F

埼玉県川口市西川口2-3-5

滕記熟食坊

営業時間 [月-日]13:00-24:00 月曜定休
埼玉県川口市西川口3-30-12

埼玉県川口市西川口3-30-12


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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