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人面石に取り憑かれた男の執念の結晶「秩父珍石館」 (1)

再び訪れた埼玉のチベット秩父。良質な石灰石が採れ、セメント産業のシンボル的存在として長らく街を繁栄させた武甲山がそびえる秩父の街の片隅に「石」に取り憑かれた男の生きた証がある。その名も「秩父珍石館」。
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秩父市上影森の何の変哲もない住宅地の中に佇む個人宅の離れのような建物の中に、館長個人が50年かけて集め続けたと言われる「人面石」の数々が展示されている。
既にテレビや雑誌にも方々に取り上げられているので有名っちゃ有名だが、一度は訪れてみようという事で突撃してきた。


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っていうか玄関口には館長夫妻とオードリー春日が映った写真がのっけから貼りつけられていて笑ってしまった。そういえば春日は所沢出身だった。「埼玉観光大使」と書かれたたすきに二度笑う。
我々東京DEEP案内取材班も観光不毛の地と常々言われる埼玉県を盛り上げて参りたい所存であります(笑)
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中に入ると御年八十過ぎと見られる館長夫人が受付に座っていた。年齢を感じさせない健康そうな婆ちゃんに入場料400円を払い館内へ。1階部分にも早速人面石の数々が展示されていた。
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2階展示室に上がる階段の途中にも「タモリ倶楽部」の手拭いがこれ見よがしに飾られている。隣に番組企画書がご丁寧に貼りつけられていたので分かったのだが、2003年にテレビ出演した時のもの。
空耳アワーに投稿しなくてももらえるんだこれ。
何気にメディア露出度が高い珍石館。
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ちょうど暇にしていたのを良い事に受付の館長夫人にお話を伺ったのだが、実は館長である羽山正二氏は2010年10月に逝去されたそうだ。享年89歳。この羽山氏が半生の中で集めた珍石コレクションを展示しているのが珍石館なのである。
館内の写真撮影は本来禁止だが夫人に「まあ大丈夫でしょう」と特別に了承を得られたので、遠慮なく館内の様子をレポートしたいと思う。
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まず最初に見て欲しいのが、羽山館長が珍石収集を始めるきっかけとなった「神童(かみのわらべ)」なる人面石である。3000万年前の堆積岩らしく、灰色の泥岩の中に黒い砂岩が取り込まれており、その中から貝の化石がちょうど目と口を描くように露出しているという奇跡的な人面石だ。
その傍らには「神童」のレプリカに作られた「人面石くん」が置かれている。
珍石館グッズとして「これは売れる!」と確信した羽山館長が勢い余って千個ほど作っちゃったらしいが全然売れなくて困っていた所を某テレビ番組のキャラとして出演された事がきっかけで徐々に売れるようになったとか。やっぱりメディア露出度高いなオイ。
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で、館内には羽山館長のコレクションである人面石の数々がこれでもかと展示されまくっているのだ。一部、芸能人や政治家の名前が書かれたプレートが置かれているものもあるが、こじつけかよと笑ってしまうものも多い。
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あまつさえマリリン・モンローは服にスカートまで履かせてしまっていて無理矢理っぽさが漂っている。それよりも隣の「子供を抱いているお母さん」の石がリアルにオカルトチックで背筋の寒い思いがする。
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さらにアニメキャラコーナーも。おばけのQちゃん…
このコレクションを眺めているだけでも、河原で人面石集めに夢中になっている羽山館長の姿が思い浮かぶ。これはアレに似てるなぁ…などとニヤケ顔でつぶやきながら。
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しまいにはタイガーマスクにデストロイヤーまで…何も匿名で寄付するタイガーマスク現象ではないが、羽山館長が夢のお告げにより「人面石を集めなさい」と言われた事をきっかけに、珍石館は開館以来館長自身が河原で拾ったものに加え全国各地から人面石や珍石が寄贈されるなどしてコレクションを増やしてきた。
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帽子を被っただけの「ロシア娘ナターシャ」は羽山館長がシベリア抑留時に出会ったというロシアの女性に顔が似ているらしくそう名付けたとか。石の一つ一つにも男の人生が染み付いているかのようだ。うーん、奥が深いな。
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是非館長本人が存命であればと思うが、人の寿命は自分自身で決められるわけがない。もう少し早く来れていれば…と言っても後悔先に立たず。その代わり控えめな性格の館長夫人に少しばかり話を聞く事が出来たのでよかったのだが。
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ちなみに秩父珍石館に隣接して「岸和田ずし」という料理屋も併設されている。寿司に加えてうな重やら各種料理も揃えてあるので、珍石館訪問の際にここで昼食を取るのもよかろう。
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しかしなんで秩父なのに料理屋の名前が岸和田なのか気になったが、珍石館館内に大阪の岸和田城の写真が…
あとで話を聞いた所どうやら料理屋は婿夫婦が経営している店らしく、婿さんは岸和田からやってきた方だとか。なるほどそうだったのか。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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