下町系巨大ターミナル・上野駅にも程近い御徒町の一角、地下鉄日比谷線仲御徒町駅前一帯に紫色のビルばかりが立ち並ぶ異様な空間がある。
その紫色のビル群は全てが総合ディスカウントストア「多慶屋」の建物である。御徒町でしか見る事のできない存在。そして下町貧民の心強い生活の味方としてどっしりこの地に根を下ろしている。
地下鉄仲御徒町駅の3番出口を上がると目の前が多慶屋本館。あまりに大勢の買い物客で身動きが取れない事もある。
なぜビル全体を紫色に塗り潰してしまったのか。コーポレートカラーであるという説明は納得できるのだが、これはやりすぎである(笑)
しまいには自販機まで紫色に染め尽くしてしまう執念が凄い。
だがこの紫色のビル群に大量の下町貧民が喜び勇んで買い物に訪れる姿を目の当たりにすることで合点が行く。
同じく「激安の殿堂」と名乗るディスカウントストア・ドンキホーテに非常に構図が似ている事に気が付くのだ。パチンコ屋ライクな原色系多用のドンキホーテはDQNホイホイだが、坊さんの袈裟の色をイメージする紫色の多慶屋は見事なジジババホイホイとなっているのだ。
多慶屋のビルの横を見て頂ければ、買い物がひと段落して休憩中のオッサンオバハンが紫色のマークが入った多慶屋のビニール袋を手にずらりと座り込んでいる姿を見る事ができる。もはやタケノコ族ならぬ「タケヤ族」と言えるべき光景を見せているのである。
場所柄、時折タケヤ族に紛れてホームレスも混じっているがこれもご愛嬌である。
多慶屋の店舗は仲御徒町駅前にある本館A棟・B棟の他にも8店舗あり、その全てが紫色で染めつくされている。なかなか壮絶な光景である。
近年では下町のジジババ常連客に加えて、上野周辺を観光に訪れる中国人・韓国人の客が増加してますますカオス具合に磨きが掛かっているのだ。
多慶屋ゾーンと化している路上は買い物客が溢れ返り、前を通り過ぎるのも結構面倒臭い程の混雑を見せる。よくこれだけの状態になっても営業を続けていられるものだと感心してしまう。道交法の問題とか、万引きの対処とか、一体どうしてるのかと。
あまりのカオスっぷりに息も絶え絶えになって近所の「御徒町公園」に避難するも、その公園すらも買い物休憩中のタケヤ族に占拠されていたのだ。ひえ~。
御徒町以外ではどこにも存在しない名物ディスカウントショップ「多慶屋」。実は私も時折菓子などを買いに来る事があるが、店内(特に本館食料品売場)のカオス度はドンキホーテの比ではない。戦地に赴くくらいの覚悟を持って買い物に行くが良い。
多慶屋オリジナルコーヒー
>佐竹商店街編へ
>御徒町駅前編へ