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文京区の高級住宅街・小日向台町

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茗荷谷駅からしばられ地蔵や拓殖大学、廃墟団地「清華寮」などを過ぎて坂道を登っていくと、その先は「小日向台町」となる。住所は同じ小日向だが、日本で指折りの文教地区である文京区の高級住宅街の一つである。

住宅地の中に掲示されている地域の案内図を見てみると、西側を音羽谷、東側を茗荷谷に挟まれた形で高台になっている辺り、小日向二丁目を中心とした一帯が所謂高級住宅街である。



しかしよく見てみると、こうした住宅地ほど無駄にコインパーキングに化けていたりするのが昨今の事情であるようだ。

まあ、高級住宅街とは言っても田園調布三丁目ほど極端な訳でもなく普通に古い住宅も混じっているので、雰囲気は非常に地味で大人しい。

茗荷谷界隈も古い街なので、何気に暗い歴史を残す場所もある。小日向台町の東端には「切支丹屋敷跡」を示す石碑が建っている。切支丹屋敷というのはそのまんまキリスト教徒の屋敷という意味ではなく、江戸時代にキリスト教を弾圧した当時の幕府の指示で作られた「牢獄」の事である。
ちなみに地下鉄丸ノ内線が走る方向に抜ける坂には「切支丹坂」という名前が付けられている。

さらに古い住宅街が密集する中を進む。途中でこんな狭苦しい抜け道があったので、思わず通らずには居られない。

裏道を通り抜けると唐突に現れたのは児童公園と幼稚園だった。
そういえば幼稚園で思い出したが、文京区と言えば「お受験」の為に家族総出で必死こいて物心もつかない小さな子供を受験戦争に駆り立てる変な金持ち(ある意味DQN)が集まる土地である。

この近所の護国寺境内にある音羽幼稚園を舞台にした「お受験殺人」はメディアにも騒々しく報道され有名な事件である。逆に文京区に住んでいて「お受験」させなければ近所に白い目で見られるなどと言われるし、文教地区特有の問題を孕んでいる。

小日向台地、小石川台地、関口台地、雑司ヶ谷台地、白山台地、本郷台地…日本随一の文教地区にある細かな高台で形成された高級住宅街の文化的孤島はそこに住む人々の心に高みに立ったようなある意味の優越感を持たせ、人によってはその高みのあまり精神を崩壊させてしまう事もあるかも知れない。
お受験殺人を引き起こす狂気を孕む精神的ストレスは如何様に壮絶なものなのか。根っからの下町育ちの東京DEEP案内取材班には理解不能である。

しかしそんな事を考えなければ素朴な都市風景が広がる、良好な住宅街にしか見えないのだが。そこで暮らす子供達はただ無邪気でしかない。

そして小日向台地の西端まで来ると、今度は音羽谷に掛けて急激な坂道を下る事になる。特に「鼠坂」と呼ばれる坂道は、目前の音羽谷までほぼ直線で急坂と階段のアプローチが続き、上から見ても下から見ても風景が圧巻だ。

そんな鼠坂を下らず、左側に続く細い路地に入ると、そこは音羽御殿とも言われる鳩山会館の裏手。やけに警備が手厚い家があったので何だと思ったら表札に鳩山とあった。恐らく親族か関係者の敷地だろう。

その先のでかい洋風建築が鳩山会館。大正末期、鳩山一郎氏の時代に作られた豪邸だが、記念館として一般公開されているのは有名(入館料500円が必要)。裏から見ると真ん前に建物があるが、入館者は音羽谷の下から延々と坂道を登らされて、華麗なる一族の邸宅の壮大さを身を持って体感出来る。
この間、わずか8ヶ月で首相を辞任した鳩山一郎氏の孫の事はさておき、裏から見ても立派な豪邸だ。

そんな鳩山会館の裏手に野良猫が住んでいた。猫の暮らしは貧富の差も学歴社会もあんまり関係なさそうである。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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