JR茅ヶ崎駅南口を降りて南西方向の路地に進むと「サザン通り商店街」というそのまんまなネーミングの商店街がある。茅ヶ崎=サザンというのは周知の通りなので改めて説明するまでもないが、色々とオモロい事になっているので散策してみる事にする。
商店街の入口にいかにもな看板が置かれているので嫌でも目についてしまう。
「ここがうわさのサザン通り」あちゃー。
昔は海岸通りと呼ばれていたらしいが、市の公募でこの名前になって以来、正式名称もサザン通りになってしまった。
雄三通りといい茅ヶ崎市民にはミーハーが多いのか。
サザン通りの名前だけは知っていたが、実際にやってくると栄えているのかいないのか分からない微妙な佇まいのくたびれた商店街だった。もっと海の匂いとかしないのだろうか。微妙。
所々廃墟化した商店も見られるサザン通り。
この商店街を真っ直ぐ突っ切ると、やはり茅ヶ崎海岸へと抜ける事が出来る。
この茅ヶ崎海岸も「サザンビーチ」と呼ばれていたりする。徹底してるよなあ。
商店街にあるスナックの名前だけが、海の匂いをかすかに感じさせていた。
ただの寂れた商店街かと言えばそんな事はなく、商店街の各所にサザンオールスターズの曲が流されている。原曲そのまんまじゃなくて、オルゴールバージョンですな。
そんな商店街を歩いていると、道中にいきなり「茅ヶ崎サザン神社」なるものが…
いくらサザンゆかりの地とは言っても神社まで建ててしまうとは、この熱の入れようは半端ないですね。それはいいが潰れた商店跡に入居しているという有難味のなさそうな風情がネタ臭さを醸し出している。
3年くらい前にサザンオールスターズ結成30周年を記念して商店街の方々が「ノリ」で作っちゃった神社だとか。
サザン神社の横の壁にも看板が掲げられている。SAS、サザンオールスターズ、じゃなくて「サザン通りはありがとねの商店街」。笑点の大喜利かよ。
すごく本格的に作りこまれたサザン神社の看板。どっかの神社の写真をフォトショ合成したのだろうか(笑)左隅の方に小さく「パロディーなので」と断り書きが入っているのがお茶目。
凄くご立派なサザン神社の境内。神社の写真が大きく引き伸ばされた巨大ハリボテ写真に脱力。やっぱり主祭神は桑田佳祐か?茅ヶ崎の商店街にとっては生き神様扱いである。食道がんを患って歌手人生に重大な局面を迎えている生き神様にひとまず祈願でもしておけ。
桑田佳祐の食道がんが公表された2010年7月以降は「参拝者」の数が急増して、生き神様の復活祈願に訪れる人々の姿が絶えないとか。
ただの商店街のギャグで作られた神社だが、それでも全国からサザン教信者が集まるそうで、絵馬掛け場を模したこんな祈願コーナーまで。
サザンと湘南に憧れて茅ヶ崎に引越してきたらしいファンの記念カキコがここにも。入れ込み過ぎだろ。
全国のファンに拝まれながらも当のサザンオールスターズは2008年より活動休止している。
サザン神社だけがやたら存在感を放っているサザン通り、でも神社を過ぎると再び寂寥感満開の風景が延々と続くのだ。津波のような侘しさに怯え泣き濡れて慕情、嗚呼無情な商店街。サザンで街おこし…という程力強くはなれないようだ。
そんなサザン通りを後にして、茅ヶ崎海岸まで歩いて行く事にした。駅から海岸まではサザン通りでも雄三通りでもおおよそ徒歩20分くらい。思っていたより遠い。
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