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東京DEEP的「江ノ島」の歩き方 (8) 江ノ島岩屋

江ノ島に上陸して江島神社を辺津宮、中津宮、奥津宮と参拝した後は、いよいよ江島神社発祥の地と言われる江ノ島岩屋を見に行く事となる。れっきとした洞窟なのだが、実際に来てみると親切に遊歩道が敷かれたベタな観光地で、ちょっと期待外れだったりする。
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江ノ島岩屋に着いたら窓口で入場料500円を払い中へ。2つある岩屋へは何ともバリアフリーな通路が整備されていて、ハイヒール履きでも余裕で見物出来てしまう。
江ノ島岩屋は昭和46(1971)年に崩落があってから長年封鎖されていた。現在のものは大規模な安全対策と整備を行った上で観光洞窟として1993年に再開。かつては弁天信仰のメッカだった場所だが、現在は完全に観光地と化している。


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外気温に比べると岩屋の中はそれなりに涼しい。夏場に来ると気持ちがいい。最初の岩屋に入ると、岩屋や江ノ島の歴史について書かれた資料が見られる。江ノ島は縄文土器が見つかるような歴史の深い島でもある。この辺はしっかり読んでいて損はない。
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第一岩屋の奥へ伸びる通路と、第二岩屋への通路がここで別れている。洞穴内に水を湛える池にはいかにもといったライトアップがなされていて、まるでテーマパークの行列待ちのスペースのようなノリだ。横須賀の猿島もそうだが、せっかくの観光資源の良さを自ら殺してしまっているようで勿体無い。
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そのうち、岩屋の最奥部を見学するまでの間に係員に火の付いたロウソクを渡される。ロウソクの灯りを頼りに先へ進めという意味か、それでも中は丁寧にライトアップされているのでロウソクは全く必要なかったりする。雰囲気を演出しているだけなのだろう。
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その先は足を躓かないように敷かれたコンクリートの床の上を進む。両側には岩屋に残る石仏群が見られる。これも観光客に傷つけられないようにアクリル板で囲われていてなんだかやるせない気持ちにさせられる。危険を取り除いて誰でも来られる観光地にするという事は、つまりこういう事なのだ。
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石仏群に混じって巻き糞…いや、蛇がとぐろを巻いて座る石像の姿もある。古来から蛇や龍は神聖な生き物なのだ。この付近は天井が低く水滴がとめどなく滴り落ちているが、観光客が頭を冷やしたりぶつけたりしないようにちゃんと防護カバーが天井に巻かれている。ことごとく親切極まりない。
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第一岩屋の最奥部に行くと見られる「江島神社の発祥の場所」。江島神社には源頼朝勧請説もあるが、西暦552年にこの岩屋の奥に鎮座されたというのが正式な社史。
ちなみに岩屋の奥の穴からは富士の鳴沢氷穴にある「地獄穴」に通じる道があるとの伝説もあるが、誰も確かめられないので、伝説は伝説のままである。
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一旦、第一岩屋を出て先程の分岐点まで出る。目の前には荒々しい岩場が広がり波しぶきが絶えない。磯釣りのオッサン達は波をも恐れずひたすら海と向き合っている。
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第二岩屋へ続く道も、しっかりとコンクリート橋が整備されていて余裕で行き来する事が出来る。ここまでちゃんとしすぎているともはや洞窟探検という気分も抜けきってしまった。
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第二岩屋の中も同様にコンクリート敷きの歩道が続いていて歩きやすい事この上ない。ちなみに江ノ島岩屋には非公開の岩屋が何ヶ所かあるというが、これらは危険なので案内図にも記されていないし観光客の知る所でもない。
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第二岩屋の中も途中で二手に分かれていたりするが、内部は単純で迷ったりする事もない。
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第二岩屋の最奥部は、左手に金玉を握ったポーズで誇らしげににんまり笑う龍神のハリボテだった。なんだこのリアルドラゴンクエスト状態は。勇者でもなんでもない我々はロトの剣どころか何の装備も揃えてないので、とっとと帰る事にした。
かつて信仰拠点だった場所を観光地化するにしても、元の信仰者達にこの岩屋の現状はどう映るだろう。終始ビミョーな雰囲気が拭えない場所だった。ちなみにこの江ノ島岩屋もサムエル・コッキング苑と同じく藤沢市観光協会によって管理運営されている。ビミョーな空気の正体は、もしやお役所仕事の臭いだろうか。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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