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【相模原市】家賃崩壊エリアの現実…青学キャンパスのある街・横浜線「淵野辺」を歩く

止まらない首都圏への人口一極集中と土地価格の上昇、だなんて何年も前から口が酸っぱくなる程言いまくっているネタだが、東京都心から電車で一時間以上掛かるような場所というのは、それとは裏腹に不人気で、賃貸住宅の需要に対して供給が過剰になっている、いわゆる「家賃崩壊」を起こしているエリアが多々ある。

そんなエリアの一つに挙げられているのが、JR横浜線の淵野辺駅周辺。町田駅から二駅の位置にあって、相模原市の中心部である相模原駅や将来リニア新幹線の駅ができる予定の橋本駅にも割と近い。

しかし東京都心からだと京浜東北線の東神奈川乗り換えでトロトロ揺られて来るか、新宿から小田急に乗って町田で乗り換えて…という感じで片道一時間のボーダーラインを軽く越えてしまう、微妙なロケーションにある。とは言え、駅の改札口は電車が来た途端に結構な人の出入りが見られる。

リア充御用達「青山学院大学」の相模原キャンパスがある街が“家賃崩壊”であえいでいる

なんともローカル感漂う駅前に降り立つと、目の前のビルにも記されている「青山学院大学」の案内看板…“青学”と言ったら、あのオサレセレブタウン東京都港区青山の近く(厳密には渋谷区渋谷四丁目)に本拠地を構え、初等部からエスカレーター式に通っている芸能人のご子息や金持ちのボンボンが大勢いる「お坊ちゃま大学」としてよく知られる大学だが、そのキャンパスの一つがこんな場所にあろうとは。

2003年、それまで世田谷と厚木にあったキャンパスを統合して新日本製鐵工場跡地に開設された青学の「相模原キャンパス」が淵野辺駅から徒歩10分ほどの場所にあって、キリスト教系大学っぽい、なんともオサレで可憐な佇まいを見せている。周囲はいつもの“さがみっぱら”らしい田舎臭い街並みなのに、ここだけ異質。

キャンパス正門前から引くとこんな鄙びた街並みですぜ…へえぇ…しかし、これがあるお陰で淵野辺は学生数2万近い首都圏随一のマンモス大学である青学のお膝元、学生街として発展しだして、駅周辺にポコポコとマンションやアパートが立ち並ぶようになった。

カッペ上京民たちの憧れる夢の上京生活、セレブタウン青山で華のキャンパスライフ…といきたいところなのに、こんな相模原くんだりまで飛ばされて…と嘆きたくもなるような、しがないボロアパートが鎮座する現実。だが相模原以前は厚木(しかも愛甲石田駅からバスで15分の山の中…)にキャンパスがあったんだぞ。

しかも青学は相模原キャンパス開設から10年後の2013年に突如として文系学部を青山キャンパスに集約。7000人程度もいたとされる多くの学生が相模原の地を後にした事で、それまで学生向けに供給されていたアパートやマンションが大量に余ってしまい「家賃崩壊」を招いてしまった。

淵野辺駅前の不動産屋に出ている賃貸物件なんかも目を通すと、3万円台の物件がゴロゴロ死ぬほどあるわけだ。ネットの不動産情報サイトで調べると2万円台も普通にあるんだから。相模原市も含めて神奈川県央地域にある独居アパートが激安過ぎるのは、前にも座間市(相武台前)の9遺体事件のアパートを訪れた件でも触れている。ここいらは日テレの「ボンビーガール」に出てくる“上京ガール”ですら立ち寄らない穴場中の穴場。

淵野辺駅周辺を見ていても思うのだが、決して駅周辺は不便さも感じないし、この通り「業務スーパー」と「ダイソー」が入居している土着民御用達の商業施設まであって、さぞかしお安く暮らせる事請け合いな街であると思わせる。“お坊ちゃま・お嬢ちゃま大学”の色彩が強い青学の気質からすれば、本来このロケーションは“ありえねー”と思う人間も少なくはないのだろう。

そもそも厚木にあった青学キャンパス(通称・厚キャン)、行政上の地名までわざわざ「森の里青山」と名付けられているのに、さっさと日産に敷地を売却してトンズラをかまして、今の淵野辺同様、愛甲石田界隈の地主を泣かせている。

それこそサザンオールスターズ(最も有名な青学出身者)風に「青学は罪な奴」と言われそうだが、そもそも青学側は森の里地区のモノレール建設計画を見込んで厚木に進出したのに、それがバブル崩壊でポシャった上に、受験生にとっても厚木のクソ不便な場所にあるキャンパス、との理由で青学の人気が下落、そこで青学側が見切りをつけて都心に近い相模原に逃げ出したというストーリーがある。しかしその相模原ですら、コレですからね…

それでも学生街であり続ける淵野辺駅前の街並み

とは言え、淵野辺の街はまだまだ「オワコン」の一言では終わらせられないものがある。青学相模原キャンパスには未だに結構な数の学生がいたり、他にも桜美林大学とかJAXA宇宙科学研究所キャンパスなどもある、相模原市における文教地域・学術研究都市と呼んでも差し支えないエリアである。駅前の商店街も、まあそれなりに栄えているようには見える。

とは言え、目にする店と言えばこうした学生向けの安そうな居酒屋ばっかりですね…青学キャンパスがある駅北口の商店街を中心に、かなりの数の店舗がしのぎを削っている。

学生がいかにも利用しそうな大手チェーン系のつまらない居酒屋が勢揃いである。どこかで見覚えのある看板ばかり。青山キャンパス通いのボンボン学生なら、まず立ち寄らない庶民的過ぎるラインナップだ。

他にも学割の利く、貧乏学生の懐に優しそうなお肉屋さんがあったりするのが特徴的。

こと座通りだのカシオペア通りだの、淵野辺駅周辺の商店街には星座の名前がいちいち付けられている。JAXAがある関係なのは言うまでもなく…あの小惑星探査機「はやぶさ」の故郷らしいですよ…

しかし、そんな商店街はさっぱりシャッター街になっている箇所もありますけれども…やはり都心直結ではない横浜線の沿線では、駅前一等地であっても土地の需要が見込めないのだろうか。

一方で地元のDQN属性強そうな方々がご利用されるパチンコ屋だとかピンパブとかがちらほら見られる件。よりにもよって「スモーキーマウンテン」かい。それはフィリピンが誇る、首都マニラの外れに存在していたゴミ溜めのスラム街の名である。神奈川県央地域では滅法多い、この手のお店。

まだまだ土地が余っているせいか、青学キャンパスの近くにも戸建住宅分譲地があった件。新築ならともかく、中古物件なら2000万円台で余裕で手が届く。同じ相模原市ではリニア新幹線の途中駅が建設される予定の橋本だとか、小田急多摩線が延伸して相模原駅までやってくるとか、そういった話もある。青学のように首都圏の大学は「都心回帰」傾向にあるようだが、それだけの要素でこの街が決して将来性の乏しいエリアという判断をするのは早い気がする。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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