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懐かし自販機の聖地らしい昭和のオートレストラン!行田市「鉄剣タロー」で食らう自販機バーガーの味

今や絶滅危惧種の一つに指定されている感のある「オートレストラン」という名前でも呼ばれるロードサイド沿いの昭和なドライブイン。レトロな食品自販機やゲームコーナーが立ち並び、トラックの運ちゃんや不良少年の溜まり場なんかになっているやさぐれたあの場所への郷愁。先日我々が訪問した新潟の「公楽園」なんか、その筆頭格ですよね。

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で、我々がやってきたのは、首都東京の隣県ながら広々とした田園風景が広がる埼玉県行田市の熊谷バイパス沿い。行田ってあれですよね、埼玉県名発祥の地とか「のぼうの城」で知られる忍城とか「さきたま古墳群」とかがあるところ。そんな場所にある「オートレストラン鉄剣タロー」という店に来たのだ。レトロ自販機マニアの聖地とか言われている有名物件と聞いたのだが…

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鉄剣タローに辿り着いたのは日も暮れかかった夕方過ぎの事。周囲はすっかり闇に包まれていて、看板に灯りが付いていないのでここにドライブインらしきものがあるのも把握しづらい。駐車場までようやく来ると、中からピンクと青が交じり合った紫色の怪しげなライトが光っていて、雰囲気が異様な店舗が目につく。

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店は熊谷バイパス沿いにあるが、東京方面車線からしか入れない。それでいてこの怪しさ…やはり知る人ぞ知る場所のようで、客の車も2、3台くらいしかなく静まり返っている。「鉄剣タロー」という妙なネーミングも、行田のさきたま古墳群で鉄剣が出土していて、鉄剣が行田のシンボルになっているからだ。行田には鉄剣マラソン大会ってのもあるんだぞ。

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不良に絡まれんじゃないだろうなと一抹の不安を残しながら入店。外から見ると怪しいけど中に入ってみるとなかなか広々としている。正面から見て左手にゲームコーナー、中央部に休憩用のテーブルと椅子があり壁側一面が自販機コーナーという配置になってます。レトロ自販機の聖地だと聞いて来たけど、店自体は昭和63(1988)年開業らしい。割と古くないのね。

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ゲームコーナーはこの通りのアーケードゲーム筐体が十数個並んでいて、麻雀ゲームを中心に1990年代臭の強いラインナップとなっておる。客のおじさんが1人しか居ませんでした。昔はもっと不良の溜まり場だったんだろうと思うんですが…

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さらに店舗の正面右側半分は何やらビニール製の仕切りで区切られていて、これは一体なんでですかね?と一瞬疑問を抱くのだが…

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「この奥は先日(2013年8月)の映画撮影の時に描いた絵をなるべくそのままの形で残してあります。よろしければご覧下さい。」だって。

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うおお…これは…まさしく不良の溜まり場感満載のド派手なグラフィティが壁一面に…でも床には何も置かれておらずがらんどうになってました。

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2014年公開予定の映画「TOKYO TRIBE」にロケ地として使われた鉄剣タロー。某ファミレス店舗の名前をオマージュしたかのようなロゴが笑えますが、原作の漫画が映画化されて、監督はあの園子温氏…その名前を聞くだけでニヤついてしまいそうですね。

[youtube=https://www.youtube.com/watch?v=aB7HmiY1RfI&w=320]

映画「TOKYO TRIBE」の予告映像がようつべにあったので参考までに見ておきましょう。園監督らしいバイオレンス感満載で期待できそうな映画ですが予告シーンに一瞬ペニーズが出てきますね。どうでもいいけど神奈川の平塚にありませんでした?そんな名前の店が。

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以前は「Pennys」の部分にメダルゲーム機コーナーがあったらしいのだが「警察の指導により景品の提供ができなくなった」せいでメダルゲーム系は全部撤去されたそうです。2010年4月の日付で告知の張り紙がしてあったので、それ以前まではあったという事か。

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やはりメダルゲームが売上の中でも大きなウエイトを占めていたと思われるんですが、それがてっきり無くなった事が現在の極端な場末化に繋がっているように思えてなりません。両替機も高額紙幣対応のものは故障して使えないまま放置プレイだ。

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しかしこの高額紙幣対応両替機のイカツさといったら何なの。盗難による破壊を防ぐ為に頑丈な縞鋼板で外周を覆っている。そりゃ場所柄ってものでしょう。

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ロッテのアイスクリーム自販機も故障したままだ。店主がまめな人なのか、わざわざ故障の理由を張り紙に書いて貼り付けている。2012年初夏まで動いていたって。部品がないので、直せる見込みはありません。

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ゲームコーナーで遊ぶ事もないので自販機コーナーで何か買って食べて行こうと思う。まだ隣の群馬県にはちょいちょい残っているのだが、こんなレトロなトーストサンド自販機が稼働しているのは埼玉県内ではもはや数少ない。

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さらに、一昔前は度々こうした場所でお目にかかっていた「うどん・そば自販機」も行田の鉄剣タローでは現役稼働中。「そばは入れていません」と断り書きがしてあり、300円の天ぷらうどんのみ購入可能。

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そう言えば後で訪問した群馬の邑楽町や安中市にあるレトロ自販機コーナーにも同様のうどん・そば自販機があったのだが、製造元が休業しているせいで長期間稼働しておらず購入ができなかった。行田の場合は別の業者が担当しているのだろうか。

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それからハンバーガーの自販機。看板の写真になんとも言えぬ古めかしさを感じる。紙コップ入りコーヒーにおにぎりと焼そば、黄色い薔薇の造花が添えられているこの前時代的センスよ…

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迷った挙句、辛うじてまだ売り切れていないハンバーガー自販機でハンバーガーを一個買ってみる事にした。3つ並んでいるボタンの2つは「売切」と書かれた張り紙で覆っていて、1つしか押せない。ボタン周りも古びてますよね。製造者は埼玉ではなく隣の群馬県の住所になっていて、やはりレトロ自販機の本場は群馬なのか…

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一個220円のチーズバーガーを購入。すると「加熱中」の赤いランプが点灯する。しばらく待機しましょう。

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焼き上がり時間の秒数を伝えるランプは、今どきなデジタル表示ではありません。今や絶滅しかかっているニキシー管によるもの。現役で稼働しているハンバーガー自販機のニキシー管タイマーは、全国でもこの鉄剣タローに設置されているものが唯一最後になるらしい。マジですか…

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さて、アナログな仕組みで暖められて出てきたチーズバーガー。手に持ってみるとかなり熱い。やけど注意だ!すかさず目の前のテーブルに置く。他に殆ど客も居ないし、この広い店内をほぼ独占状態。たった220円で味わえる贅沢だ…

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ぱかっと蓋を開けて中の熱々なチーズバーガーを取り出す。ふにゃふにゃで見た目のジャンク感が半端ないが、食べてみるとしっかりおいしいハンバーガーです。このハンバーガーの製造も自販機に書かれていた群馬県伊勢崎市にある「マルイケ食品」が行なっている。

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最後に壁際の放置プレイ状態のUFOキャッチャーでも見てみましょう。よくわからないぬいぐるみがたんまり入っているが「飼って下さい」と書かれたステッカーが貼られていて哀愁を感じさせる。これは貰い手がいなさそうだな…

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さらに二台並んだUFOキャッチャーのうちの一台が完全に機能しておらず、筐体の仕切りの透明アクリル板も取り払われて、なぜか「花の種」が置かれている。

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これは鉄剣タローのオーナーの趣味だろうか、自宅で栽培しているらしい鉄砲ユリやコスモスや朝顔の種がパック詰めされて置かれている。UFOキャッチャーの景品ではない。そのまま持って帰れる。「花や植物の種差し上げます」とのお言葉が。なんと良心的。最近は昭和のオートレストランで食える自販機グルメが密かに人気になっているとメディアにも宣伝されている模様。当店舗も以前より客足が増えているらしい。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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