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駅前に宗教聖地がある街、北本市「解脱会御霊地」を訪ねる

大宮からJR高崎線に乗って片道19分、熊谷との中間くらいの位置に埼玉県北本市という街がある。ストーカー殺人の桶川と川幅うどんの鴻巣の間に挟まってるんですが、今ひとつ存在感に乏しく「どこそれ?」となりがちな街だが、トマトの産地で「埼玉B級ご当地グルメ」としてトマトカレーをにわかにブレイクさせようと「トマト推し」が目立つくらいで、やっぱりよく分からない街なのである。

北本市 北本

JR高崎線北本駅を降りて南方向へ歩く。両隣の桶川や鴻巣が中山道の宿場町であるのに対して、こちらは元宿場町なだけで古い街並みには乏しいのか駅前風景もあまりパッとしないんですが、5分くらい歩いた所にこの街を代表する宗教団体「解脱会」の聖地が存在している。

北本市 北本

北本駅そばの県道164号沿いにも「解脱会御霊地」と書かれた看板がデーンとそびえているので、すぐに分かるはずだ。「解脱」の字面にインパクトがありすぎだが、マイナーな宗教団体ですよね…

北本市 北本

解脱会という宗教団体の名前はそれほど有名そうでもないが、名前くらいなら聞いた事があった。そうだ…ゆずの北川悠仁の実家のママンが元解脱会信者で「かむながらのみち」の教祖だった。ところで、ここの通りの名前も「解脱通り商店会」である。「解脱」と聞くとオウム真理教のイメージが強くてどうもアレだが全然無関係です。

北本市 北本

解脱会の本部は新宿区荒木町にあるが、北本が発祥の地だったのか…人生の何から解脱できたのかいい歳こいた大人なのによく分からないので、早速お参りしようと思った。交差点を挟んだ鬱蒼とした森の中が「御霊地」という事らしい。

北本市 北本

野田市にある霊波之光とは違い、周辺を歩いていてもさほど信者の姿を見る事もなく閑散とした印象だが、一応毎月びっしりと行事のスケジュールが書かれている。ちなみに解脱会の信者は全国に20万人程度いるとされている。

北本市 北本

正面入口にある「御霊地案内図」を見ると、かなり広大な面積を占めているようにも思えるが、新興宗教団体の聖地を様々見比べてきた当方から判断すると、その規模は控えめである。

北本市 北本

「御霊地」の境内は、ここが新興宗教団体のものだと言われなければ、どこの地方にもある神社の境内という以上の感想が出ない。変なピラミッドとか、よくわからない黄金の何かとか、そういう電波チックなトンデモサプライズは残念ながら無い。

北本市 北本

完全に神社です本当にありがとうございました状態なんですが、一般的な神社の本殿にあたる建物が参道奥にあり、「天神地祇太神社殿」という解脱会の主祭神が祀られた社殿がそびえている。その正面の参道には、お百度参り中と思しき、裸足でひたすら周回し続ける参拝者の姿もあった。

北本市 北本

境内西側にある「御霊地道場」は解脱会信者の信仰の拠点となっている建物で、純粋な日本の木造建築。こういう建物があるあたりが辛うじて新興宗教団体である特徴を示しているが、言われなければ普通の神社にしか見えない。

北本市 北本

ひっそりと佇む六地蔵尊。外界とは隔絶された空間に心を洗われて束の間に解脱状態になったかどうかと言われると微妙なところだが、一通り参拝を済ませておく。

北本市 北本

本殿などがある御霊地本体から歩道橋で結ばれた東側の区画に「解脱錬心館」という近代的な佇まいの建物がある。ここも宗教関連施設かと思ったらまんざらそうでもないみたいです。

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解脱錬心館は解脱会の関連団体が運営している剣道道場で、入門生を募集する広告も掲示されている。宗教団体の布教とはまた別になっているみたいなので、信者以外でも大丈夫なようです。

北本市 北本

御霊地周辺には広大な駐車場も用意されている。やはり行事の日には信者の自家用車でいっぱいになるのだろうか。駐車場の向こうの建物は教団にまつわる資料などが納められている「解脱金剛宝物館」。

北本市 北本

高崎線の線路を跨いで東側の区画にも解脱会の敷地があり、随分と広々とした庭のようになっているのだが、その奥にも何やら目立つ石碑が祀られているのが見える。

北本市 北本

「精神」の二文字が刻まれた日の丸マークの石碑。傍らの案内看板には「太陽精神碑」とあった。昭和15年建立とあるのでかなり古いものだが、普段の手入れが丁寧にされているからか全く綺麗なままだ。なお、現在の教祖(解脱会法主)である岡野聖法氏が政治団体日本会議の代表会員という事もあって、解脱会は宗教団体の中では右派に属するとされる。

北本市 北本

解脱会自体も教団の創設は昭和4(1929)年で、太陽精神碑の隣にある「解脱教会本院跡地」と案内看板が置かれている場所に最初の道場があった。すなわち教団発祥の地という訳だ。

北本市 北本

そんな「解脱会」の宗教聖地である北本市、その地名はこの地に慶長7(1602)年まであった元鴻巣宿(本宿、のちに北本宿)から来ていて、解脱会創設の前年、昭和3(1928)年に新設開業した北本宿駅(現・北本駅)の記念碑も同じ場所に建っている。北本宿の「宿」の字が取れて現在の地名になっている訳だ。

北本と解脱会の関係は深く、昭和46(1971)年に北本が町から市に昇格する事が決まった時に教団関係者の動きで市名を「解脱市」にしようという動きがあったらしい。結局その計画は実現せずそのまま「北本市」になったのだが、同じ宗教都市の天理市や金光町になれなかったのがこの北本という土地なのだ。

北本市 北本 埼玉県庁

いまや北本のマスコットキャラクターは解脱会とは何の関係もない、トマトの「とまちゃん」である。写真は埼玉県庁で行われていた県庁オープンデーに出没していた北本のとまちゃんです。どう見てもやっつけ感満載ですが、よろしくね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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