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【駅名ゴリ押し】来月開業予定「高輪ゲートウェイ駅」の近所を散歩してきたよ

オリンピックイヤーとやらでその開催地となる予定の東京はますます電車が外国人観光客だらけになってますますインターナショナル感極まっているわけですが、相変わらず外国人乗車率の高い山手線(&京浜東北線)に今年3月14日にとうとう49年ぶりの新駅が誕生する。

それが「高輪ゲートウェイ」なる、なぜか横文字が不自然にぶちこまれてしまい非難轟々の挙げ句、結局そのままゴリ押しが通ってしまった、品川-田町間に開業する駅だ。だだっ広い車両センターの土地をまるごと再開発する計画「グローバルゲートウェイ品川」から取られた駅名って言いますけども、“どう見ても便器”と揶揄される新国立競技場と並んでまたしても隈研吾デザインの駅舎も完成し、開業間近といったところですかね。(写真は2019年2月撮影)

高輪ゲートウェイ駅の駅前になるエリアを散歩してきたよ

なにやら能町みね子氏とかが一生懸命反対しまくってJR東日本に駅名撤回署名まで出したものの、完全に梨の礫にされてしまった新駅の駅前となるエリアを今回散歩してきた。高輪と言えばこれまで「JR品川駅の西側」にある地域だとぼんやり考えていたが、かつて“江戸の入り口”だった高輪大木戸跡が今度は山手線(&京浜東北線)の駅前一等地となるわけだ。駅名に横文字を無理くりねじ込んだJR東日本は、“江戸のゲートウェイ”などとこじつけて、この大木戸跡の存在を駅名決定の根拠の一つとしている。

このあたりの第一京浜沿いには京急本社ビルをはじめ、しょぼくれたオフィスビルが連なるだけの味気ない空間だったが、新駅開業予定でガッツリと再開発の機運が高まっている模様。そのうち意識の高いカフェとかよく分からない雑貨屋とかが並びだしたりするのかい。

あの~、元々ここには都営浅草線の「泉岳寺駅」ってのがあるんですけど…しかしここ、都営地下鉄から京急にそのまま乗り入れるだけで、乗客には素通りされるだけの駅。全然存在感が無さ過ぎ。ただし高輪台-西馬込方面の盲腸線利用者は乗り換え必須なので、馴染み深い駅であるはず。

高輪の二大宗教名所「泉岳寺」と「幸福の科学」

そして赤穂浪士の眠る「泉岳寺」も新駅の駅前物件として今後存在感を増してくる模様。浅草寺や増上寺のように観光客がどっさり来るような事もなくいつも物静かなお寺って感じだったが今後はそうもいかなくなるかも知れん。

そもそも同寺は昭和43(1968)年に地下鉄泉岳寺駅を開業した東京都に対して「不正競争防止法」などを根拠に駅名の使用差止めを求めて最高裁まで争う泥沼の裁判沙汰を起こした末に敗訴している。JR東日本が新駅の名前に「泉岳寺」を採用しなかったのは、そういう理由もあってのことか。

そんな泉岳寺のすぐ近所に場違いなギリシャ神殿風味のデザインをあしらったド派手な白亜の宮殿を構えているのは新興宗教団体の「幸福の科学 東京正心館」。高輪ゲートウェイ駅爆誕で一番喜んでいるのはここの信者なのかも知れない。

芸能界を何の未練もなく去って同教団に出家してしまった清水富美加もとい“千眼美子”さんもおられました。今となっては教団の立派な広告塔ですね。

そしてそのまま伊皿子坂やら魚籃坂を登って下った先の白金まで行けば、エル・カンターレ村と当方が勝手に呼んでいる、幸福の科学の幹部が暮らすエリアにも近い。

同じ高輪でも高台側に登ると、古くからの下町臭い木造民家か、このような浮世離れした超高級マンションみたいなのか、そのどちらかしか見られない。このへんのマンションを買うにもファミリー向け物件だと中古でも億は下らないだろう。だってここは上京カッペ民の憧れの中心「東京都港区」ですもの。

伊皿子坂を登りきった先の伊皿子交差点で二本榎通りと交わる。ここまで来てしまうと「高輪ゲートウェイ駅」へ行き来するのは坂道もあって足腰の弱い土着の爺さん婆さんにはキツかろう。このへんの住民はみな都営バスの停留所に並んでいる。

上皇陛下夫妻の仮住まいと都営住宅が隣り合う高輪という街

二本榎通りを西に向けて歩く。思った以上に下町臭さが残る一画だが、この道沿いには「高輪皇族邸」(旧高松宮邸)なる皇族御用達の邸宅があって、去年退位された上皇陛下夫妻が仮住まい(仙洞仮御所と称する)をしているという、なんともロイヤル感満載なお土地柄。

で、そんな超ガチロイヤル物件に隣接するのは高級マンションか?と思いきや、なんと「都営住宅」だった件。三棟の高層棟が向き合う「都営高輪一丁目アパート」である。三棟中、五階建ての二号棟のみ都営住宅ではなく所得による入居制限が比較的緩い中堅所得者向けの「都民住宅」だが、それでも家賃は20万オーバー。

建物外観に目を凝らせば緑色の鳩よけネットが覆い被された見苦しげな一角も目に付き、見た目にも“高級マンション”ではなさそうなのがバレバレなのが分かる。まあともかく空き家抽選したら倍率が物凄そうなロケーションですが、ちょうどこの都営住宅が上皇ご夫妻の仮住まい中の高輪皇族邸を見下ろす形でそびえているのである。畏れ多い…

しかしこの界隈で頭一つ抜きん出て高級感をさらけ出しているおセレブぶった物件と言えばこちら「高輪ザ・レジデンス」であろう。2005年竣工当時、47階建てのタワーマンション最上階の新築分譲価格は約6億円。民放テレビ局社屋が集まる港区という場所柄、ここに居住する芸能人が多いという噂の程は尽きない。

渋すぎる高輪の寺町、そしてお寺の裏の谷底木造家屋群

高輪の地名の元となったのが「高台の縄手」、すなわち現在の二本榎通り沿いの道を称した「高縄手道」から来ているそうだが、この高台のメインストリート沿いにはびっちりと寺町が形成されている。伊皿子交差点近くの「等覚寺」なんかは古い木造家屋に押し込められた細い路地の奥に猫の額ほどの狭い境内地を抱えていて、独特な雰囲気がある。

高輪皇族邸向かいの真っ直ぐ伸びる棕櫚並木の下り石段が映える「保安寺」も健在。あとはこの寺の裏手とか、高野山東京別院とかの裏手の谷底に狭小長屋や木造家屋がびっしりと固まっている。そのへんの事ならかなり昔にサイトに書きましたが、今も大して様子が変わってませんでした。

レトロモダンな高輪消防署二本榎出張所の真裏、高野山東京別院から桂坂沿いの道を隔てた向かい側にもゲロ渋過ぎる谷底住宅地が残っている。周りにタワマンとか無ければ完全に昭和の時代に逆戻りしたかのような生活空間である。やはりここも清林寺という寺に隣接する土地になる。

いやはや、なんという「向こう三軒両隣」感漂う下町なんでしょう…東京都港区というのは元々こういう風情のある地域だったわけです。各々の土地の細かい事情は知る由もないにせよ、想像するに戦後の住宅難からやむなく寺の土地が貸し出されて家が建って、70年以上経ってもそのままになっているのだろうが、そういう下町臭い姿も「高輪のB面」であると捉える。

「高輪ゲートウェイ」の駅名に反応する地元商店街の人々

二本榎通り沿いは「メリーロード高輪」という名称の商店街で、一応ながら個人商店を中心にちょっとした店舗が連なっている。新駅「高輪ゲートウェイ」の最寄りにある商店街がここという事になるが、特にこちらの印刷屋さんをはじめ、カタカナゴリ押し駅名に異を唱える商店主も決して少なくはない模様。

一方で「高輪ゲートウェイ」の駅名表示板に似せたデザインのポスターを張り出して新駅誕生を待ちわびる食い物屋もあったりして意見は様々。駅名なんて何でもいいじゃん、ゲート・ウェーーーーーイ!って感じのノリでしょうか。いずれにしても新駅は来月、3月14日の開業予定だそうです。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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