超マイナーゾーン「上中里」 (1) 西ヶ原駅と上中里駅

山の手でも下町でもない微妙な位置に立つマイナーエリア「東京都北区」。
赤羽は巨大ターミナルだしむしろ埼玉なので構わないが、それ以外の北区の駅はどこかと訪ねると正直頭に思い浮かばない。せいぜい王子や駒込が出てくるのが関の山である。それ以前に東京23区に北区が存在していたことすら気づかれていなかったりするのが悲しいところ。
しかしそんな北区でもとりわけマイナーの中のマイナーを極める存在が、地下鉄南北線「西ヶ原」と京浜東北線「上中里」のふた駅が置かれている界隈。
東京DEEP案内的には勝手に「街そのものがブラックホールに飲み込まれたような存在」と思っているのだが、そういえばどんな街なのかさっぱり知らなかった。そのままでいるのもこそばゆいので、初めて地下鉄西ヶ原駅という場所に降り立ってみたのである。
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ほとんどの人に存在を知られていないという地下鉄南北線西ヶ原駅
山手線の駒込から乗り換えればすぐ隣の駅なのに、改札を降りたらほとんど誰も人が居ない!!無駄に立派な地下駅舎が気になるばかりだが、この西ヶ原駅は東京メトロ全線において「最も乗客数の少ない駅」堂々のトップに輝いている超マイナー駅なのだ。
西ヶ原駅の乗客数は一日6,245人(2008年)。
最も乗客数の多い地下鉄駅である半蔵門線渋谷駅が557,432人(2008年)だから、約90倍の差がある。いかに西ヶ原駅が異常なのかお分かり頂けるだろうか。


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本郷通りに沿って南北線が走る西ヶ原駅前は別にゴーストタウンでもなんでもなく人が住んでいる普通の住宅街なのである。
駅前には滝野川警察署、滝野川公園、滝野川体育館など市民の暮らしに根付いた施設の数々もある。駅北側は紙幣や国債などを製造している「国立印刷局滝野川工場」の敷地が広がる。
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それでも滝野川公園の外れに行くとなぜか廃墟がポツンと野ざらしになるのが確認できる。
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この廃墟がもともと何だったのか調べてみると、なんと「国立国会図書館分館」と書かれていたのを見た。正式には「国立国会図書館支部農林水産省図書館農林水産政策研究所分館」というたいそうクソ長い名前の図書館だ。
他にも本郷通り沿いに「国立印刷局東京病院」という独立行政法人系の病院まであり、どうもお国関係の施設が目立つ。
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廃墟に隣接する平塚神社境内から階段を下ると、そのまま京浜東北線上中里駅に続く下り坂となる。
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何軒か店らしいものが見えてくると、とても実感できないのだが、そこがもう「駅前」なのである。
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脇道の階段を見上げた先に「西方不動尊」と書かれた小さな祠がある。
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そこにはなんとも有難げのなさそうな佇まいのお不動様が寂しげに奉られている。
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その向かいの地面には捨てられた子猫のように置かれている恵比寿様と大黒様が。笑顔が痛々しい。一体ここは何なのだろう。
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そんなどうしようもなく寂れた場所に唐突に現れるJR上中里駅
さっきの西ヶ原駅ほど酷くはないが、やはりそれほど人の往来が激しいわけではない。
1日の乗客数は7,646人(2008年)で、京浜東北線の駅では最も少ない。やはり「西ヶ原・上中里最弱伝説」は単なる噂だけではないようだ。
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しかし駅前には一応「大林フローラ上中里」という分譲マンションも建っている。昭和49年11月竣工というので結構な年代物だ。駅がマイナーすぎることを除けば、考えようによってはかなり穴場物件のように思えるが(笑)
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上中里駅前には先ほどの駅前マンションと数件の店舗以外はコンビニすらないという東京23区ではあり得ないテンションなのだが、「飛鳥の小径」と名づけられた散歩道があることを示す看板がある。そこにはあじさいの名所であるという説明もついている。
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それは隣の王子駅前から飛鳥山公園脇のJR線沿いに続くあじさい群生地だ。つまり散歩道がこの場所に続いていたのだ。
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その先は寂しい散歩道が延々と続く。あじさい開花時期以外はまず人が好んで通るような場所でもない。隣は山と雑木林が続くのみ。こんなに寂しい駅前は初めて見ました。
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線路側に目をやると、上中里駅ホームの向こうに上越・東北新幹線の高架橋も走っている。さらに北側には「JR東日本尾久車両センター」の広大な車両基地もデデーンと広がっている。やはり、撮り鉄には定評のある場所だったりする。
参考記事
西ヶ原 – アンサイクロペディア

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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