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さいたま団地探訪・三郷市「みさと団地」 (2)

人口13万人の埼玉県三郷市でもそのうち2万人の収容人口を誇るマンモス団地「みさと団地」の中は非常に広大である。
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この団地の端から端までを一度で全て見て回るのは不可能である。したがって今回は団地の主要部となる中央ブロックを起点に団地各所をさらっと見て回ってきた。


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みさと団地の中央ブロックには「センターモール」という商店街兼広場が整備されている。ここが事実上、みさと団地の中心部として機能している地区だ。日曜日という事もあって暇を持て余した老人に加えて労働者風のファミリーが多い。
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センターモールの広場では地元住民によるフリーマーケットならぬ福祉バザールが開催中。野菜や古着などが路上に並べられ、賑わっているのかいないのか微妙な雰囲気だ。傍らでは福祉サービス業者による老人マッサージも開催中。そこではまさに「老後」の時が流れている。
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ふと広場に目をやると、ステージ前のオープンテラスには爺さん婆さんと家族がちらほら、ステージイベントが開催されるを待っているのだろうか、まるで村の集会場のようなテンションである。
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郊外の団地の商店街と言う事なので華やかさには欠けるが、それでも一通り店は揃っていて、団地の外に出なくともあらかたの用事は済ませられるようにはなっている。
徒歩圏内に新三郷駅があるからまだしも、長らく陸の孤島のような場所だったのだ。公共交通網で都心に通うには一端武蔵野線に乗って、常磐線のある新松戸かつくばエクスプレスのある南流山に出る必要がある。京葉線東京駅直通は本数も少なく遠回り。自家用車がないと不便だ。
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立派にアーケードも完備されていて雨に濡れずにお買い物が出来る。古い団地なのか知らないが個人商店中心で、スーパーらしきものは大丸ピーコックや他数軒と、南側にメガドンキホーテがあるくらいである。
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センターモール商店街自体もなかなかの規模だが、子供が集まりそうなおもちゃ屋に子供が居なかったり、所々シャッターが閉まったままの店があったりと雰囲気はどこかしら寂れている。もう10年すると、外国系ショップばかりになっていそうな感じがしなくもない。
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センターモール商店街ではこんな下町風情全開な食料品店も健在である。小さな店でもあらかた品揃えは豊富。
同じニュータウンでも大型ショッピングモールに行かなければ話にならない街は嫌だが、こういう店があるという所に昭和のオールドニュータウンならではの気遣いを感じられる。
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しかしこういう街の店に「食べるラー油」とやらが置かれているのね。どうやらこれが2010年のゴリ押し流行りものランキング一位のアイテムになりそうだが、テレビ漬けの頭の弱い低所得層がメディアに煽られて流行りものを意味も無く買い求める世の常。
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他にも貧民御用達リサイクルショップもあって、貧乏生活を全力でバックアップしてくれるみさと団地。つつましく隠居生活を送るにも良い環境かも知れないが、芥川賞小説作家候補の森万紀子が独居生活中に孤独死していた事もある、そんな団地だ。
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「くらし応援!笑顔の花咲く街」と看板にキャッチフレーズが書かれたセンターモール駐車場入口。しかし老人の孤独死が多発するのはこういう団地ならではの問題。駐車場に出入りする車はそんな老人の暮らしを影で支える介護業者のワゴン車が目立つ。
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センターモールは川を跨いで反対側にも広がっている。三郷市という街は関東平野の真っ只中にあって丘陵地は皆無(最高点は海抜3メートル)。二郷半領用水や大場川といった河川が流れてはいるが、流れは淀んでいて川というよりは堀といった感じである。
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そんな土地なので昔から稲作が盛んだったこともあって、平べったい田園風景に団地が家が点在する光景が延々と続くのである。これと同じ風景を他の地方で探すと、濃尾平野の広がる名古屋の郊外を思い浮かべる。あっちは工業都市なので単純労働者の受け皿が広くなおさら傾向が強い。
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同じ団地でも名古屋の郊外に行くと豊田市の保見団地みたいなブラジル人だらけのヤバイ団地があったりとクオリティの高さで首都圏の団地は一歩譲らざるをえないが、近い将来みさと団地も同じような事になるだろう。人口減少社会の日本は多民族国家の道を選ばざるを得ないからだ。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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