月島・佃島 (2) もんじゃ焼き食うてきた

佃島で大阪人と東京の結びつきの原点を探った後は、月島に行きもんじゃ焼きを食うことにした。今の時代になって関西は東京に抜かれただの東京マスコミが大阪を陥れるだの火病を起こす中華思想阪国人がネット上で弁慶ぶっているが、食い物にしても言葉にしても大阪と東京は同じ国の文化として時代を超えて連綿と受け継がれているのだ。
東京のコナモンと聞いてまず最初に思い浮かべる「もんじゃ焼き」。
しかし実際に東京の下町を見れば分かるが、現地では大阪のお好み焼きのような感覚で常食されている食い物ではない。下町エリアでは今でも古くからの店が残っているが大阪のお好み焼き屋のように犬も歩けば棒に当たるような勢いで店がある、なんてことはない。
だから、もんじゃ焼きを食べに行くと言えばもっぱら「月島」なのだ。
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月島駅に行くと屋形船に乗りながらもんじゃ焼きを食らう観光コースまでしっかり用意されている。完全に観光向けになってしまっている。
そもそももんじゃ焼きがどこでもお好み焼き同様に食われていたのは戦後と呼ばれていた時代がピークであったことは確かだ。その時代にはどこの下町でもガキんちょが近所の駄菓子屋で食っていたものだったという。
飽食の時代になってからというもののもんじゃ焼き文化は廃れ子供のおやつからは遠ざかった。近年になってからテレビの影響で「もんじゃブーム」が巻き起こった結果今に至るという形だ。
なんだか大阪で言うところの新世界の串カツブームみたいな胡散臭さだ。
テレビに映りすぎて観光客向けに成り下がるとどんな文化もパチモン臭くなる。それがいささか気掛かりではある。


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月島駅を降りて「西仲」と地元民に呼ばれる月島西仲通商店街に向かうと、これ見よがしな「月島もんじゃ協会」の事務所が置かれている。
地元民が盛り上げているのかと思いきやホームページを見れば分かるが思いっきりどこぞの業者のものだった。どうやらさっき駅にあった屋形船の運営をしているところだ。
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なにやら「もんじゃTシャツ」なんてものまで売り出しまくっています。どないなっとるねん。
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オリジナルTシャツ、戦隊モノもありました。
「月島名物 モンジャー」
(‘A`)
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軽くずっこけた後は商店街へ繰り出そう。この並びには腐る程のもんじゃ焼き専門店が軒を連ねているぞ。観光客向けに「もんじゃストリート」なんて呼ばせているそうだが、地元民には「西仲」で通じる。
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ただ平日だったのでそんなに活気はありませんでした。本当に店の数が多いのでどこが旨い店なのか皆目見当がつかない。
実はもんじゃの聖地である月島でも昔から営業している店舗はほんの数店舗だということだ。後はみんな「観光客向け」に後から出来上がったものだとか。
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道すがらレトロなポリボックスを発見。なんならここでおまわりさんに美味しいもんじゃの店を教えてもらってもいい。「西仲通地域安全センター」という名称で利用されている、警視庁最古の交番建築。
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商店街の入口には「月島もんじゃ振興会協同組合」の事務所もある。こっちは商店街の店主が集まって作られている組合。もんじゃ焼きの店を色々案内してくださるそうだが私は人任せなのは嫌いなのであくまで自分の足で探す。
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しかしどこに入っていいか良くわかんなかったので店の名前もそのまま「月島」という店に入って、もつとニラの入った「もつニラもんじゃ」(そのまんまやないか)を注文する。ちなみにこれで千円だ。もつは冷凍されたまんま持ってこられたぞ。おいおい。
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もんじゃ焼きの何が変わってるかというと生地となる小麦粉を薄める水の割合がお好み焼きとは圧倒的に違うんですね。しかもその中に出汁やらソースやらがそのまま入っている。
具材を押しのけて真ん中に穴を開けたらそこに一気に生地を流し込んで、適度に固まったらヘラを使って薄く広げてくっちゃくっちゃ捏ね繰り回しましょう。
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はい、これで出来上がり。どう見てもゲロです。本当にありがとうございました。
しかしこれをビールと一緒に食うとうまいんだな。
だが間違っても千円出して食うようなものではないと思う。
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そんな観光客向けの月島だが、商店街から一歩脇道に入ると物凄く風情のある木造家屋密集地帯が待ち受けている。ドラマに出てきそうな風景だが、実際にテレビの撮影スタッフがロケ中の現場に出くわして来た道を迂回させられてしまった。
あくまで本流のもんじゃ焼きは駄菓子の部類に入るものなので、そのつもりで月島に出かけるが良い。「本物のもんじゃ焼きの作り方はこうだ!」と豪語されている人のサイトもあるのでそちらも参考にどうぞ。
本物のもんじゃ焼きの作り方
昭和30年代の駄菓子屋のもんじゃの秘伝レシピー
参考生地…じゃなかった記事
駄菓子屋ともんじゃ

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