本駒込五丁目・駒込神明町の花街跡を歩く

次は駒込駅東口から南側一帯に続く「アザレア通り」沿いに進んでみる事にする。
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アザレアとは日本のツツジである。駒込と言えばツツジが有名らしく、駅周辺の線路沿いに大量のツツジが植えられているのだ。春先にならばツツジが満開となるが、駅の発車メロディはソメイヨシノの原産地である当地に因んで「さくらさくら」である。
商店街の入口では大阪花博の花ずきんちゃんのパクリとしか思えないツツジ頭の微妙なキャラクターがにっこり微笑んでいる。


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アザレア通りに入ると、北側のさつき通りとは異なり整備された幅広の道路に沿って商店街が広がっているものの、やはりどこかしら場末感の抜けない街並みは変わらない。
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当然こちら側にも怪しげな外人エステ店がちらほら見られる。駒込も池袋文化圏という事にしておけば全て納得。山手線の北側ってみんなこんな感じだよね。
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そんなアザレア通りを突っ切ると、その先で住所が豊島区から文京区に変わる。商店街らしさが抜けた辺りの一画が旧地名で言う所の「駒込神明町」となる。
この一帯は昔「神明花街」と呼ばれた花柳界があったが、私娼窟だった時期もあったという。地名の名残りは居酒屋の屋号にかすかに残っているのみ。
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現在では完全にフツーの住宅地となっていて、傍から見ても花街の名残りなど見当たらない。
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しかし、ある区画だけにやたら個人経営のスナックばかりが集まっている場所がある。これが辛うじて花街の名残りと言えるだろうか。
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江戸川区松島の「丸健カフェー街」立川の「錦町楽天地」もそうだが、私娼窟の成れの果てがこんな感じになっている事は結構多い。
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路地の奥に入るとさらにスナックがある。細い路地にびっしり張り付いているのが特徴だ。
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くたびれた場末のスナック街に隣接して田端銀座商店街が見える。商店街側は北区田端、手前が文京区本駒込となっている訳だが、北区と文京区って実は隣り合っていたのか。意外だ。
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花街の名残りは殆ど無い神明花街跡だが、唯一料亭だった建物が一応残ってはいる。完全に廃屋の趣きだが、一応人も住んでいる個人宅になっている模様。枯れた蔦が建物に張り巡らされていて、いささか不気味だ。
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ここは「箱根」という屋号の料亭だった。わずかに花街の気品が垣間見えるだろうか。年老いてなお現役、けれど引退直前の女将さんを見ているような気分になる。
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裏側から元料亭の建物を見ると「書道教室」の看板も見える。個人の家に使われている感じにしては、やはり生活感が感じられない。

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