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ヴィンテージ都営住宅・台東小島アパート (1)

東京各地にある都営住宅の中でも築40年、50年を越えた年代物の団地は決して少なくない。高度経済成長真っ只中で建設されたそれらの都営住宅の多くは住民がおしなべて高齢化し、外観も中身も熟成が進み過ぎてヤバイ事になっている。

そんなヴィンテージ都営住宅を眺めようとやってきたのは元祖貧民街下町・台東区の新御徒町駅南側、くたびれたアーケードの佐竹商店街を抜けた先の「都営台東小島アパート」である。
東京五輪と同じ1964年に完成、整然と窓が取り付いた11階建ての巨大な真四角のコンクリート建造物は威厳すら感じさせる風貌。



都営住宅の多くは築40年程度で建て替え工事が行われるケースが多いが、今の所この団地は取り壊しの計画も立っておらず、昔ながらの団地らしい勇姿を見せている。

1階と2階は店舗フロアになっていて目の前の清洲橋通りに面していくつか店舗が残っているが、向かいの佐竹商店街同様、老婆のようにくたびれ果てている。下から見ると窓に据え付けられてずらりと並ぶエアコン室外機取り付けスペースがさらに威圧感を与える。
上野でも浅草でもないどっちつかずの目立たぬ下町だが、台東区小島の地名は旧浅草区小島町から来ているので、一応これでも浅草エリアのはしくれという事になる。

浅草小島町は戦前から町工場が密集するド下町で、近所にある「おかず横丁」も共働きの夫婦の食卓を支える庶民の味方、といった場所だった。いまなお庶民的な佇まいを残す台東小島アパートの入口。

団地の入口には台東区立小島社会教育館の看板と案内もある。地域住民のためのコミュニティセンターといった所だが、「社会教育館」という名前には福祉施設の意味合いもあるのだろう。台東区にはこうした社会教育センターおよび社会教育館が区内5ヶ所にある。

エレベーターホールには各世帯の郵便ポストに加え「今週の清掃当番」のプレートも掛かっている。

すぐ右側には階段もあるが、3階から11階が住居という事もあるので殆どの住民はエレベーターを使っているはずだ。ご老人に配慮して我々は階段をすたすた登る事にした。
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階段の途中に設置されている各階ごとの警報表示盤のアナログっぷりが素晴らしい。住宅のある3階から上に11階まで。どこで異常が起きたか一発で分かりますね。
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さすが古い団地だけあって、階段のスペースも余裕で私物化されているのがデフォルトである。今どきの感覚ならちょっと植木鉢なんぞ置いたくらいで邪魔だの防災がどうだの言われイチャモンつけられる訳ですが昔の人はおおっぴらなんです。
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台東小島アパートの住居フロアはO字型に連なる共用廊下を内側にして中央に大きく吹き抜けがあり、それぞれ各戸の玄関と部屋の窓が連なっている。洗濯物は基本的に屋上に干すように造られているが、面倒臭いのかして廊下の前に干しているのがデフォルト。
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吹き抜け部分は転落防止か自殺防止か知らないが全て金網で上部を塞がれており真下を覗き込む事ができない。洗濯物が飛ばされる心配もなくなるが、その洗濯物の種類や柄を見ていても中高年以外に住民が殆ど居ない印象を受ける。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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