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基地の街・大和市鶴間にある究極の場末空間「砂利道の呑み屋街」を見る

神奈川県県央地域の一画を占める街「大和市」。人口23万5千人を数え、東京都心からも田園都市線や小田急線が、横浜からも相鉄線が伸びておりベッドタウンとしての側面もある一方で、米海軍・海上自衛隊が利用する厚木飛行場のお膝元でもあり、また工業都市としても栄えている。

今回はそんな大和市の「鶴間」という街にやってきたんですが…かなり昔に大和駅周辺のやさぐれた飲食街や駅前の風景を観察して以来の再訪で、その大和駅から小田急江ノ島線で一つ北隣にある駅がここなのだが、この鶴間と隣の南林間という二駅の間に夥しい数の呑み屋街が形成されていて雰囲気が尋常ないというので、見に来た次第である。

小田急線で新宿から片道50分という微妙に遠い位置にある大和市の鶴間駅。この鶴間という地名は町田市・相模原市・大和市の三市にわたって広範囲にあって、町田駅南口や相模大野あたりが「旧相模国上鶴間村」、田園都市線南町田駅周辺が「旧武蔵国鶴間村」、そしてこの小田急江ノ島線沿線の中央林間~鶴間あたりが「旧相模国下鶴間村」にあたる。

オサレ成分が強いとされる小田急線沿線も町田を越えてしまうともはや埼玉あたりの芋臭い駅前と大差がなくなる。駅前に中華料理屋や赤提灯の居酒屋がずらりと並ぶのがデフォである。ここ鶴間に限らず町田以遠の街は賃貸物件の相場も急激に下落するので、貧乏学生や非正規雇用労働者の住まいも多く、外食店舗もそうした客層にピントを合わせている。

そして大和市に来ればあらゆる行政の立てた注意書き看板が多国語表示になっているのは常識。基地の街でもあり工業都市でもあるこの街では外国人労働者の流入も激しい。70年代に戦乱を逃れて東南アジア諸国から流れ着いたボートピープルを受け入れた過去もあり、神奈川県内でも屈指の多国籍タウンとなっている。

厚木飛行場の目の前!着陸する飛行機の轟音に注意!

頭上を頻繁に飛来する米軍や自衛隊の飛行機の多さも、この土地に慣れていない人間が見るとビックリする光景の一つである。深夜早朝時間帯以外であればいつもこの通り飛びまくっている。厚木飛行場は24時間運用されているので、場合によっては夜中でも着陸する飛行機の轟音がする事もあるという。

特に鶴間や南林間あたりは厚木飛行場の着陸ルートの直前にあり、かなりの低空飛行となるので飛行機の機種によっては相当うるさい場合もある。住環境は端から期待してはならない。むしろ逆にミリタリーマニアが喜んで引っ越してくる事もあるのだろうが、普通の感覚の持ち主であれば好んで引っ越すような土地ではない事だけは確かだ。

基地の街・大和市のアルコール度数の高さを思い知る

隣の大和駅周辺同様に、鶴間駅の周辺地域も人口規模に対して異様に「居酒屋」「スナック」の店舗数の多さが目につく。アルコール度数の高い都内の足立区や葛飾区あたりの呑み屋街でも、もはやかなわない高密度ぶりである。

基地の街たる宿命なのか、一仕事終えた働く男どもの溜まり場として機能するこれらの酒場に従事する外国人女性もきっと多いはず。駅前を東西に走る厚木街道沿いの道を歩くと現れる一軒の雑居ビルに気になる抜け道がある。

その雑居ビルの開口部には「歌の散歩道」と古めかしい看板に書かれていて、奥へ続く通路がその下から伸びている。のっけからフィリピンパブなんかが入っていたりするんですが、中を通っていくと早速出勤前のフィリピン人のお姉さんとすれ違った。とにかく大和市には外国人が多い。

通路の奥からビルの反対側に出ると、そこに現れたのは未舗装の砂利道の路地。そこにも呑み屋街が容赦なく連なっている。一体何軒あるのか数えきれないくらいある。

そして目の前に現れるこの光景に唖然としてしまった。ここは本当に首都圏なんでしょうか?そもそも神奈川県ですよねここって。風情がまるで東北の最果て、青森県のどこぞで見かけた場末の呑み屋街そのものである。

雰囲気が青森の呑み屋街そのものな件

塩っぱい食い物をつまみに呑んだくれて早死するくらいしか出来ない青森の、第三新興街だとか三沢だとか田名部で見かけたような風景がそのまんま大和市にやってきたような印象を受けた。蛇足だが、うち三沢と田名部は共に「基地の街」として共通している。

だって「ねぶた茶屋」という青森ねぶたの写真をデデーンと看板にしたこんな居酒屋まであるんだもの、こんなに青森っぽい場所、首都圏の他にそうそう見当たらない気がする。大和市のこうした飲食店には青森県出身者も多数いるようである。それに「大和市青森県人会」というのも市内にはある。

路地裏にびっしりと隠れるようにそびえる古びた佇まいの店舗長屋群。この一画に関しては古くから呑み屋街として開けているようで、年代が経ち過ぎて既に廃墟化した店舗もちらほら…

すっかり店構えが廃れてしまった酒場の残骸…ここも屋号が「いたこ」ですよ?!もしかしたら恐山のイタコじゃなくて茨城県の潮来かも知れませんが…ともかく、どれだけこの呑み屋街に青森県人が関わっているのだろうか。

今回のレポではこの砂利道の呑み屋街について触れているが、鶴間と南林間の駅間には他にも凄まじい数の呑み屋街があって、フィリピン、タイ、中国、韓国、それに南米ペルーと実に多国籍過ぎてネタの宝庫になっているので、機会があれば別のレポで触れてみたい。

砂利道を出たところには、グダグダとサラリーマン川柳の数々が書き連ねられた居酒屋「かめや」が目につく。この界隈、夜になると相当ヤバそうなんですが、近辺にお住まいの方はどんな日常を過ごしているのだろう。

…というわけで凄まじい「隠し玉」を見せつけられた気になった大和市鶴間の呑み屋街。ところでルナシーの河村隆一といい元AKBの川栄李奈といい、大和市鶴間地域出身の芸能人がやけに多いんですが、やっぱり生活環境が特殊過ぎる故に芸能界を目指すのだろうかね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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