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【海老名市】もし間違って「厚木駅」で降りてしまったらどうすればいいのか【偽厚木】

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小田急線で新宿から片道50分掛かる神奈川県の県央地域に属する厚木市。その中心市街地にあたるのはもちろん本厚木駅周辺なのだが、小田急線で来ると本厚木の一つ手前に「厚木駅」というものが存在する。

海老名市 厚木

厚木駅は厚木市ではなく、相模川を挟んだ向かいの海老名市に所在している。駅開業当時からの経緯があってこのようになっているのだが、厚木じゃないのに厚木駅なので常々「偽厚木」と陰口を叩かれている。

海老名市 厚木

快速急行・急行は通過となっているが、準急以下の電車が停車するここ厚木駅でうっかり間違って降りてしまった場合、再び電車に乗り直してひと駅先の本厚木駅に行く羽目になるが、そのまま改札を出てしまったら一体どうすればいいのかを今回考えてみた。また改札を通って電車を待つか?しかしそれでは何のオチもないだろう。どうせなら「偽厚木」が何なのかを身を持って知る絶好の機会にしよう。

なぜ海老名市にあるのに「厚木駅」なのか

海老名市 厚木

厚木駅は小田急線とJR相模線の二つの路線が交わっているが、駅の管理は小田急が行っていて、改札口はJR・小田急共用となっている。京急と南武線支線が交わる川崎の八丁畷駅に近い構造だ。両路線の乗り換えに使う場合、以前は簡易改札機が置かれていたが、現在は通常の自動改札機に変わっている。

海老名市 厚木

2014年2月に自動改札機が運用開始される以前はこの通りの状況だった。まるで八丁畷乗り換えを髣髴とさせるノリである。微妙に使い勝手の悪い単線であるJR相模線も将来はリニア開業による利用者増加を見込んで複線化されるとかどうとかで、厚木駅に中間改札を置いたのは先行投資なんだろうかね。

海老名市 厚木

小田急線のそれと比べてもJR相模線のホームは昔ながらの国鉄時代そのまんまの古びた佇まいで、いかにJR東日本が相模線に金を掛ける気がないのが丸わかりである。ホームから何故か相模鉄道の電車が置かれているのが見えるが、これは相鉄厚木線の留置線。近くに厚木操車場があるからだ。

海老名市 厚木

相鉄本線の前身となる「神中鉄道線」の厚木駅が大正15(1926)年に開業した時からの名残りで、海老名駅手前の相模国分信号所からここまでの区間は「相鉄厚木線」の名称があるが、昭和16(1941)年から旅客営業は行われておらず貨物線扱いとなっているのだ。

元々今のJR相模線を開業させたのは相模鉄道だが、戦時中に同社は神中鉄道を吸収合併、さらに国有化され、戦後に旧神中鉄道線として開業した横浜・厚木間が今の相鉄線となったという非常にヤヤコシイ経緯がある。

海老名市 厚木

この神中鉄道の開業時、当駅がある海老名村は寂しい寒村の外れでしかない場所で、川向こうの厚木の地名を借りたのが駅名の由来として有力な説らしい。本当は橋を架けて厚木の町中まで線路を持って行きたかったのだが、資金難で実現を断念してこういう形になったというのだ。その後、小田急が相模川に橋を架けて鉄道を厚木市内に乗り入れる事になる。神中鉄道も他社線直通運転という形で厚木市内の乗り入れを実現したが、戦時中に相模鉄道に吸収されている。

海老名市 厚木

昭和2(1927)年に小田急線が厚木の中心部に駅を開業したが、既に厚木駅が当地にある故に「相模厚木駅」として開業。ちなみに小田急線厚木駅は当初「河原口駅」と名乗っていたが、戦前の昭和19(1944)年に厚木駅に改称。相模厚木駅も「本厚木駅」に改められた。ちなみにこの時期の小田急は戦時統制下で東急に吸収合併(大東急)されていたので、東急厚木駅、本厚木駅となっていたのだ。

海老名市 厚木

茅ヶ崎から橋本を経由して八王子まで往来する同線だが、茅ヶ崎・橋本間の所要時間はまるまる1時間。単線であるが故の不便を強いられ続け湘南の海がやたらと遠い相模原市民にとって相模線の複線化は悲願でもある。

「偽厚木」駅周辺を歩いてみる

海老名市 厚木

厚木駅の改札を降りると目の前を走るは県道43号線。住所は厚木市ではなく「海老名市河原口」。海老名の中心市街地からも外れていて駅前の発展度は全然微妙な感じになってますが、最近圏央道海老名インターが近くに出来たので、自家用車さえあれば便利に暮らせるのではないだろうか。

海老名市 厚木

駅周辺は「厚木駅前栄光会」というちょっとした商店街になっているようだが、その辺を見回してもろくに食う所も無さそうな感じなんですが、辛うじて飲食店ビルっぽいものがありましたよ。表にはインド料理屋やラーメン屋などがありますけども…

海老名市 厚木

偽厚木駅前でかれこれ40年は商売しているという「ラーメン一心」の小汚い手書きの張り紙がクオリティ高すぎて泣ける。ミニチャシュー丼300円。

海老名市 厚木

厚木と言えば黒いTシャツに鉢巻きでキメて腕組みしているような格好つけた店主が居て壁に謎の自作ポエムを掲げて店内BGMに湘南乃風やEXILEあたりを流して一杯千円くらい取るような小洒落たラーメン屋が多い土地柄のようですが、さすがここは偽厚木だけあって、そんなに意識高くない系です。

海老名市 厚木

建物を横っ面から眺めるとなかなか香ばしい佇まいをしているのである。スナック、居酒屋、麻雀などなど、完全にオッサンの溜まり場にしかなって無さそうなテンションなのですが、この飲食店ビルこそ「偽厚木」にふさわしい街のランドマークである。

海老名市 厚木

そのビルの二階へ続くオンボロ具合極まる階段。入口には「いらっしゃいませ 2F 遊興飲食街」の看板が。遊興飲食街ですって?!まあなんともそそられるフレーズではありませんか。

海老名市 厚木

二階「遊興飲食街」に上がるとこの通り、地元民しか知らない陰気臭い土着的パラダイスが姿を現すのである。

海老名市 厚木

厚木でも海老名でもない真空地帯の盛り場の夜はどのようなものなのか俄然気になってくる訳であるが、この「亜美亭」という焼肉屋とか、なかなか渋いロケーションですね。何の肉が食えるんだよ…

海老名市 厚木

飲食店ビル向かいの、相模線の踏切を挟んだ東側にもドカチン感丸出しの大衆食堂と焼肉屋か二軒連なっている。左側の「大和屋」は定食各種に強いようだが、どう見ても「食堂呑み」が出来る佇まい。偽厚木は紛れも無くオッサン向けの街である。

海老名市 厚木

また、厚木駅北東側にはたまプラーザならぬ「海老名プラーザ」なる新興住宅地めいた団地ゾーンが広がっていて、周辺も同様の住宅街となっている。ちなみにここからだと海老名駅まで徒歩15分くらいで行ける。相模線の線路を挟んだ西側のオッサン臭さとは無縁の空間である。

海老名市 厚木

しかしこの団地内商店街…殆どシャッター通りになっていて死亡寸前の状態になっている。蕎麦屋と共産党の事務所くらいしか開いてません。

海老名市 厚木

また相模川を跨ぐ相模大橋を渡って厚木市街地に入れば偽厚木駅から厚木の旧市街地にも割と近かったりするので、間違って偽厚木で降りてしまった場合はこのルートで厚木入りするのが良いかと思われる。散歩がてら、わざと偽厚木で降りてみるというのも如何でしょうか。



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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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